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名古屋駅でライアーゲームを繰り広げた話

社会人になりたてのとある休日、私は朝から名古屋まで映画を見に行っていた。見に行っていた映画は多分ガルパンだったと思う。最終章、いつまでもお待ちしております。
昼過ぎぐらいに上映が終わった。名古屋駅に着いた頃には時計は12時半を指していた。

腹減りVS暇つぶし

時間もお昼時、お気に入りのチャオのあんかけスパを食べてさっさと帰ろうとしていたら桜通口にて20代前半くらいの女の人に話しかけられました。イヤホンで音楽を聴きながら歩いてた私はイヤホンを取り「なんでしたか?」と聞き返します。
「すみません、今彼女っていますか?」
しばくど貴様。わざわざイヤホンを外して聞き返したと持ったらなんだその質問は。
さて、皆様ご存じの通りかと思いますが、名古屋駅で話してかけてくる見知らぬ人間というのは99%詐欺師か物乞いか宗教だと思って間違いないです。そんな前情報もあってか私の「コイツ怪しいな……」レーダーは黄信号。私が第一声を発する前から相手への警戒度はMAXです。
……とはいうものの見た目が好みの女の子だというスーパー下心とともに、一般人であるという一縷の望みにかけて会話を続けてみます。
「あ~~今いないっすねぇ」
「そうでしたか~、今いい感じの方とかもいらっしゃらないんですか?」
「いないっすね~」
「でしたら将来的に彼女さんへ贈り物をする際に当店の宝飾品を……」
クロだ!この時点で私の「コイツ怪しいな……」レーダーは赤信号を通り越して警戒音を鳴らしています。本来ならここで無視してさっさと帰ってもよかったんですが、頭の中の悪い自分がこうささやきます

「どうせコイツ詐欺師なんだから、カモとして引っ掛かりそうな振りして遊んでやろう」

そんなわけで、唐突にライアーゲーム@名古屋駅前が始まることになるのです。

ライアーゲームの開始です

そうと決まれば私は個人情報を一切相手に話すつもりはありません。根掘り葉掘りされたプロフィールは全部嘘です。
・28歳 システムエンジニア
・名古屋在住
・年収は600万くらい
・未婚、彼女無し
・趣味はウインドサーフィン
……いや、誰だよ
思わず自分で笑いそうになるくらいの嘘プロフです。むしろそんなプロフになりてえわ。ウインドサーフィンとかやったことないしなんならヨットとの違いすら分かっていないので「へぇ!ウインドサーフィンなさるんですね!ヨットとどう違うんですか?」と詰められたら終わりでした。もう少しリアリティを持たすべきでした。次回のライアーゲームではもう少しブラッシュアップして臨みます。

ネイティブインターネッターは伊達ではない

設定づくりに関しては無理があったものの、こちらは齢7歳からインターネットに潜み、ブラクラ、ワンクリ詐欺など様々な罠を踏んできた経験のあるネイティブインターネッターです。こういう明らかに怪しい相手には連絡先を渡したら終わりなことはよ~~~~くわかっています。
そのため、私側の勝利条件は「絶対に連絡先を渡さない」ということです。逆に言えばそこさえ守っておけば、詐欺師側に「このカモからはもう少し押せば連絡先を取れるな……」と思わせぶりな行動もできるわけです。普段だったらこんなクソ人間ムーブはしないのですが、相手が悪人なのでこちらもそれ相応の対応をしております。

詰めが甘いので出直してこい

そんなわけでライアーゲームを経て気になった点をピックアップしていきます。
Case.1 店について
「当店は栄のドコソコに店を構えてまして~~」
「あ、じゃあ店名教えてもらっていいっすかね、また今度伺うんで(伺わない)」
「当店は検索しても出てこないんですよ~~」
この大口コミ時代に検索して引っかかってこない宝飾品店があってたまるか。Google先生を舐め過ぎだぞ。

Case.2顧客について
「あーそーなんすか、じゃあどうやってお客さん呼んでるんすか」
「当店はお客様とLINEを交換して、そこで価格交渉をしてお売りするタイプなんですよ~~」
LINE聞き出そうとする手段があまりに稚拙。んな手で引っかかるのはインターネット1年生くらいしかいねえぞ。

「そんなわけでLINE教えていただいてもよろしいですか??」

心の中の堂上教官が「アホか貴様ぁ!」と叫ぶ一方で、ここで「あ、いやですバイバーイ」と言っても面白みがないなあと思いまして

「いやぁ~~~ちょっとLINEはなぁ~……」

と、出し渋るそぶりを見せてみます。

「LINEの交換ダメですか??」
「そうっすねぇ~~」
「そうですかぁ……お兄さん出身はどちらですか?」

なんだその急角度の話題転換は。

「鈴鹿ですね。」
「そうなんですか!私、四日市出身でドコソコ中学校に通ってたんですよ~~」
知らんがな。

ここら辺までくるともはや相手には私からLINEを聞き出す手練手管は無いんだと悟ります。時計を見れば14:00。ライアーゲームの開始からなんだかんだで1時間半も経っているではないですか。腹も減ったしさっさと帰りたいしってのもあって「どうしてもLINEは渡せないです。急ぎなんで失礼します。」と、1時間半もしゃべっててどこが急ぎなんだよという謎ムーブをしたことでライアーゲームは幕を閉じました。

その後

14:00と遅い時間にはなってしまいましたがあんかけスパに舌鼓をうった私は、その後例の詐欺師女はまた新たなカモを見つけてるんだろうかと興味本位で再び桜通口に向かいました。
すると化粧派手めの20代半ばくらいの、ギャルみたいな女に「すみませぇ~ん、お兄さん、今彼女っていますかぁ?」と、まったく同じセリフで話しかけられましたがさっさと帰りたかったのでライアーゲーム2回戦を棄権してすっとイヤホンをして無視し、帰路につきました。設定のブラッシュアップしてる余裕もなかったしね。
皆様、見知らぬ人に話しかけられた際はまず詐欺じゃないかと疑ったほうが身のためかなと思います。それでは。

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