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「食旅脳内メモリーズ」モロッコ編


アフリカの北西に位置するモロッコは、南にサハラ砂漠、北はジブラルタル海峡を渡ればスペインに辿り着く。


海峡は大西洋、地中海に通じる。

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公用語はアラビア語とベルベル語。

かつてフランス保護領だったためフランス語を話す人たちも多いが、北に向かえばスペイン語を話す人が増える。


英語は通じないことが多かった。

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人種も文化も入り混じっていて多様。


ベルベル文化にアラブ文化、アフリカ諸国・スペイン・ポルトガルの影響を受け混じり合う。

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有名な料理は土鍋を使ったタジン料理。


帽子のような蓋の付いた鍋で蒸し煮にする。


野菜も肉も魚介も旨味が逃げずに食せる。


砂漠地帯があるモロッコでは水が貴重であり、なるべく水を使わず美味しく食せるという理由でタジンは生まれたという。


数日過ごしたカサブランカを経ち、北上して山の街シャウェンに向かった。

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青色の建物が並ぶ迷宮のような街はまるで幻想的な絵本の世界。

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到着前から殴りつけるような大雨が降ってきた。


夜遅くバスは到着。


友人から聞いていた宿を見つけるべく気温低い中、雨に濡れながら歩き続けやっと宿を見つけた。


宿主は「ここだ!ここだ!」と言う。


信じて泊まった宿は暖房もろくに動いていない上に、シャワーも水しか出ず。

前金で払ってくれと言われ宿代は既に支払い済み。


震える体でなんとか寝付いた。翌朝、気づいた。

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泊まった宿とオススメの宿は似た入り口が二つ並んだもので、僕はハズレ扉を選んだのだった。

落ち込んだ気持ちを抱え、山の景色が見えるカフェで緑茶にたっぷりのミントと砂糖の入ったミントティーを飲む。

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美しい山の景色とミントティーの香りと甘みは、そんな苦い思いをどうでもよい気持ちにさせるに十分だった。

迷宮のような街には小さなお店が立ち並び、買い物は全て交渉。

言い値はスタートラインに過ぎない。

迷路のような道に迷い、値段交渉に迷い、言葉も通じず、どこにも辿り着かないような捉えどころのない日々。

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街を出る時バスからなんと桜が咲いているのが見えた。

それは桜に見えたけど実はアーモンドの木の花だった。

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そんな幻想的で美しい風景を眺めながら、結局は漂うような日々を懐かしく思っていた。

(季刊誌@h 2020年春号掲載)

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PazarBazar店主。

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