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朗読劇のススメ



もう1ヶ月近く前の話だが、6月11日に朗読劇「私の頭の中の消しゴム」を鑑賞した。
原作は、10年以上前に韓国で一世を風靡した人気映画「私の頭の中の消しゴム」である。日本でも当時は相当話題を呼んだ作品なので、ご存知の方も多いのではないだろうか。

この作品はいわゆる純愛ラブストーリーなのだが、ここでその内容に詳しく触れるのは避けたいと思う。というのも、このタイトルである。「私の頭の中の消しゴム」と聞いて、どういった内容か検討をつけるのは難しいだろう。だがそれだけに、作中でこのタイトルの意味が明かされる瞬間は鳥肌間違いなしだ。もし少しでも「私の頭の中の消しゴム」に興味を持ってくださる方がいれば、前情報を全く入れずに鑑賞することを強く勧めたい。

さて、前置きが長くなってしまったが、肝心の朗読劇についでである。
私は朗読劇というものに参加するのは初めてで、正直「どんな感じなんだろう?」という不安でいっぱいだった。
やはり演技というと身体全身を使って行うイメージだし、音読と朗読の違いもよく分かっていないような状態だったからである。

しかし、そんな心配は全くの杞憂だった。
この朗読劇は男女のペアがそれぞれ自分の日記を読むという形式で進むのだが、お2人の演技からは浩介と薫(ヒーローとヒロイン)が日記を綴った時の感情や表情が手に取るように伝わってきて、まるで2人がそこに実在しているような感覚に自然と包まれた。
勿論声での演技が主ではあるが、それだけではない。表情や仕草、視線など細かい動きまで表現の繊細さは圧巻である。
この作品、後半は涙なしではいられない内容なのだが、演技の凄さも相まって私は終始泣いていた。会場には私を含めた客のほとんどが鼻をすする音がこだましていた。そういう一体感も含めて本当に素晴らしい作品であったと感じる。

本を読むという行為は1人で行うものである。しかし、その始まりは多くの人がだれかに〝読み聞かせ〟て貰ったことではないだろうか。
朗読というものは、そういう意味で読書の原点に立ち返る行為だと思う。
また朗読劇では、異なる役者が1つの役を日替わりで演じることが多いが、そういった場合同じ役でも全くの別物に仕上がるそうだ。他人の文章の解釈に演技という言語化されない媒体を通じて触れることができる、その新鮮な点も朗読劇の楽しみの1つであろう。

最後になるが、この文章を読んで朗読劇に少しでも興味を持っていただけた方がいらしたら幸いである。
朗読劇「私の頭の中の消しゴム」は毎年上演されているので来年に是非!

(私の推しである声優の福山潤さんはほぼ毎年出演なさっているのですが最高におススメです)


↓朗読劇「私の頭の中の消しゴム」公式サイト

(※「ストーリー」の所がネタバレになるので注意)


↓出版甲子園実行委員会日記はこちら


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