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モラトリアムに忠実に

改めまして、劇団アルオレ!第三回公演「モラトリアムに忠実に」無事終演いたしました。
映像配信も含め、ご観劇いただいた皆様本当にありがとうございました。
いや、まだ配信はあと1日見れるので、これを読んだ上でもう一度見てみるのもいいのではないかと思います。
初めてのヒロインの立ち位置にある役を演じましたが、いかがでしたでしょうか。
今の私ができる精一杯は出し切ったつもりです。
少しでも皆様の中に、平原舞子が、モラ忠が残り続けてくれたら幸いです。


長くなりますが、この作品をやるにあたって私の中にあったものを吐き出させてください。
(ほんっとに長いから興味ある人だけどうぞ)


私は高校の頃演劇部でした。
一時期クラスでぼっちになってしまい、居場所がなくなって、部活の時間だけが学校に行く意味、みたいな時期がありました。
舞子ちゃんと一緒です。
やみとさんが語る実体験の中で、演劇サークルのことを「誰でもいていい場所だと感じた」と仰っています。
本当にその通りです。
クラスではぼっちで居場所がない私と、クラスでも男女共に友達が多くて楽しそうな友達。
まるで正反対だけど同じ場所にいてもよくて、「演劇」や「表現」を通じて同じことで笑いあえて、床に寝っ転がってお喋りできるくらい、なんなら無理に喋らなくてもいい脱力できる空間が、私にとっての「演劇部」でした。

今はあの時よりだいぶ明るくなったし、会話もできるようにはなってきたけれど、根本はきっと、あまり変わっていません。

だから、オーディションで台本公開されていて最初に読んだ時共感できる部分があまりに多すぎて、「絶対に出演したい」と、「絶対に平原舞子を演じたい」と思っていました。
だから本当に平原舞子役でオーディション受かった時はびっくりして。
実はモラ忠は、フリーになって初めてオーディションを受けた作品でした。
久しぶりのオーディション、今後への不安と期待、縛りも何もないが後ろ盾もないことへの恐怖をうっすらとでも感じていたせいか、自己紹介はまったく喋れなくて、なんなら泣きかけで言葉に詰まりまくり。
正直、あれはさすがに落ちたと思っていました。
本当に、やみとさんに感謝です。


舞子ちゃんを演じながら、自分自身がとても励まされている部分が多かったです。
舞子ちゃんが持つ他人への愛は、本当に純度の高いものだなぁと思っていました。
「純」というイメージを大事にしたかったので、嘘をつかないことはとても大事にしました。
いや、人がいじられるのを笑って見ていられる子ではないと思っていたので、おもしろいことが起きた時に笑わないように我慢してたのは正直「嘘」ではありますが。
でもおもしろいことが起きた時、「笑いの犠牲になっている人がいないか」と考えることで自然と笑うことにストップがかかりました。
なるべく稽古中も君津先輩を演じる善波さんの姿を目で追ってみたり、本番中はなるべく同じ場所にいる時間を増やしてみたりして、好きな人と頑張って接点を持とうとする状況に寄せてみたり。
涙が抑えきれなくなれば泣くし、正直涙がにじみもしない回もありました。
でももし涙が出てこなくても、気持ちだけは強く持ってまっすぐにちゃんと伝えることだけは大事にしました。

最後の君津先輩と2人きりのシーン、たくさん間を使いました。
舞子ちゃんなら、絶対にあの空間で、あの状況で、あの言葉たちをぽかすかと君津先輩に投げることはできないなと思ったからです。
普段から言葉を選んで話しているだろうから、あんな繊細なシーンではもっと言葉や言い方を選ぶだろうと。
普通ならあの間はもっと短くしろって言われるけれど、演出のやみとさんも、君津役の善波さんも、それでいいって言ってくださったのがとても嬉しかったです。
特に、その時の調子とかで毎回変わる言い方や間をちゃんとわかって、同じ歩幅でお芝居をしようと寄り添ってくださった善波さん、本当にありがとうございました。
お2人には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。


ここからはアドリブや役者自身のアイデアで発展していったシーンの中から、好きなところを語ってみようかと思います。

まず君津先輩が一生懸命読み込んでいる台本。
あれ、実は毎回表紙のタイトルが変わっていました。
善波さんの力作です。
しかも、作中のセリフに出てくる「鯖」にかけられたパロディタイトル。
添えられたイラストや吹き出しも面白すぎたので、本番絶対に笑わないようにするため、始まる前に必ず1度確認させてもらっていました。

金城さんの持ち込んだバラ。
胸元からバラ出てきた日、一気にあのシーンでの金城さんへの恐怖感が増しました。
なんなら千秋楽2本に増えてて、1本胸元に刺さってんの本当に何?
「こんなイケメンなのに…!」とブツブツ言っている言葉も実は毎回変わってて本当に笑いそうになっちゃってました。
金城役のけいやさんとは、実はB班の最高身長と最低身長のコンビ。
そしてけいやさんはいつもまっすぐすぎる目をしてるので、壁ドンからのあの距離で詰められるのまじで危機って感じ。
あのアタックのされ方は絶対怖い。

葵先輩のファッションポイント語りのところ。
生足魅惑のマーメイドって言いつつそこまで脚出てないとことか、ラプンツェルみたいって言いつつ髪の長さ足りないけど三つ編み2本あるからこれでとんとんってことで!みたいなわけわかんないこと言ってるの好きすぎました。

芝ちゃん。
私、芝ちゃんめっちゃ好き。語らせて。
金城さんの話題出しちゃったことを謝る時の土下座、いつからかあの足伸ばした形になってて、もはや土下座じゃなくて、てかいつも土下座の形綺麗すぎて、ほんといつも笑いそうだった。
あの謝られ方は本当になんて声掛けていいかわかんない。
あと芝ちゃんのいいところ言ってもらえないとこ。
あそこ台本では何も書かれてないんですけど、陽が黙っちゃってる時に「それから?」「からの?」「お?」とかって合いの手挟むの好き。
喋り方がたまに半角カタカナになるのも好き。
「サミシイ~」「エ~」「サケ~ッ♪」って、短く挟まれるやつだいたい半角カタカナっぽい喋り。かわいい。

最後、白井部長が「平原も役者やってみる?」って聞いてくれていたのはわりと最後の方に付け足されたアドリブ。
あれが付け足され始めた瞬間から、私は自然と「私がですか!?絶対できないです…!」と答えていました。
あのやり取りすごく大好きだし、今後の展開みたいなものが見えていいなって。
結局、舞子ちゃんも君津先輩も、あの後ただお互いに自分の恋心を、気持ちを、自分で認めてあげられただけで、それ以降何かが大きく変わるわけではないんだろうなと思っています。
でも今まで他人の事ばっかり考えて、自分のことを蔑ろにしていた2人にとって、自分の気持ちを認めて受け入れるってかなり大きな一歩です。
それを白井部長がちゃんと見守ってくれてて、あの後さらに一歩踏み出すためのきっかけがあるのだとしたら、白井部長を始めとするサークルのみんななんだろうなと。
あれ入れてくれた狩野さん、天才です、大好き。


他にも好きなとこいっぱいあったけど、言ってしまえば全部好きなのでここで留めておきます。

ここまで長々とありがとうございました。
また再演とか続編あったらいいな、その時も絶対に平原舞子がいいなのお気持ちです。

本当に1ヶ月ありがとうございました!
楽しかった!大好き!

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