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約束を守れない人にどう対応すればよいのか
企業の研修をしていて、特に若手に散見されるのは「約束を守れない」社員である
例えば、研修が予定されているが当日無断欠席する、納期を守れないなど
研修する立場からすると「約束を守ることはビジネスの場で当たり前のことである。約束というのは相手との契約であって、相手はその約束が成立する前提で動いている。だから約束を守らないということは、相手は前提と異なる対応を取らなければならない。これは迷惑をかけるということだ。いくら口先だけで良いコミュニケーションを取っていたとしても、約束を一度破ると一気に信頼関係を損なう。だから約束は守るべき」と指導をするのだが、一向に治らない人はいる。
なお、ここでは約束を守れない人とは「約束を守れなくなった場合は事前に連絡、根回しで相手に伝えられる人」は含まない
約束を守れない人
2人の事例を紹介しておく
Eさんの場合
同じ入社年次が全員受講対象となるオンライン研修があり、その受講対象者である。
当社の場合、必ずしも全員が必須で受けるという形ではなく、業務がどうしても入るのであれば欠席を認めている。そのため参加者全員に事前に出欠を申し出てもらっている
その出欠連絡については期限を定めているが、その期限を大幅に遅れ、研修前日に参加の連絡をしてきた
そして、研修は"明日"であることを入念に伝えた上で、当日を待ったが現れない
当日こちらから連絡を入れても応答がなく、あとから折り返しの連絡があったが「研修は明日(連絡を入れた日からすると"明後日")だと思っていた」とのこと
研修は2日間であったので、2日目は朝から参加していたが、午後以降姿が見えなくなった。こちらから連絡を入れても、その日は全く応答がなかった
後日、その社員の上司からこちらに連絡が入り「昼休みに事業所の鍵を持ち出すのを忘れて締め出されてしまった。携帯電話も事業所に置きっ放し状態だった」
上司の判断で、この2日間については欠勤処理とされた
Tさんの場合
Tさんは他社の人だが、私が会う約束をしていた。Tさんに入念に確認した上で、大切な約束であることを確認していた
ところが、約束の日の1週間前にこちらからリマインドをしたが、返事がない
Tさんの同僚も私の知り合いで、たまたまTさんが体調不良で会社を休んでいるとの情報が入ってきた
Tさんにはそういった情報が入っているため無理はしないでほしいが、当日どうするか?という問い合わせの連絡をしたが、返事がない
約束の日が近づき、もしかしたら大きく体調を崩しているかもしれないと心配になり、まだ返事がないので知り合いに確認したところ「体調は回復し、テレワークであるが問題なく出勤している」とのこと
体調が戻りきっていないのであれば連絡をしてくるだろうと思ったが、とくにそのような連絡がなかった
約束当日、こちらから連絡をしても返事がない。そのまま折り返しの連絡もない状態で2日以上経っている
そういった人らは企業というバスから降りてもらう(Tさんの場合は人間関係を終了させる)のも一つではあるが、インシビリティの記事で書いた通り、人材不足の世の中である。こういった人を矯正していくのも企業の責任である。
私もこれに関しては、答えが出せないでいるので、今思っていることを書いていきたい。
約束を守れない人の原因
私が考えている約束を守れない人・守れないことを連絡できない人の原因は以下の3つだ
約束を忘れている
守るつもりがないのに約束をする
発達障害
約束を忘れている
上記の例に出したEさんがこのケースに該当するのではないだろうか
この場合は、対応は難しくない。次回忘れることがないように、自分にリマインドすることを指導する。それでもだめならリマインドの仕掛けをその場でしてもらう
守るつもりがないのに約束をする
上記の例に出したTさんがこのケースに該当するのではないだろうか
この場合は、やや対応が難しくなる。約束をした段階では約束を破ろうとは本人は考えていない。とはいえ、絶対に守るべき約束であるとも考えていない。つまり、約束が履行されるかどうかわからないのである。
A「◯月◯日までに、□□をやっておいてください」
B「承知いたしました。大丈夫です!」
このような会話のとき、AはBのことを信用するであろう。だから、約束を守れなくなったときにショックは大きい。感情的にもBを責めたくなる。ところがBはAほどに自分が相手に迷惑をかけたとは思っていない
当社の社員を見ていると、多くのBの思考回路は「今このタイミングであれば、快い承諾をしておくのが正解だ!」となっているように思う。
つまり、約束を守ることと、返事をするということは別の概念になっている。
こうなると、約束を忘れているということよりもタチが悪い。約束を忘れているということは、少なくとも忘れなければ約束を守ろうという思いがある。ところがそうではない
約束を忘れていると同じ改善策を求めることになるのだが、忘れないようにするために行うことなので、約束を守らってもらうということと直接にはつながらない。だからBは納得感を持たない。「なぜ私はこんなに管理されなきゃならないの?」という思いが生じる。だから難しい。
発達障害
私は精神科医ではないので、詳しいことは書けないが、ASDやADHDの人は約束を守れない傾向にあるらしい
物事の優先順位がつけられない。約束を守ることよりもやりたくないという自分の気持ちを優先させてしまう、ということみたいだ
こうなってくると、本人に学習を迫ることは極めて難しくなり、管理するしか方法がない
約束を守ってもらうことを、相手に期待しない
重要な約束は期待値が高い。それが守られないということは期待を大きく下回るということだ。だから失望し、落ち込み、腹が立つ
とても重要な約束ほど、相手に期待しないということが大切だと思う
そうすれば、少なくとも感情面でのダメージを軽減できる
とはいえ、履行責任があることをきっちりやってもらう必要はある。私がやってみたいことは次の2つのどちらかである
約束を守れそうかどうかをしつこくリマインドする
その上で返事がない、曖昧な返事である場合は、その時点で約束が守られないと判断する
これでも、守られそうな約束が守られないのであれば、もはや今の私には問題解決できない
こちらを読んでいる方の中で、良い解決策をお持ちの方がいたら、ぜひ教えてください
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