CRYAMYとわたし
まず何から書こうか。
2024年6月16日。昨日は特別な日で、この文章は記録で、自分の為の文。
何年前から聴いてたのかはよく覚えてない、ただyoutubeの中で、テリトリアル、月面旅行、世界、普通、ディスタンスを見つけて、他のアーティストと同じくらい月並みに聴いていた。そんな中で去年の3月末初めて渋谷クワトロのワンマンライブに行った。それは鮮烈なもので衝撃的なものだった。ありふれた言葉でいえばかっこよかった。今まで見てきたものの中で1番と言っていいほどかっこよかった。カワノさんはどの曲も目の前の人間達に歌っていて、その言葉も「あなた」という言葉もどれも「わたしたち」もっと言えば「わたし」に向けられたものだった。その真摯さと熱量と優しさと対面して、CRYAMYは僕にとって特別になった。自分がこんなに特別な音楽に出会えたことが嬉しかった。ライブの後にアルバムの発表とスティーヴ・アルビニとのレコーディングの発表。夢と未来を見せてくれるのがありがたかった。
それから7月のリキッドルームでの全曲新曲のライブ。配られた歌詞カードには苦しさが詰まっていた。何か終わってしまうような繊細さが含まれていて、不安だった。でも日比谷野外音楽堂でのワンマンライブの開催が発表され、1年も先になるなと思いながら、生きる理由ができて嬉しかった。
一年間色々あったよ。それは昨日あの場所にいた一人一人にあることで、CRYAMYにもカワノさんにもあることだと思う。人生のピークなんてものはもう来ないんじゃないかなって思って、いつ死んでもよかった。日比谷野音までは
生きなきゃなと思って、死にたい日はCRYAMYを聴いた。嘘偽りなく、CRYAMYを特別聴いていたよ。
日比谷野音でのライブが近づくにつれて、CRYAMYは解散を示唆していて、そうかと少しずつ噛み砕くように心の準備をした。例え解散しても、彼らの音楽は永遠だからと強がったけど不安だった。終わりというのはいつになっても慣れるものじゃないから。でもね、今日まで生かしてくれてありがとうの方が大きいよ。
そして昨日。
初めて日比谷野外音楽堂に行った。カワノさんは最初で最後と言っていたけど、きっと僕にとってもだと思った。
最初のWASTARの別に命なんか懸けなくていいよ、つまらなくなったらいつだってやめればいいよで涙が溢れてしまって、「やめないでよ」が溢れてしまったんだと思う。これがカワノさんが言う、裸の涙だよ。
やっぱり、カワノさんはひとりひとりのあなたに歌っていて、それはずっと信じてきた姿だった。ついてきてよかったと心の底から思う。
MCで綺麗事を言おうと思ってたけど、この景色を見たらどうでも良くなったとカワノさんは言って、自分は綺麗事を言えるような人間じゃない、人をたくさん傷つけてきて、生きてちゃいけない人間だと思うと言った瞬間、凄く泣いてしまった。それはそんなことないよたくさん人を救っているよという想いと、自分が人を傷つけていると自覚しながらそれをしっかり受け止めて、背負いながら生きている人間を信じたかったという、僕の想いが溢れた結果だと思う。そんなあなたが生きろとか、信じろと言うもんだからそれは純粋に受け止められるんだよ。
いつもは下から寄り添いながら支えてくれたCRYAMY、でも今日は上から手を掴んで引っ張ってくれてる気がした。でもそれが俺らがいなくても生きろよ生きれるからな約束だぞに聞こえてしまって妙に寂しくなる。でも欲しかった言葉をたくさんくれてありがとう。
それから空が綺麗だった。カワノさんは空は自分の気持ちを映してくれるものだからって言ってたから、晴れたのはきっとそういうことだったんだと思う。雨でも嵐でも曇りでも、特別な空になると思っていた。でも素直に晴れてよかった。GOOD LUCK HUMANで親愛なる君の暮らしている空の下を僕は愛してるよのところで空を見上げた。青くてすごく穏やかだった。そしてみんなの顔を見た。すごく綺麗だったよ。月面旅行とプラネタリウムでは月がちゃんと光っていて、半月になりきれていない中途半端な月が、特別で大切な月になった。綺麗だったよ。月面旅行の誰も死なずにすんでいるという歌詞の意味が、カワノさんが君達は永遠に生きてると思うの言葉でやっと分かった気がした。これからもっと大切な曲になると思った。
天国と人々よはたくさん聴いた曲で、「一緒にどこまでも諦めてあげるよ」と「どんなに悲しくたって別にいいよ」の歌詞に救われてた。でも今日は諦めるなよ生きろよってずっと言われた気がした。カワノさんが見ててくれるなら生きれる気がしている。
解散は明言していなかった。音楽と人のインタビューで野音をやってみないと分からないと言っていた。カワノさんは最後の最後でギターを叩きつけようとして躊躇して笑った。それはすごく意味のあるラストシーンだった。その嘘のない行動に、いつまでも信じて待っていようと思う。
「だからあなたが世界よりもだった」
あなたしか歌えない歌詞だよ。
全部全部あなたしか歌えない歌で、CRYAMYでしか聴こえない音だったよ。
書きたいことを全部書けた気がしていない。上手くまとまらずに、月並みな言葉ばかりだけど、名もない有象無象の「わたし」に過ぎないけど。CRYAMYの歌の中の「あなた」で特別になれたよ。
ありがとう愛してるよ。
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