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伊藤詩織さん民事勝訴

 第一感として、とにかくほっとした。

 刑事司法の、性犯罪に関する部分には、最近改正があったが、それを取り込んでもなお、限界があると感じた。有罪にするハードルは、とても高い。半面、「冤罪」の発生は避けなければならない。「ハニートラップ」という不都合な事象が、起こりうるので。
 このバランスは非常に難しいことは、法律の素人の私にも想像できる。刑事司法の世界だけでは、手段方法が限られので、ある意味「詰んでいる」ようにも、私は思う。

 他方、民事にはまだ希望があることがわかった。
 伊藤詩織氏が「いやな思い」をしたのは事実で、その「いやな思いをした」ことは、裁判所が認めたのだ。
(ついでだが、被告の「反訴」(名誉毀損など)が蹴られており、私は胸がスカッとした)

 本件に関連し、私が個人的に許せないことが、いくつかある。
 まず、被告は、性犯罪関連の「刑事司法の世界の不完全さ」をよく知っており、かつ「悪用」した、と思われること。なぜそう考えるか?というと、「立証が難しくなる」ように手を(「デートレイプドラッグ」など)打っていたらしいから。
 かつてあった、飲酒運転で罰則や刑を軽くするために、「更に酒を飲んで」時間が経ってから出頭する行為を、私は連想する。
 これら「邪悪なノウハウ」は恐らく、山口某はじめ「悪い男たち」に共有されているであろう。卑劣である。男性として恥ずかしい限り。

 以下は雑感。

 伊藤詩織氏『Black Box』に書いてあった。レイプされたら急ぎ「救急外来」に行くのがよいらしい。これは、外傷などへの手当てを急ぐことと、とにかく暴行された「証拠」を確保しないといけないから。
 証拠とは具体的には、体内の薬物(血液、尿)、体液(精液など)。特に薬物は、遠からず体から排出されてしまうので、一刻を争う。
 伊藤詩織氏は、レイプされたあと、(確か)日を改めて産婦人科へいらした。それは、氏の精神的ショックが大きかったこともあるが、それと同じくらい「妊娠」への恐怖があったかららしい。

 この事案以後、アフターピルの議論や、刑法改正の議論が、私には非常にもどかしかった。とにかく、性犯罪関連のいまの状況が、刑法改正があってもまだなおよろしくないことを、国民に広く共有しないといけない、と私は強く思う。

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