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NIKE SBとDoyenneが作ったBLAZER LOWとスケートボードカルチャーの中の分断。

NIKE SBとDoyenneがコラボレーションしたBLAZER LOWが出る。

DoyenneのBLAZER LOWは、サステナビリティに配慮した素材を使用したという意味で最先端のBLAZER LOWだと思う。ナチュラルなイメージのアッパーに対して、1足ずつ表情が違うマーブル模様のソールでは、個性を表現している。つま先のラバーキャップ、ヒールのリボン、オーリーラバーを仕込んだアッパーパターンなど、いつものBLAZERとは違う仕上がり。経年劣化が楽しめるシューズになっていて、スケートに使用して削れたりすると表情が変わっていくアイデアも、スケートボードの過程を楽しもうというDoyenneのメッセージが伝わってきて素晴らしい。

Doyenneは、製品を売るために作られたブランドではなく、考え方やコンセプトを広げるために製品をデザインしているブランド。ちょっとむずかしいアイデアだけど、つまり、買うという行動が消費ではなく、世界を変えることにつながるということなのだ。

スケートショップをやっていて一番難しいと感じることは、上級者と初心者の分断をなくすことだ。同じ場所で、両者が滑っていると、必ず分断が起きる。別に一緒に滑らなくても良いという人もいるけど、これが、男性と女性の分断だったらどうなんだろう?年齢の分断だったら?人種の分断だったら?と考えると、Doyenneがブランドを通じて発信しているメッセージが刺さってくる。スケートボードカルチャーの中で、自分が排除したり、排除される側になることは、いくらでもある。

Doyenneが掲げるのは、スケートボードに多様性を取り入れること。能力主義よりも楽しむことを優先すること。完璧なクリップを共有するよりも過程にこそ価値があるということ。スケーターにかかっているプレッシャーを軽減すること。DoyenneのBLAZER LOWを選ぶということは、これらに賛同するという行動にもつながる。

NIKE SB BLAZER LOW QS “Doyenne”は、5月3日発売。


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