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こんな青が見られるなんて/ひとり交換日記

まだ海を見たことがなかったわたしへ。

聞いて!その青は、わたしが今までに見てきたどんな青とも違ったの。

石垣島にきてもうそろそろ1ヶ月。おでかけできたのはたったの2日。中でも話したいのは「シュノーケル」に連れてってもらったすてきな1日のこと。
鼻まで覆うゴーグルと空気を吸うための管をつけて、海の中を見つけるあそび。ねえ、海にその中があるだなんて知らなかった。わたしが今までに見たことがあるのは、崖に打ち付ける波と砂浜だけ。水にも色があって、生き物がいて、空気の粒があんなにキラキラしてるなんてぜんぜん知らなかった!

こんな青があるなんて、という青をたくさん見てしまった。

以前こんなことを言ったでしょ?


青が、ちゃんと増えたよ。

最近、表現者という立場であるはずの人たちが理解を放棄してる様をいくつも見たの。当然腹は立ったし、悲しくなった。物事や誰かを理解しようとしない人間が、一体なにを表現しようというのか、そこからなにを受け取ればいいのか全くわからなかったから。

わたしはこうも言ったけど


今、かいたりつくったりする能力は確かに足りないかも知れない。でも、自分のパレットに色を増やす才能はちゃんとあった。どんどん受け取りたいな、世界。

ここにきた一番の目的は、今までに見てきたどの海とも違う海を見ることだった。
ここにきて、たくさんの新しい人とたくさんの対話をした。
その度に新しい自分に出逢えたようで、わくわくした。

こんなにも濃い1ヶ月の関係。でも、1ヶ月から先にまた見えてくる関係もあったのかも知れないと思うと、とても寂しい。

永遠を信じてみようかなという気になったのも初めてだった。わたしがぎゅっとした日々を過ごす外側で、確実に動いてくれたものがあった。「初めて海を見た」とあんなに心に焼きついた光景のように、この感情だって初めて得たものなんだよ。生まれて初めて、ワガママ通してみたい。

逃げてきて、本当によかった。逃げても待ってくれる人がいることを知れてよかった。これで、逃げてもいいんだよってもっと言い張れるね。

やるべきことが山積みでちっともなにも気をゆるめられなかったけれど。
それでもここにいるだけで幸せ という毎日だった。やり残したことは、また来たいなと思えるためのパスポートにしよう。

ああどうか、自分のために筆をとる贅沢が許されますように。

客人の居ぬ間を縫って
一か月だけの夜のおねえさんより

原稿料代わりに・・!?