おはよう

昨日のこと 仕事終わり SNSで他人の生活をなんとなく流し見していたら 好きな人の生活が流れてきた なんとなく画面を押したら好きな人を前に愛おしそうに声を上げる生活の風景を動画にしたものが流れてきた 咄嗟に画面を閉じてしまった 泣いてしまった 叫んでしまった 大人なのに情けないと思った 仕事場を飛び出して音楽仲間に電話をかけてしまった 誰かにこういう場面でいきなり頼ることはあまりしない様にしようと思っていた 耐えられなかった 仕事の帰り道、真夜中極寒の銀座の横断歩道の前でアルコールの缶を片手に座り込み 子供のように泣きながら好きな人の悪口を放ってしまった うんうんとただ頷いて慰めてくれた音楽仲間には頭が上がらなかった ふらふらのまま暫く歩いて好きなバンドの音楽を何度もリピートしながら遠回りをして家に帰った 気をしっかり持てずに投げやりになった私は喉奥に指を突っ込んだ 食べた物を飲んだものを全て吐き出そうと 暫くして留まった まずいという直感のようなものを喉の異変で感じ取った 脳と臓器が一線を超えてしまいそうになった
これを常に癖にしてしまったら 声を張ることが 歌うことが出来なくなってしまう そんな気がして怖くなって止めた お風呂で好きなバンドのドラマーの女の子が作った歌を流しながら麦酒を開けた 虚しさだけが残ってしまった それでも好きなバンドの音だけが眩くしっかり光っていた 自分のバンドの持ち曲をなぞった 毎日が音に救われている なんでこんなに辛いんだろう  早く消し去りたい 好きな人はいつまで私の中に入ってくるんだろうか 怖い 悔しい 辛い 嫉妬 色々な感情がゴミの塊のようになって私に入り込んでくる この時の自分が1番惨めで哀れ だと思ってしまった

きっと僕は手を差し伸べて欲しいのだ  連れ出して欲しいのだ
僕を知らないどこかの誰かに 或いは僕が好きな僕に

早く解放されてくれないだろうか。

2人で写った写真のふたりは穏やかに笑っている。イヤホンからは大好きな女の子の歌声だけが流れ出ている。

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