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12月21日の日記 連なる虚

・転職に伴う処理をしていた。まだあるのか。

・改姓するとこれが延々続くと聞く。私が目の当たりにしても同じように「また貴様か!!」って思うんだろうな。

・事務処理は好きだ。やればやるほど状況が改善するのが普通だし、基本的にやるべきことは決まっているから迷うこともない。

・迂遠さが好きなわけではない。滞る気配がしただけで不機嫌になるほどに嫌いだ。即効性と効果の高い対処をすることで即時に結果が出る=報酬系が満たされるから、単に一種依存しているに過ぎない。ジェットコースターに並ぶのが好きなのではなく、ジェットコースターのスピードにハマっているようなものだ。

・転職した時点で起こるのが分かりきってるのに年末に入ってからバタバタ駆け込んでやってくる時間差トラップに「また貴様か!!」が発令してしまった。早く解放されたい。

・二度と転職しない。


・天安門事件や台湾独立という言葉を「センシティブ」だと言っている人がいた。

・最初うまく飲み込めなくて「センシティブ 意味」で検索する。英語の辞書的意味ならば「敏感な、感じやすい」だ。

・天安門事件は果たしてセンシティブなことなのだろうか。

・1989年北京で起こった天安門事件は、民主化を求めたデモに対して軍が実力行使をし、結果多数の死傷者を出した事件だ。ややアングラなインターネットでは中国からの迷惑メッセージやスパムを撃退する単語として10年以上前からよく使われてきた。中国ではグレート・ファイヤーウォールというインターネット検閲システムがあって、「天安門事件」という単語を検知したグレート・ファイヤーウォールが中国側でアクセスを遮断してくれるのである。

・なぜグレート・ファイヤーウォールが「天安門事件」をタブー扱いしてるかといえば、中国共産党がその支持を失うに値する事件だから隠匿されているのである。


・確かに「人が大勢死んだ」という意味では「センシティブ」かもしれないが、大々的に扱うことを批難するのはおかしいのではないか。なんせ人が死んでいるのである。言論の自由が妨げられ、その謝罪も反省も行われていない。

・きちんとセンセーショナルに扱われるべき事件より揶揄する言葉遣いの方を先に批難するのは命の価値が転倒している。ふざけて使う単語ではないけど、優先されるべきことは周縁で起きてる揶揄ではないだろう。


・「人が大勢死んだ」という点にばかり注目して、「それをからかってはならない」「繊細に扱わなければならない」としか言わない。どう考えてもそんなことはおかしい。人類史の汚点として、人間の恥部や見苦しい点も含めてきちんと理解すべきだ。

・虐殺が再び起きてもいい、と言わんばかりの「センシティブ」扱いには辟易とする。それらを「人類の大切なもの」扱いして誰が得をするのか考えて行動しない人ばっかりなんだと、心底がっかりしたのだった。


・あと、スパムメッセージを「中国からのアクセスだ」と判断することが人種差別的だという投稿も見た。スパムメッセージ主と認定されることが中国人全体への侮蔑、という意味だ。スパムメッセージ主であることは汚れていると言いたいんだろうか。その発言こそ人間に階級があると思っている証拠にしか見えない。

・今や「虐殺に反対」という単語さえ政治的取り扱いを受ける。「政治的」かどうかって意見の内容よりも外部でどう扱われているかの比重の方がずっと大きいのだな。

・今年は世界史に残る虚しい1年だった。

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