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【サイクル】あらゆる命はサイクルの中で生きている。

 命あるものはすべてサイクルに従って生きている。その周期は想像もつかないほど長いものから瞬間的なものまでさまざまだが、自然の中で生まれたサイクルは太古の昔から未来永劫とどまることなく繰り返す。

 季節のサイクルはもっともわかりやすい。春は目覚めのとき。何もかもが息を吹き返すように動き始め、みずみずしい生命力に満ち溢れている。夏はもっとも脂ののったとき。大汗かいてよく動き、疲れて泥のように眠る。秋は成熟のとき。活動が少しずつ衰えていき、育んできた実りをいただく。冬は休止のとき。活動をやめて眠りに入り、目覚めに向けて体力を温存する。これが季節のサイクル。

 これを一日のサイクルに置き換えると、春は朝、夏は昼、秋は夕方、冬は夜となるのだろう。また、人生のサイクルに置き換えると春は誕生から幼児期、夏は青年期、秋は中年期、冬は老年期から臨終となる。生きるものはみな一日でも一年でも一生でも同じようなサイクルを繰り返しているのがわかる。だから朝目覚めたときはみずみずしい生命力に満ち溢れているのが本来の姿であり、夜はよく眠るのが本来の姿なのだと思う。さまざまな事情でそうした本来の姿でいられない人も多いだろうが、できるだけサイクルに順応した生き方が大切だと思う。

 一日のサイクルも一生のサイクルもずっと繰り返されるのだと考えると、死は終わりではないと確信する。終わりではなく、新たな目覚めに向けて眠ることだ。命あるものはすべてサイクルに支配されているのだから、人間とて例外ではないだろう。「死んだらおしまい」と思わなくて良いというのは素晴らしい。すべての生き物は自然の一部として大きな命を連綿とつないでいく。

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