漆黒は夜と共に笑う ラスト

漆黒は夜と共に笑う ラスト

ヨル:「クロ…」
クロ:「あ、あぁ、なんだ、ヨル。何か欲しいものはあるか??喉乾いてないか??今、水を持って(きてやろう」
ヨル:「(被せて)私をお食べ…」
クロ:「何言ってるんだ!!大丈夫、お前はまだ大丈夫だ、だから!!」
ヨル:「クロ、自分の身体だ…もう長くないことくらい、私でもわかるよ。」
クロ:「ヨル…だめだ、出来ない……」
ヨル:「クロ、聞いておくれ。」
クロ:「……」
ヨル:「お前と一緒に生きたいんだ。」
クロ:「……っ」
ヨル:「お前の中で…私を生かしておくれ、クロ」
クロ:「それなら…それならワタシと共に生きろ!!病になど負けるな!ヨル!!」
ヨル:「もう遅いんだ…なぁ、クロ、頼むよ…後生だ……私の命に…魂に……はぁ、はぁ(息が荒くなる)」
クロ:「ヨル…ヨル……!!」
ヨル:「意味をおくれ…」
クロ:「っ…意味ならある…オマエはワタシの友だ!!そだろう?!!」
ヨル:「ふふ…ありがとう……嬉しいなぁ……」
クロ:「オマエはワタシの、初めての友なのだ……!!」
ヨル:「…食べておくれ。クロと共に…在りたい……」
クロ:「ヨル……ヨルッ!!!!!」
0:
0:
ヨル:(M)その夜、悲しみに覆われながら友の願いを聞き、その魂を食らった神が、涙を流した。
ヨル:ぽつり…ぽつりと、雨が降り始め、乾ききった大地に数年ぶりの雨が降り注ぐ。
ヨル:その雨は止むことはなく、しとしとと降り続く。まるで…悲しみに覆われた神様が、たった一人の友の死を悲しんでいるかのように。
0:
0:
クロ:「なぁ、ヨル。見えているか…?今日はお前の好きな…雲もひとつない、綺麗な星空だ。」
0:
0:
ヨル:「クロ、見て!!ぁ、星が流れた…お願いごとしよ!!」
0:
クロ:「……ふっ」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?