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猫と和解


3歳くらいのとき、猫に引っ掻かれたことがある。

寝室で、母が取り込んだ洗濯物を

畳むお手伝い(真似)をしていた。

ぽかぽか陽気で暖かい日だったように記憶している。

リビングの空いていた窓から、

黒くて素早い何かが入ってきた。

わたしの左手を引っ掻き、

またものすごい速さで

洗濯物の置かれた寝室の窓から出て行った。

生まれてきて初めて流血した。

傷跡はレ点型に薄っすら残っている。


うちは団地の1階で、

入ってきたのは2階で飼われている猫だった。

猫もさぞかし驚いただろう。


それからしばらくは動物が怖かった。

幼稚園で牧場に行ったとき、

クラスでひとり、ひつじの柵の中に入れなかった。

ふわふわの毛並みの猫を、

3匹飼っている友達の家が怖かった。

団地の2階から、ジッと見下ろす猫が、

飛びかかってきそうで、玄関ではなくベランダから

家に入っていた時期がある。


猫と和解をしたのはいつだろう。

人懐っこい地域猫さんが、

足にスリスリしてきた時か。

今まで猫と一緒に暮らしたことはない。

犬派だ。

でも、今は猫も好き。

抱っこした事はまだ無い。

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