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一条工務店のウソ・ホント


はじめに


こんにちは、HIBI HOMEです

これまで書籍やYouTube、ブログ、Instagram等のいろんな媒体で高気密高断熱住宅の性質について情報収集してきましたが

現在の知識量を持ったうえで改めてSNSなどを眺めていると

これはデマなんじゃないか?
科学的に間違ってるんじゃないか?

そんな話題に出くわすことも多々あるなと感じます

ということで今回は
「一条工務店のウソ・ホント」と題して
よく言われている通説についてウソか本当か
バサバサ切っていきたいと思います

一条の家は乾燥する

出ました!よく出てくるこの文言!
これは「半分ウソ」です

なぜ「半分」かというと
「乾燥する」という言葉の意味合いによっては本当だからです

高気密高断熱住宅は、一般的な住宅よりも宅内の温度が高めになるため
パーセント表示の相対湿度で見ると確かに低く表示されることになります
これはこれで風邪のウイルスなどが繁殖しやすくなることから
相対湿度的に乾燥しすぎるのも良くないのは理解できますが

言及されている場面を拝見すると
あたかも人間にとってカラカラ・カサカサに感じるかのようなニュアンスで表現している場面も多いと感じます
このようなニュアンスだと、科学的にはウソが混じっています

というのも
人の乾燥感に影響を与えやすいのは相対湿度(%表記)でなく絶対湿度(g/㎥表記)であり
一条の家では絶対湿度の量は全然低くないからです

むしろ、ロスガード90の湿度交換によって、一般的な第三種換気の住宅よりも絶対湿度は高く保たれています

冬は外気に含まれる水蒸気が少ないため、元々乾燥しています
なので、一条の家だから/床暖房を使っているから乾燥する、というわけではないのです

また、「一条の家は」という表現は、あまりに限定しすぎです
相対湿度が低くなりがちなのは、屋内温度が高くなりやすい高断熱住宅全般の性質です

そのため、高気密高断熱住宅のメーカーを探しているのであれば
「一条の家は乾燥するらしいから心配」という表現は的外れということになります



一条の家は夏涼しくて冬暖かい

これはおおよそ本当ですが、一部ウソが混じっています

ポイントの一つは
設計が悪ければ夏暑くて冬寒い家になることもある
ということです

一条工務店が優れていると言われている断熱性は、あくまで天井・床・壁全体の断熱性の平均値(=UA値)で評価されていますが

局所的な温熱の弱点は発生しうるのです
例えば
- 西側に窓があると西日で夕方とても暑くなる
- 北側に面積の大きい窓が構えられていたりすると冬寒くなる
こういった状況は普通に考えられます

また、もう一点事前に知っておくべきなのが
春・秋の中間期に暑くなりやすいという問題です

断熱性の高い家の場合
仮に気温が低めであっても、室内にいる人や調理の熱量だけで室温が上昇してしまうことがあるのです

そのため、高気密高断熱住宅はエアコン冷房の駆動機関が一般的な住宅よりも長くなる可能性があります

こういった住宅を「涼しい住宅」と呼ぶかは個々人の解釈にお任せしますが
「夏涼しくて冬暖かい」という単純な言葉で済ませられない性質だということだけでも覚えておいていただけたらと思います

展示場の仕様が標準仕様

「一条工務店の展示場のほとんどは標準仕様だから
皆さんも展示場と同じような家が作れますよ」

これ、一条工務店の売り文句の一つですよね

実際はというとよね
我々がやり取りしていた展示場には標準仕様以外のものも使われていました

標準仕様以外というのは
オプション仕様だったり、設定外オプションのことを指しています

オプション仕様を取り入れる気持ちはわかります
一条の立派な製品ですし
その実物を見れる機会がなければ展示場の意味がないですからね

ただ、設定外オプションも入っているとなると若干突っ込みたくなるな~と感じます

具体的な例としてはこの辺りを見かけました
・アイカ工業の洗面台
・他メーカーのクッションフロア
・他メーカーのタイル
・朝日ウッドテックのthe wall

これをネガティブに解釈すれば
「同じもの作ろうと思ったら標準仕様から結構お金積まなきゃいけないってことじゃないか!」
とも言えますが

「他メーカーの設備も柔軟に入れられる」
とポジティブに解釈することもできます

このあたりは、営業さんの伝え方次第で
施主さんの誤解を防いだり説得材料に使えるポイントなのかなと思いますね


ダンジュは分厚くて重くて開けにくい

断熱王の仕様で、土間断熱とともに登場した超断熱玄関ドアのDANNJU

断熱材がこれでもかと入っているその分厚さから
「重くて子供が開け閉めするのが辛いのでは?」
なんていう懸念をされている方を見たことがあります

これについて、引き渡しもされてないくせに恐縮ですが
重いという説はウソです

確かに、ドア自体の重量は一般的なドアよりもほんのちょっと大きいのかもしれません
ただ、我々はそのドアを上下に動かしたりはしないですから、ドアにかかる重力の大きさを露骨に感じるチャンスは我々にはないでしょう
(大変なのは取り付けする工務店の作業員さんだけです)

玄関ドアは水平方向に開閉するわけで、ドアの重さとその開閉しにくさとはほとんど関係のないことだと思います

もしそれで重さを感じるときがあるとしたら、ドア根元のかみ合わせが悪くなったり、潤滑油が枯渇しているときで
そうなったらもはや重さのせいでなく劣化や施工不良のせいと言えるでしょう

