未完成 時代物

香代:「ぃゃ…ご勘弁を……どうか、どうか…いけません、お代官様!いけません…ご勘弁を!!あっ…あーーーれ〜〜!」
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香代:(キセルを吸い煙を吐き出しながら)「……はぁ〜。なぁにが〝よいではないかよいでわないか〟よ、バカバカしい。」
佐吉:「おいおい、お前…こんな所で油売ってていいのかい?お前昨日、親の借金のカタに金貸しがお前を買って、んでもってお代官様の…あれだ。………まぁ、詳しくは口に出すのもはばかられるが…帰って来れる状況なのかい?」
香代:「ふん!町娘がみんなウブで真面目な生娘だと思ってたら大間違いなんだよ!あんのタヌキ…自分だけ満足しやがって!!」
佐吉:「おいおい…」
香代:「ちょっと懐いたフリしてオネダリしたら外出も買い物も自由だ。あのタヌキ、バカかもしれない」(キセルをふかす)
佐吉:「怖いねぇ女は。」
香代:「何がだよ。こちとら小さい時から貧乏で…その日暮らしでここまで来てんだ。〝自分の使い方〟くらいよく分かってるさ。」
佐吉:「…そういう所、危なっかしくてみてられないだよなぁ」
香代:「まぁまぁ、危ないことはしないさ。」
佐吉:「お前の言葉はあてになんねぇのよ(苦笑)」
香代:「上手いことやってやるさね。はい!(金を置く)」
佐吉:「ん、おいおい、何だこの金は…」
香代:「おっ母さんと美味いもんでも食ってきなよ!タヌキんとこに居ればあたしは不自由ないからさ!」
佐吉:「そんな施しいらねぇよ!」
香代:「あ?あんたにじゃないよ!あんたのおっ母さんにだ!!勘違いしてんじゃねぇ。あんたはオ、マ、ケ!!」
佐吉:「…ありがとな」
香代:「あたしの金じゃねーけどな笑」
佐吉:「ったく、危なっかしいやつ…」

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