Revopoint Mini vs POP2 vs CR-Lizard
Revopoint Mini と POP2とCreality CR-Scan Lizardを使い比べよう、という趣旨の記事です。登場する機材は全部自腹切ってます。メーカーの宣伝じゃないよ。
Revopoint POP2 とCR-Scan Lizardの比較はこっちの記事読んでください。
https://note.com/hexcapbolt/n/n1b6f3f6867d8
ハードウェア
見たまんまなので詳しい解説は省略。
スキャン品質
スキャン対象
比較のために、あえてスキャンしづらいアイテムを集めて性能を試すことにする。スキャン作業は条件を変えながら2~3回試行し、ベストな結果を選んだ。スキャンはすべて回転テーブルを使ったもの。手持ちスキャンは試していない。
1.石膏像
ディティールの再現度を評価しやすい。
2.明るい色のレゴブロック 3.暗い色のレゴブロック
レゴは寸法が安定しており精度を評価するための安価な素材として優秀だ。さらに色による影響も評価しやすい。
4.コンセントのヤツ
正式名称不明。アース線は邪魔なので切り落とした。黒くツヤがあり典型的な3Dスキャンしづらい部品。細かいシボがスキャンできるかどうかも評価項目のひとつ。
5.バイク部品
メッキされていて光沢があるうえアンダーカットが複数あり、3Dスキャンしづらい部品。
スキャン結果
上表の部位欠損は何かというとこういう状態。大部分はスキャンできたが一部はスキャンができない状態。この例だと黒いレゴブロックだけ形状を得られていない。
スキャンしづらいものをスキャンするためにセンサ感度やIRライト照度を上げていくことになるが、ノイズが乗り形状が崩れていく。それも限度があり、スキャンできなくなる。「部位欠損」というのはちょうどスキャンできる、できないの境目の状態。
さて、結果を1つずつ見ていく。
スキャン1.石膏像
どれもうまくスキャンできている。詳細を見ていく。
Revopoint Miniが最も良くスキャンできている。耳やえくぼ、眼の形状が一番よくスキャンできているし、メッシュが細かい(≒測定点が多い)。
スキャン2.明るい色のレゴブロック
MINIは青色ライトを採用している関係か、赤色部品のスキャンが苦手なようだ。レーザー照度を上げるとオレンジ色部分は写るようになったがトラッキングが外れるようになったためスキャン作業に失敗した。
また、上部の凸についてはMINIのほうが良いディティールが得られた。
寸法精度もMINIが一番が良い。スキャンしたデータをCAD上で数点計測し、平均をとったもの採用した。面の平滑度も一番良かった印象だ。
スキャン3.暗い色のレゴブロック
MINIは写りはするものの、トラッキングが成功せずスキャンできなかった。
スキャン4.コンセントのヤツ
MINIのほうが少しだけCR-Lizardより良くスキャンできている。POP2はスキャン不可能だった。
MINIは側面のローレット風の意匠の存在も読み取れる程度の細かさでスキャンできている。
スキャン5.バイク部品
完璧とはいかないものの、MINIはCR-Lizardと比較してエッジや厚みが正確にスキャンされており、より良い結果が得られた。POP2はスキャン不可能だった。
まとめ
さて良い3Dスキャナとは何だろうか。私はこれらの要素を重視している。
1.スキャンできないモノが少ない
⇒ 黒いモノや光沢があるモノが撮れる
2.撮りなおしが少ない
⇒ スキャナとソフトの動作が安定している
3. 一度のスキャンでより広い領域を撮影できる
⇒ スキャンエリアが広い
4.スキャンデータの処理がスムーズに行える
⇒ ソフトウェアの設計が洗練されている
5.スキャン精度が良い
⇒ 形状精度、寸法精度が良い
Revopoint Miniは黒いモノや光沢のあるモノにも対応できるが、色差に弱いようだ。そしてとにかくスキャン精度がよくメッシュ品質が良い。ただしスキャン範囲は狭く、しかもかなり接近させる必要があるため大きなモノのスキャンはしんどそうだ。今回はテストしていないが。
やはり、Revopoint Miniは小さなモノや機械部品をスキャンするのに向いている製品だと思う。
おまけ
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