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とろける
何度もえぐられたくぼみを埋めてくれるように感じたガムは口に入れた後に一回地面に落としちゃったし、味が持続しなかった。彼は不幸な人は不幸な状態を求めているのだと言った。そのほうが楽なのだと言った。楽というのは、透き通った川の浅瀬に寝そべっていられることではないのだろうか。
2020年の夏頃から定期的にくぼみに紅茶を注ぐ。すぐにいい香りのする液体は地面に染み渡ってしまって時間がたつとまた肌が見えてくる。地肌が液体越しに見えている刹那にしか自分を保つことはできないでいる。一度ドライヤーでピリピリにしちゃったら、水をかけてもらっても脳が拒んでうるおわなくなった。わたしはあなたと違って過去ごと愛することはできなかったしこれからもわからないけど、それはわたしの傷みやすい髪の毛のせいではない。どう考えてもサラサラロングヘアーの女の子は何よりもいとおしい。わたしは加湿器の使い方がわからなくて乾燥中である。2021年はリズムよく生きていけますように!