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【自分で作る生き方】消費に明け暮れていては幸せになれません。

 私は都会での会社勤めの生活から一転、綾部の田園風景広がる土地に移住し、半農半Xの生活を送るようになった。都会は便利だし刺激的だが、何かがおかしいと思い始めたからだ。都会生活者はモノを生み出さず、消費することで日々の暮らしを立てる。必要なモノやサービスは何でもカネで買う。私自身もそうだったし、それを責めるわけではない。そういう社会構造になってしまったということだ。生活がすべて消費で成り立っているから、カネがなければ幸せになれないという価値観に囚われる。一生懸命稼いでもカネは出ていくばかり。そのうえ給料は減らされ、非正規労働者が激増し、残業は悪とされた。

 一方で政府はさらにGDP伸ばそうと躍起になり、GDPに占める個人消費の割合を7割にまで上げ、個人消費がけん引することを目指している。つまり国民は「これ以上働くな、給料は減らすけどどんどんモノを買え、消費してGDPを押し上げろ」と言われているのである。これをおかしいと思わないなら、それこそおかしいではないか。

 都会生活者のほとんどは日々の生活だけで精一杯だ。子どもと一緒に過ごす時間を犠牲にして夫婦共稼ぎをしてもぎりぎりの家計である。それでも必要なものはカネで買わなくてはならない。これでは多くの人が都会にいても生活が良くなることはないと見切りをつけるのは当然だ。

 塩見直紀氏が提唱する半農半Xという考え方は、そんな都会生活者にとって生き方を考え直すひとつのきっかけである。コメや野菜を自給できて、住居費を大幅に削減できる田舎生活は精神的、肉体的、経済的、時間的に大きなゆとりをもたらしてくれる。消費するだけの生活から、自分で作る生き方へ。若い人たちの考え方は柔軟だ。都会や田舎にはこだわらない。これから田園回帰を目指す人が大きく増加しても不思議ではない。

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