この重さを懸念して他のドアにしちゃうのはもったいないです
一条の家は生活空間が暖かいからこそ、玄関の寒さは特に気になると思いますので
ぜひ皆さんもDANNJUを採用して断熱王になってください

一条工務店はダサい

よく、ハウスメーカー選びをしているときや
引き渡し後に別メーカーで建てた家の写真を見たときなどに
頭をよぎる特徴かと思います

おしゃれかダサいかは個人の見解にもよりますが
個人的にこの風潮ははウソで
そもそも他メーカーや工務店との比較の仕方がおかしい場合が多い印象です

例えば、我が家では
一条工務店と住友林業で見た目がどれくらい違うか考えたことがありました

住友林業のHPなどに載っている家は本当におしゃれですよね
植栽や家具、内装含めて自然素材であふれており、非常に落ち着きそうな空間が出来上がっています

確かにこのような家と一条工務店の家を比較すると
自然を感じる、というほどまではいかない雰囲気です

このような差を見て、施主目線ではダサいと思うのだと思いますが
注意した方が良いのは
その家にかけているコストが全然違うということです

住友林業で家を建てようと思ったら、そもそも一条工務店で建てるよりも坪単価は上がりますし
HPに載っているような家を建てるには広い土地、自然素材の高級な内装材、外構費用や家具等、さらに相当なお金をかける必要があります

一方で一条工務店の場合は
標準仕様がビニールクロスやシート系フローリングで構成されているため
真のナチュラル感はない一方でコストパフォーマンスは圧倒的に良いです

このように、両社はそもそもの価格帯がずれており
施主さんたちの中で、仮に同一予算で家を建てた時の現実的なオシャレさの比較はできていないと想像します

ちなみに住友林業施主の中では、予算の制約などからいい雰囲気が出しきれなかった家を「しょぼりん」と呼ぶらしいです

このように、もし高級ハウスメーカーと契約しても、予算が同じならできるクオリティは対して変わらない可能性も高いのです(むしろブランド代の分損するような)

個人的には、建築費用の坪単価をできるだけ抑えられるメーカーの方が
内装や家具、外構にお金を回せるのでトータルコーディネートはオシャレになるんじゃないかなと思っています
※一条にインテリアコーディネーターはいないので、ある程度自力で進める必要がありますが


また、一条工務店の家がダサいと言われるもう一つの要因として
「どの家も同じような見た目になる」
という点もあると思います

似た見た目になってしまうのは、工業化を極めて大量の顧客を持つメーカーの宿命ですね
これは否定のしようがありません

ただ、個人的にこれは注文住宅を建てる人だけから見た偏った目線だなとも思います

例えば一条工務店の家で建てたあなたが、自宅へ友人を招いたとしましょう

あなたは自分の家の内装をありきたりな見た目と思っているかもしれませんが
そのご友人は一条工務店の内装がどんな感じか調べたこともない確率が高いですし
そもそも一条工務店という名前すら知らない可能性もあると思います

なので、一条工務店の家を選ぶという選択が
「ありきたりな選択だな」
という評価を受けることはあまりないと思うのです

さらに、もし頻繁に見かけるからといって「ダサいのか?」というと
それは別問題だと思います
もちろんオリジナリティの有無だけで評価するならネガティブな印象になるかもしれませんが

同じように大量生産ビジネスで世の中に君臨しているユニクロやGUの服は
必ずしもダサくはないですよね?
むしろ、ユニクロの服にも名作と呼ばれるおしゃれなものがあったりしますよね

一条の家も、良いと思った部分は標準仕様(ユニクロ)で取り入れて
気に入らない部分は外部のメーカー(高級ブランド)品を組み合わせれば良いのです

それが、限られた予算の中でオシャレ度を最大にする方法だと個人的には思います

※一条工務店の家をユニクロに例えているのは、大量生産とクオリティの高さの側面だけです。安さの側面で共通しているとは思っていません(笑)


一条工務店は高い

これはほぼウソだと思います

たしかに一条工務店の家は、各ハウスメーカーの価格と比べると、建物にかかる金額の絶対値は平均より少し高い部類です

しかしそれは、性能を担保するための断熱材や、大容量太陽光パネルなどの費用が乗っているからであって

性能面の仕様を揃えて比較したら一条工務店はかなり安い部類に入りますし

断熱材が少ないローコスト住宅と比較しても
引き渡し後の維持費が全く異なるため
長く住めば住むほど、生涯にかかるコストは高気密高断熱住宅の方が安くなってくるのです

加えて近年はインフレ基調になってきていますから
都度都度維持費を支払うよりも
初期費用側で負担額を確定させてしまい、ローンをだらだらと返済していく方がインフレの影響を受けずにトータルで安上がりになる可能性が高いです

結論から言うと、一条工務店の家は他の高気密高断熱住宅と比べてコスパが良い方ですし
ローコスト住宅と比べても生涯コストの観点で見れば安いと言えます

※トータルコストについては、厳密には断熱のレベルと想定居住年数によります
松尾先生がYouTubeで解説していますので参考にしてみてください

高気密高断熱住宅に床暖房はいらない

YouTubeを見てると
床暖房なんかいらん!
と言っている方が結構いらっしゃいますよね

これについての真偽はどうでしょうか?

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