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USDCはUSDTの夢を喰うか

①今回の相場の陰のテーマはステーブルコインだったのか?

わたしが主にステーブルコイン周りを追っていた関係で、AMPL的なリベース型、basis型、FRAX型、DAI型などを見てきましたがどれも大体なんだかんだで一度はブームを起こしました。

BSC側からはCAKEが最大のスターだったのは間違いないのですが(犬は考えたくない)、裏で密かにこれらはバブルを何度か発生させていたのでそれを追っていたわたしはある意味で常にバブルの渦中に居たような気もします。

NFT周りは追っていなかったのでFLOW所得等と言ったブームの方はちょっとわかりません。ショートの証拠金が確保できた人とそうでない人で差がついてしまいましたね…。あれはETH系の方でのブームだったのでしょうか。

DeFiの環境ではAPRが見えるために動向の予測が比較的行いやすく、金利がより高い所へ資金が流れるというのを、観測を続ける限りではまさに肌感覚で実感するには最適でした。

そのためか、時間が過ぎるのがまさに精神と時の部屋のようでした。

金利の記事を書いたのはそれを頭でまとめたかったのもありますし、IRONが流行っていく場合には必ずそれが資金を吸収してしまうので他の銘柄がダウンしてしまうという警告の意味もありました。(加えて魔界の電撃戦が加速してしまいrug pullやscamとの戦いが更に厳しくなるだろうという意味でもありました。)

文章が過去形になっているのは一区切りついたように感じる故でしょうか…。

精神的には5年ぐらい過ぎた気がします。WEBの性格診断を受けたら30歳ぐらい上の年齢にされてしまいました、活力が無いそうです。合ってる。


TwitterのTLでは尊敬する著名な犬ブリーダー(という事になってしまいそうな方)が、TLを見る限りこれからはUSDCがトレンド!等と発言されたり、 #ステーブルコインの未来は明るい といったハッシュタグもよく見かけました。

日本円ステーブル(仮想通貨ではない!重要!)とか日本円ステーブル(暴騰する!)等が話題にもなりました。

なんだか雰囲気が「楽しかった!仮想通貨バブル!みんなで虚無を売買しました!」といった感じになってきましたが、思い出はプライスレスです。

なお、わたしは相場観は現在はニュートラル弱気です。

相場操縦が無ければ下落すると思っていますが、イーロンマスクがビットコインで大損という記事を読むイメージもなんだか現実感が薄いのでどちらにポジションを取っても酷い目に合いそうな気がします。

②IRON進行時に予測していた一つのシナリオ

IRONがAPR無限連鎖状態に入ったのは様々な相場要因が完全に重なったためだとわたしは考えています。


ですので再び同じ状況が発生する事はもう無いと思っています。

そして、IRONはECR0という奇跡の可能性が無くはなかったので、まさに最後に残った僅かな希望という気持ちでした。

IRONは担保投資を行っていましたから、aaveにUSDCが供給されます。

これに対してレンディングレバレッジが始まればBTC/ETHが買われてUSDCが借りられます。

そこから更にIRONをされてその利益でBTC/ETHが買われるの繰り返しでECR0に辿り着き、BTC/ETHの価格が上がってコインベースの株価も上がり、注目度が上がって新規流入が増えて、そして緩やかに皆が借金を返済していくことでペグが外れないままBTC/ETHも上昇し、Dなステーブルコインも生まれ相場も復活すればいいなぁぐらいの気持ちでした。

ほぼ無理ですね。絶対と言っても良いぐらいに。

元々ハッカーやscamを含めると完全にマイナスサムですから錬金術が無ければ持ち直しが困難ですし、これはわたしにとってはダメで元々の最後の祈りでした。

一つ、このシナリオの派生でIRONによってUSDCが大幅に買われる事で上方乖離(1.01とか)を招く可能性を想定していました。

USDCを利用する事でハイパー高金利が得られるという事は、一時的にUSDC/USDはUSDCが非常に価値が上がっているのでUSDCが新規にガンガン投入される理由になります。

その場合、ペグを維持するためにUSDCがmintされるはずです。

ただ、USDCを入れるだけというのは資金が尽きてしまうと不可能なので最も効率的な方法を考えてきたとき、浮かんできたんです…朧気ながら「アービトラージ」という言葉が…。

