ライプツィヒ_表紙

TottenhamHotspur-Leipzig

結局チェルシー戦には間に合わず、相変わらずの時差投下です。あとこれはマジなんですが、基本的にこのブログはスパーズサポの方向けに(自分の為に)書いております。よろしければお付き合いください。UEFA Champions League ラウンド16 ライプツィヒ戦、マッチレビューです。

塞ぐ入り口、見つかる出口

ライプツィヒのビルドアップにおいて、スパーズが居の一番に塞いだのがサビツァーとライマーの2ボランチでした。デレとルーカスの2人を使ってボランチを塞ぐことでコンパクト且つミスを誘ってカウンターを狙いやすい塞ぎ方をしていました。それに対し、最初の2-3分で仕留め損ねた(どうにか守った)ライプツィヒ(スパーズ)は前進の方法を一つ失うことになりました。ですが恐らくナーゲルスマンはここら辺はリヴァプール戦と同じやり口だったので予測がついていたのでしょう。レッズ戦でいうフィルミーノのようなスペースに入ってくる役割をシックとエンクンクにやらせてボランチを飛ばした前進を行います。シックがロチェルソ、ウィンクス間に入っているときにはエンクンクへの縦パスをカットすることは難しく、通してしまえばデイビスが出ていかざるを得ません。そうなると大外のムキエレが空いてしまい中途半端なブロックに選択肢が豊富な折り返しが入ってくるので危ないシーンを何度も作られました(最初の2-3分もここから散々やられていました)。試合が落ち着いた10分過ぎからは、デイビスがつり出されずにボランチで縦パスに対応できるようになってきて、取り合えずしばらくは耐えしのげるかと思いきや、すぐに次の一手が飛んできます。ボランチの横に3トップの任意の選手が降りてきて前進をし始めたのです。ボランチの列で前を向いて保持されるとほぼ間違いなくシックへの縦パスが入ってワンタッチパスでの崩しに繋がります。中央で揺さぶられた後の外からのクロスで何回も失点しかけますが、ロリスを中心として最後の最後ではやらせていませんでした。前述のような3トップの降りも途中からはウィンクスが後ろ向きの保持をトリガーとしたプレスで前進を遅延させてその間にブロックを整える、といった措置が行えていました。これまでは右サイドの話を主にしていましたが、どちらかというと厄介だったのは左サイドからの攻撃だったように思います。というか、前半攻撃のキーマンは3トップではなく左WBで先発したアンヘリーニョでした。ヴェルナーに合わせて内外の位置取りを使い分けて、ヴェルナーが幅を取ったときにはこの日大外のプレイヤーのチェックを主に請け負っていたゲドソンとCB脇のシティが制圧を目指す泣き所のスペースを塞いでいたオーリエを牽制するためのインナーラップを仕掛けてヴェルナーに時間的余裕を与え、自身へのチェックが甘ければそのまま裏に飛び出してクロスを供給したり自らフィニッシュをしたり。ヴェルナーが内に入って間受けを狙う時には大外に陣取ってゲドソンをぴんどめし、ついてこなければ当然精度の高いクロスを上げてきます。オーリエの対応は彼自身が受け持つスペースとの兼ね合いからどうしても遅れるのでなかなか厳しい場面が多かった印象です。そんな中でも右サイドのオーリエとゲドソンはうまく対応しているように思えます。オーリエの場合塞いでいても通しちゃう謎仕様の守備を何度か披露しましたが、それはロリスに救ってもらっていました(一番顕著なのは35minのヴェルナーの決定機)。

