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Shining3D VEGA vs Einstar vs Revopoint Range vs POP3(中型~大型スキャン編)

Shining3D Einstar VEGA と Einstar と Revopoint POP3 と Range 使い比べよう、という趣旨の記事です。登場する機材は全部自腹切ってます。メーカーの宣伝じゃないよ。
この記事では中・大型スキャンを扱います。ベンチマーク方法を確立していないので「こんなの撮れたよ/撮れなかったよ」がメインです。
小物スキャンのベンチマークは別の記事にしてあります。

Revopointの機材は後継機種が発売されており、比較対象は旧世代品であることに注意してください。まぁいうてそんな性能変わらんと思うけど。
スキャン用スプレーやマーカーなどの細工もしていません。


スキャン結果

表中の「たぶんできる」は「試してないけどたぶんできるよ、これまでの経験からすると」ってところ。クルマのところまでPCとスキャナ持っていくのが面倒なのでやってないけどやればできる。たぶん。

EinstarとVEGAのFOVとワーキングディスタンスはこんな感じ。VEGAのFast modeはEinstarよりも大物寄りなので、小さめの物は撮れない場合がある。

掃除機のノズル

VEGAのFast mode(’中・大型モード)では掃除機のノズルは小さすぎてスキャンできなかったのでHD mode(小物モード)でスキャンしている。

VEGAだけでなくEinstarもそうだったのでShining3Dの後処理ソフトの特徴だと思うが、撮影データのなかで点群密度が低い部分は積極的に切り捨てられる。なので奥まったところや角の形状が欠損しがちな傾向がある。まぁ信頼度が低い部分はデータごと捨てるという考え方は理解できる。

ヘルメット

VEGA Fast modeとEinstarでスキャンできた。RangeとPOP3はトラッキングに失敗した。
VEGAはヘルメットの内装(クッション)まで撮れているが、メッシュ密度はEinstarのほうが良い。

自転車

Einstar

Einstar VEGA

細部のディティールはEinstarのほうが良い

Einstar VEGA

Einstar

クルマのダッシュボード

VEGAで10分くらいで撮れました。スキャナだけクルマに持っていって運転席に座ってパッと撮影。この手軽さは革命的ですね。
Einstarでも撮れるんじゃないかな、面倒だからやってないけど。

VEGA

クルマのトランクルーム

20分くらいかな?わりとサクっと撮れました。あまりデータ量が多くなるとVEGAの動作が重くなるので分割スキャンしたほうがいいかもしれませんね。

VEGA

トランクを横からみたやつ

所見

VEGAは中・大物スキャンにおいて優秀なスキャナーであることは確かだ。Einstarと比較したときメッシュ密度(解像度)は劣るが、ワーキングディスタンスとFOVの広さはVEGAのほうが格段によい。ダッシュボードやトランクルームなど奥行きのある物体のスキャンで特に優位性を感じた。

トラッキングに関して言うとEinstarと比べればVEGAのほうが一段劣る。FOVとCPUの差だと思う。ただしRevopointと比べれば比較にならないほど良い。スキャン失敗が極端に少ないのは大型スキャンでは本当にありがたい。
𝑺𝒉𝒊𝒏𝒊𝒏𝒈𝟹𝑫... 𝓕𝓞𝓡𝓔𝓥𝓔𝓡 𝓛𝓞𝓥𝓔...
さておきクルマ丸ごとスキャンも試したが、トラッキングがうまくいかなかった。マーカーを設置すればスキャンできるようになると思うが面倒なので試していない。

VEGAはスキャナ単体で動作するのがセールスポイントのひとつ。たしかに持ち運べるのは便利でした。自転車の周りをまわりながらスキャンするときにケーブルを引きずらなくて良いのは正直助かった。

ただし、消費電力が結構大きく普通のモバブでは給電が追い付かない。よくある5V 1A/2Aのモバブ・充電器は繋いでも充電されない。給電しているのにバッテリー残量の%が減っていく。なのでUSB PDの充電器・モバブが必要。
購入したときに65Wの充電器が付属しており、それであれば十分なので目安にすると良いだろう。

結論:VEGAはこういう人におすすめ

VEGAでスキャン可能な物体はEinstarでもスキャン可能なので、あえてVEGAを買うとしたら 
① 1mを超える大物をスキャンしたい人
② 車の内装など奥行きのある空間をスキャンしたい人
③ ノートPCを持ち込むのが難しい環境でスキャンしたい人


この3つでしょうかね。
「PC不要でもスキャンできる」というのがよくある売り文句ですが、結局スキャンしたデータを扱うにはPCが必要なので真に受けても仕方ないです。というかVEGA上でメッシュ化までするのは時間かかりすぎて現実的ではないので点群データをPCに送ってPCでメッシュ化したほうがいいです。

「小物から大物までスキャンできる」というのも売り文句ですが、HD modeとFast modeはFOVとワーキングディスタンスに開きがあるので必ずしもシームレスに接続できない。その狭間に落ち込むサイズのスキャン対象が必ずある。
そして小物スキャンの能力は小物を専門とするスキャナに及ばない。1台で大中小すべてをカバーできるスキャナではない。VEGAの小物スキャンははオマケとみるべきです。

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