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日記 2023年11月10日(金)

スマホのアラームがけたたましい音を立てるのにまったく気づかず、眠りこけていた。二階で物音がしないことを案じた一階の母から「起きろ」という目覚まし電話があってなんとか目を開く。午前7時40分起床。昨日iPhoneのアラームを讃えたばかりなのになあ。
猛烈な眠気の朝だったが、シャワーを浴びて強引に現実世界に突入する。窓を開けるといくらか肌寒く、じわじわ冬が迫っているのがわかる。

週の最後、トドメを刺すかのように忙しい。「わかったわかった!ちょっと待ってくれ今やるから!」を口に出すこともなく男は戦うのだった。
金曜日というのは当たって砕けろの突撃モードだ。一週間分のあれやこれやが両肩に積もり積もっているものの「今日が終われば!」で走破できてしまうのである。

会社を出て駅に向かっていると、やけに空が美しい。ビルを抜けて景色が開けた時、遠くにライトアップされたタワーが見えた。あれが何タワーというのか知らないが、水分をたっぷり含んだ大気にじわりと滲む青や赤がとても綺麗だった。都会の風景が心に染みることもあるのだな。
(その後これは「東京商工会議所 初代会頭 渋沢栄一翁の意志をつなぐライトアップ」だったことを友達が教えてくれた。)

さあもう明日のことで頭がいっぱいだ。ライブハウスではなく、オンラインライブなのだ。チケットを買ってアプリで聴いてくれる人が何人いるのか、前日だってのにまだわからない。お客さんが誰もいなかったら、という想像はいまだに恐ろしい。

セットリストと当日の流れを再確認。部屋で一人ギターを弾く。明日は向ヶ丘遊園のスタジオから配信することにした。最寄りのスタジオに空きがなかったからだ。そういえばコロナ異常事態のときにはスタジオもがらがらだった。町に人が戻ってきたのと同じように、音楽の界隈もどんどん賑わいを取り戻している。

ギターをピカピカにしてから弦を張り替えた。ライブ前夜の習慣だが、ギターが嬉しそうで僕も爽快な気分になる。同時に「明日はライブだぞ」のリアリティが一段アップして、ほのかな緊張感も生まれるのだ。これも一種の快感なのだろうな。

今夜はたっぷりと寝よう。午前3時にベッドに潜り込んだ。

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