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ビズアスリートになろう!

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一般のビジネスパーソンにトップアスリートの集中力、 判断力、勝負勘、脳の使い方のコツを伝えていこうという 試みのコラムです。
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イチロー選手に見るセルフリーダーシップのあり方

【あの場面の振り返り】 伝説として語り継がれるであろう、2009年のWBC第2回大会の決勝、日韓戦。 あの試合9回裏、抑えのダルビッシュが、韓国打線に打たれ、3-3でゲームは振り出しに。 10回表。二死2塁3塁の場面で、それまで打撃絶不調だったイチローが打席に。 大歓声とブーイングが同時一斉に浴びせられた大観衆のドジャースタジアム。その中で、イチローの集中力は最大限に高められる。 カウント1―1から、天才打者のスイッチが入る。厳しいコースに反応し続け、ファウルを連発。8球

インサイド・アウトとアウトサイド・イン

「インサイド・アウト」とは、個人からスタートし、それが人間関係、チームに影響を及ぼし、その結果、大きな組織に影響を与えるということです。 従来の、「ピラミッド型組織」では、上意下達の指令系統が優先され、個人は外側から入ってきた「モノの味方」「判断基準」「価値観」「考えの道筋」を優先的に受け入れてきたのです 「リーダーシップ」においても、個人(上司)が組織やチームのような自己の外側にあるものを率い、導いていた「アウトサイド・イン」の概念に基づいたものでした。 「リーダーシップ」

AI時代に負けないビズアスリート Ⅱ

さて、最後に残った「セルフ・リーダー型」についてです。 これまで、個人(上司)が組織やチームのような自己の外側にあるものを率い、導いていた「リーダーシップ」という概念を自分の内側で醸成し、つくり上げた状態を「セルフ・リーダーシップ」と言います。 要は、上司の命令ではなく、自身が内側で高い意識を持ち自発的に行動しセルフコントロールしながら、目的(ゴール)に向かってタスクを遂行していく人材です。 パソコンとインターネットの普及により、会社組織が長い歴史で築き上げたピラミッド

AI時代に負けないビズアスリート Ⅰ

将来コンピュータが全人類の知性を超える時点のことを「シンギュラリティ」と言います。 アメリカの著名な発明家レイ・カーツワイルがこの概念を彼の著書『シンギュラリティは近い ー 人類が生命を超越するとき』(2005年)で発表して以来、世界中に広まりました。 カーツワイルの予測によると2045年には、シンギュラリティの時代が到来するとのことです。 これは一般のオフィスや家庭で使われているパソコンの能力が2045年には1人の人間ではなく、全人類の脳と肩を並べる時代が間近に迫

1000人の若者との面接

社会に出て、広告会社で24年間のサラリーマン勤務を経てた後、私は自分の会社を立ち上げました。 当初始めた事業は、2003年からのブロック玩具LEGO®️のブランドストアの経営です。 それまで長らくLEGO社日本法人のマーケティングに関わってきたご縁があり、ごく自然にこの事業に参画することになりました。 LEGO®️のブランドストアは主にアウトレットモールの中のテナントとして展開しました。当初は従業員の雇用に際し、面接も私が直接全て立ち合っていました。 当時、(2003

続 1000人の若者との面接

若者1000人との面接で感じた私の違和感は、LEGO®️EDUCATION、キッズクリエィティブ・スクール等で直接子供達との触れ合いを通じて、原因らしきものが見えてきました。 当時はまだスマホの普及が始まる前でしたが、彼らが幼少期から親しんだゲームの影響が大きいのではないかと直感しました。 ゲームが全て悪いというわけではありませんが、幼少期は出来る限り、バーチャル体験を現実体験の後に持ってくる事が基本です。 つまり野球ならば、先にキャッチボール、そして親子で、友達でと一

「ビズアスリート」 勝負強くなる日記のつけ方

ところであなたは毎日、日記をつけていますか? 『暇がない』 『面倒くさい』 『嫌なこともあると、それを改めて思い出し たくない』 『書いた事はあったが、挫折した』 つけていない方には相応な沢山の理由がある筈です。 然し毎日、日記を書くだけで 『勝負強くなる』 『ヒキが強くなる』 『交渉力が身につく』… 何てことになれば、どうでしょう? ここでは誰でも簡単なやり方で『勝負強くなる日記のつけ方』を紹介します。 先ずは続けられない事には、勝負強さのベースは作れ

考えるな! 身体で感じろ。

若者1000人の面接を通じ、彼らの 『外の世界のモノ・コトに対する反応が鈍っていること』 彼らの中に、本来なら自然と育まれてもいい 『五感の弱さ』 これらが印象づけられたのは、彼らの成長過程の中で『身体知』を得る機会が少なかった事も大きな要因かもしれません。 初めて自転車に乗るときに何度も転びながら、ある日、脳より先に、身体が自転車の乗り方をスーッとマスターしたような感覚を『身体知』と言います。 先に述べたLEGO®️EDUCATIONの教育現場でも、ブロックで課題と

黄金の80年代、失われた90年代

1980年代から現在まで。 24年間続いた私のサラリーマン経験、その後の起業人生も踏まえ、テクノロジーの進化と、その時代に求められるビジネスパーソン像がどのように変わっていったかを早足でまとめてみました。 私がまだ若手社員の部類だった、80年代初頭は、周りに猛者のような先輩方が沢山いた事を憶えています。 70年代、広告史に残る『モーレツからビューティフル』(広告主は冨士ゼロックス)という名コピーがありましたが、彼らはまさに高度成長期、モーレツ社員の後方集団グループで活躍

日本学のススメ

失われた20年で、日本の国際的プレゼンスは著しく低下しました。 しかしこの間、皮肉な事ですが、海外における「日本文化への関心度」は急上昇しました。 時に我々は、外国人からの日本映画、漫画、アニメ、温泉、和食…への高い評価を通じて、自国文化の素晴らしさを再認識させられる事があります。 日本を訪れた外国人観光客は、我々が普段、自国にて恩恵を受けても当然と感じている風景、食べ物の味、接客、清潔さ、マナーの良さを称賛します。 一方で、中国人も韓国人も欧米人も一様に彼らの母国の