ブロック形成

美味い酒、入ってます

大方の予想通りボールを保持される時間が長かったスパーズですが、この日はボールを保持したい強豪相手にしてきた攻撃とは違った攻撃を仕掛けます。まず、ロングボールを多用した前進を行いませんでした。レッズ戦のガッザニーガよろしく最前線のルーカスに蹴り込むのかと思っていたんですが、意外にも繋ぐ意思を見せてしっかりとボランチを経由したビルドアップを志向しました(トビーから右大外のオーリエへの展開は何度か見られましたが)。とはいえ、鬼のように早いライプツィヒのプッシュを交わす方法をすぐに会得できるはずもなく、危なっかしい保持が続きます。追い込まれてはファウルをもらい、取り返してはファウルをもらい陣地回復って、どっかで見たことあると思ったらラグビーですね。前から思ってたんですけどリーチマイケルってちょっとルーカスに似てません?いや、写真見たら全然似てなくて草でした。ボランチが落ち着いて保持できる時間は殆どありませんでしたが、そこがウィンクス、ロチェルソの繋ぎの部分に長けた選手を起用した目的だったのではないでしょうか。最小タッチ数で逆サイドまで確実に運び、スライドしてくる前に、してきても完全に整う前にクロスを上げることが出来ていたのはそういった所為かと思われます。ライプツィヒとは逆に、前に位置取りをするゲドソンがオーリエの保持のためにチャンネルランを仕掛けたり、大外に抜けていく動きを行いました。ですが効果的なクロスが上がることは殆どなく、なんなら前半一番チャンスだったクロスを上げたのはゲドソンって、これどういうお笑いなんですか。左サイドに関しては、ベルフワインが中央での崩しを志向するため攻撃時は中央-HSに位置取ることが多く、そこで縦パスの受け手となって近くのデレに落とすなど、彼の強みであるフィジカルを生かした効果的なプレーが多くありました。前半のほとんどの通った縦パスはベルフワイン行きで経由してデレだったので、左右非対称の位置取りは上手くハマっていたと言っていいと思います。ただ相手と比べて数は少ないものの決定機も作れていたので是非とも決めていただきたかったです。

仕掛ける後半、揺れるバックライン

後半に入り、両チームメンバーの交代はありませんでしたが、両チームプレスの方法に変更がありました。まずスパーズに関しては、基準点が3CBに変わり、守備時はルーカス、デレ、ベルフワインの3トップを形成するような形でCBに対して数的同数を取ってプレッシングをかけます。ライプツィヒはもともとWBがかなり高い位置を取り縦パスを通した前進が前提となってくるチームなので、このプレッシングにより円滑なビルドアップが阻害されてしまい、ロングボールを用いた前進が増えていきます。とはいえそれでもシック、エンクンク、ヴェルナーの三枚はしっかりと収めて攻撃できてしまうので、脅威であることに変わりはなかったです。さて一方のライプツィヒですが、彼らのプレッシングの変更点に触れるためにはまずスパーズの攻撃における進歩について話さなければなりません。前半は、ラグビー方式でファウルをもらいながらボール保持を行う羽目になりライプツィヒのプッシュに苦しんだスパーズですが、後半になり2枚のボランチを中心にバックラインで細かく繋ぎ、時にはベルフワインが降りてきてウィンクスへの落としも行ってプレスを回避し、主に左で保持して前半よりも大外に張った右のオーリエに展開し前進を図ります。ラグビー式の保持よりも格段にスピードが上がり、クロスからのチャンス演出も何度かありました。

左で保持右に展開

さて、ここまで話してやっとこさライプツィヒの変更点について触れることが出来ます。リーチマイケル式の保持から進歩したところのキーマンは逆サイドに振れるウィンクスです。そこに気付いたライプツィヒはシックをウィンクスの監視役として登用し、ヴェルナーとエンクンクの2トップのような形でプッシュを行います。ウィンクスを経由した逆への展開が出来なくなったスパーズは、その右脇にいるロチェルソを使っての前進とライプツィヒ同様長いボールを用いての前進が増えていきます。ですが機動力はあっても高さと強さにかけるスパーズの前線では時間を作ることが出来ず、攻撃に苦しむことになります。50分を過ぎた辺りからスパーズの前線がボランチに蓋をしなくなったことを利用して再びシックを降ろしての攻撃をし始めたライプツィヒ。その流れで2列目からの飛び出しを止めることが出来ずPKを与えてしまいます。そして痛恨の失点を喫します。すぐ後にラメラ、エンドンベレを投入し、ラメラを左に配置してベルフワインを前線に押し出して、ルーカスと2トップを組ませます。エンドンベレは中央に入り、ロチェルソを右に置きました。より外のレーンに張るラメラに対して、デイビスはHSに入りがちだったベルフワインよりも繋ぎやすそうにしていました。そしてその選択肢が生まれたことで、かえって裏抜けを行うベルフワインに対する楔の数が増えていきました。これは前半になかった左の幅を取ることでムキエレをピン止めして、裏のスペースをより見ることが出来たためです。ですがそこから先を作ることが出来ず、またサポートが無く単騎突破を強いられる場面も多くありました。中央のエンドンベレの突破やロチェルソの推進力を使った攻撃も、なかなかライプツィヒのブロックを崩すことが出来ず、万策尽きてしまいました。

在るべき形

アウェイゴールを1点に抑えたことをポジるしかありません。

次はウパメカノとコナテが帰ってきてさらに厳しい戦いも予想されますが、何故だかあまり負ける気がしないのは僕だけでしょうか。いずれにしよ、信じて見守るだけです。彼らの底力を信じてサポートし続けましょう!coys!!!!

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