【第2話】林檎が二人の霧を晴らすまで【欲望企画~友人をマッチョマンにして恋愛小説を書いてみた~】
「なあ! 話と少し違うんじゃないか」
「あら、違うとは何かしら」
「俺はお前に襲い掛かる怨霊を退治するために暮らし始めたのであって、店の雑用をやるためにここに来たんじゃないぞ!」
棚を一掃きして、脚立から宮子を見下ろす。
「おほほ。ごめんなさい。ただ、24時間ずっと怨霊が私に襲い続けるわけじゃないでしょう?」
「元々そういう話だったじゃないか」
「あらあら。私は付き人になって欲しいと言ったのよ。用心棒のみになって欲しいなんて一言も言っていないわ」
「なんて女だ……!」
宮子は