つまりは1.01ないしはそれ以上のUSDCがある時に、USDCをmintしてUSDTを購入し、USDTを$に戻すというアービトラージが想定可能です。

この場合、原資が新規に無くてもUSDC→USDTと繰り返すだけで落ちているお金を拾う事が出来ます。

結果、USDCが大量に増殖してUSDTが大量に減少する可能性に気づきました。

これが起こったら誰が困るかというと、そう、テザーです。全額返すお金を持っていない点はIRONと全く同じです。

つまりIRONによってテザーが駆逐されテザーショックが起こる可能性というのは意識の中にありました。

実際はIRONによってそこまでいくことはなかったですが、構造としては変わっていないはずです。

つまりUSDCの需要が増えてUSDTを皆が嫌っていくならばこれはアービトラージが起こりえて、テザーショックというルートです。


③加速度的に上がっていく実質支払い金利


ハッカーやscamは支払い金利みたいなものですね、行動する度にじわじわと吸われてしまうのでこれが増えるのはクリプトワールドの金利が滅茶苦茶上がってしまっているのに近いと思います、そうなるとみんながすることは引きこもって安全な銀行預金です。何も貰えないけど減らないから実質相殺金利。

USDCを借りてUSDCを預けてUSDCを借りる事で金利が貰えるのでとりあえずこれでみたいな。といってもそんなことがいつまでもあり得るはずがないんですよね。

+金利になる理由は少なくともpolygonではmaticが貰えるからであって、maticがナイアガラしたら+金利が消えますからその内帳尻が合うのでしょう。

放置していると超マイナス金利になっていると思うのでこういうのは危険ですね。利確の取り合いです、程々にしましょう悲しいなぁ。

加えるなら、ウォレットに置いてあまり動かないつもりでも抜かれる現象が起こり始めるならばもはや居るだけで利払いが半端ない状態になってしまいますし、どうにも怪しいトークンが送られてきたりが増えてきて懸念すべき雰囲気がしていますね。

今まで大丈夫だったプロジェクトも注意しましょう、我々が信じて良いのは儲かっている内はやめない、それだけです。

④androidはtwitter for iphoneの夢を見るか

ところで、USDCは担保に出来ますがUSDTは担保に受け入れて貰えません。そのため、レンディングにUSDCを預けて借りて預けて借りるの流れが出来るのはUSDC、もしくはDAIであってUSDTは出来ません。ですからUSDTとUSDCの価値に差が生まれてしまっています。

先ほどのアービトラージの話に戻りましょう、USDTお前…大丈夫か…?


しかし希望が無い訳ではありません、USDTはバイナンス等のCEXデリバティブで利用できる事が多いので必ずしも劣っているとは現状では言えない所です。

そもそもUSDTはUSDCより資本効率が良い点は事実です、これはIRONの主張通りでもあります。USDCは100%担保されている代わりに完全にその額の$がロックされてしまうために、実質増えるほどリアルから$がバーンされてしまいます。

IRONのECR0無双世界線シナリオでは$調達してUSDCmintの為に、米国債ぶん投げ祭りからの全世界金利上昇ドル円moonの新興国危機シナリオまでをパニック小説にしようかとちょっと考えました。

あまりに増えすぎるとアメリカ政府から目を付けられる可能性もあるでしょうし、逆に敢えて大量に流すのを泳がせていきなり梯子外しでクリプトワールド破壊といった手を残す懸念もあります。

USDTはクリプトワールドで1$を生成しながら、リアルワールドにも資金を供給しているため利用者側からすると大変不安ながらも効率が良いのは確かです。

USDTを止めるとテザーの投資先各所に影響が出る為、いきなりストップさせると経済混乱が起こりうるという実質の人質を取っている面もあります。

今の所はCEXではUSDT優位、DEXではBUSDやUSDC、DAI優位に見えます。

ならばCEX-DEXの動向や、デリバティブのFRや出来高等の指標はUSDTの価値に影響を与える可能性があると考えます。

この辺りの動向はちょっと注意して見ていきたいと思っています。

悪貨は良貨を駆逐すると言いますが、どちらが悪貨なのかは意外と判断が難しい物なのかもしれません。現に人類は今まで生きてきているので選択をマズっていたならどっかで滅んでいたと思いますし。

この相場の隠れテーマかもしれないステーブルコイン、奥が深いです。

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