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【欲望企画】友人を主人公にして友人の欲望を叶えてみた!!

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瑠璃雲雀メンバー同士でネタを交換して小説を書いた!!!! 気心知れた友人だからこそできたのです!!!! 公式ツイッターには固定ツイートで自分の欲望(設定)を載せ続けた(5カ月)…
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【第2話】林檎が二人の霧を晴らすまで【欲望企画~友人をマッチョマンにして恋愛小説を書いてみた~】

「なあ! 話と少し違うんじゃないか」 「あら、違うとは何かしら」 「俺はお前に襲い掛かる怨霊を退治するために暮らし始めたのであって、店の雑用をやるためにここに来たんじゃないぞ!」 棚を一掃きして、脚立から宮子を見下ろす。 「おほほ。ごめんなさい。ただ、24時間ずっと怨霊が私に襲い続けるわけじゃないでしょう?」 「元々そういう話だったじゃないか」 「あらあら。私は付き人になって欲しいと言ったのよ。用心棒のみになって欲しいなんて一言も言っていないわ」 「なんて女だ……!」 宮子は

【第一話】林檎が二人の霧を晴らすまで【欲望企画~友人をマッチョマンにして恋愛小説を書いてみた~】

「おのれ、怨霊め。成敗してくれる!」 荒谷が刀で怨霊の首を真一文字で引き裂いてしまうと、花火のように血を爆発させて怨霊は霧のように消え去ってしまった。 「あまり殺生はしたくないが。これもまた世の定めなのだ。許してくれ」 荒谷は着物の襟を整えた。気持ちが乱れると、荒谷は着物の襟を正す癖があった。流氷の如き空気が緩やかに溶けていく。 「……ありがとうございます」 軽く髪にウェーブがある女はそっぽを向いて、呟いた。荒谷は眼を輝かせて、 「礼を言ってくれるのか。それは嬉しいな!」 と