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まちはどこまで暑くなってしまうのか

暑いですね…
そんなこと言われなくてもわかってるわ!と言われそうですが、私の住む地域は関東内陸でして、熊谷ほどではないんですけどそれなりに暑い地域です。
ここに住んで20年近くになりますが(その前も同じ県内ではありますが)やっぱり確実に猛暑の日が増えています。このペースで気温が上がり続けることを想像すると、絶望的な気持ちになります。

もちろん、地球全体の温暖化(最近は沸騰化って言いますね)自体が深刻な問題ではありますが、それよりも、そもそも私たちの住む街全体がヒートアイランド現象によって加速度的に暑くなっている気がします。

子供の頃に見ていた景色と比べてみましょう。田んぼや畑はどんどんつぶされ、土が露出していた道はアスファルトでキレイに舗装され、空き地はなくなり、まだちょっと残っていた林のような緑帯も伐採されて、結局ほとんどが宅地になってしまいました。
その宅地はギリギリまで細分化され戸建が建てられますので、敷地いっぱい屋根と壁に覆われます。道路にはエアコンの室外機が向けられ、夏になるとガンガン排熱されるわけです。
こういう変化が数十年続いたことで、本当に外を歩くのが厳しくなりましたよね…。

正直、この状況を今すぐ変えるのは無理でしょう。でも、住民ひとりひとりが「このままじゃマズイ」と思ってくれれば、少しは未来は変わるんじゃないか、という希望を持ってこれを書いています。

よく、駅や商業施設の外にミスト装置を設置する情景が、テレビに映ったりしますよね。あのミスト装置、チューブとか買ってくれば自作できるらしいんですけど、あんまり「うちでも作ろう」となる人は多くないですよね。水道代や電気代もかかりそうだし。
でも、実はあの仕組みを家庭に取り入れる簡単な方法があるんです。
「緑のカーテン」です。
プランターと土とゴーヤなどの苗を買ってくれば、DIYは必要なし。
勝手に育つし、(水をやる手間はありますが)自力で吸った水を目に見えないレベルのミストにして放出してくれるんですよ。皆さん理科で習いましたよね?植物の「蒸散」!
さらにツルがぐんぐん育つので、屋根の庇や窓のサッシ上から網を張ってやれば、窓全体を葉が覆ってくれます。そう、勝手にミストを出し、窓から入ると激暑な日光を、外側で光合成のために使ってくれる。
素晴らしくないですか?

過去のものですが実際に我が家の窓の外で育てた緑のカーテンです。涼しげでしょう?

もし、自宅の敷地に少しでも土があったら、木を植えてもいいですね。木ももちろん葉っぱで蒸散しますので気温を下げます。少し温度が下がると、空気は相対的に重くなりますので木の下に溜まります。日光は茂った葉がしっかり受け止めてくれるので木の下は影です。木陰に入るとホッとする経験、誰もがしたことありますよね。

もうこれ以上ヒートアイランドを進行させないために、国は「自宅敷地に緑地があれば、その分固定資産税を割引きします」という政策をとったほうがいいのではないか?と割と真剣に考えています。

もちろん緑を増やせば全てが解決する訳ではなく、人の生活と緑を良いバランスで共存させるには、それなりに手間とお金がかかります。剪定や草刈り、落ち葉の処理や虫対策などには、専門家の知見も必要になるでしょう。そのコストを誰が負担するか、は議論が必要になると思います。

でも想像してみてください。街中の家がそれぞれの敷地に緑を植え、それが隣家の緑とつながり、ささやかあっても木陰がずっと続いている。そして木が生い茂った公園があちこちにあり、散歩や買い物の途中で木陰のベンチに座って一休みできる…
住めるならもう絶対そんな街の方がいいですよね?

偉そうなこと書いてますけど、私とて草取りは10分が限界だしそもそも暑いと無理だし、庭木の枝は伸び放題(年1回植木屋さんがキレイに剪定してくれるので完全にお任せ)だし、落ち葉は落ち放題だし…で、全然管理できてないんです。申し訳ない…
でも、それも自然の姿であり、多少ボーボーだとしても、緑がないよりはあった方がいいと思ってしまうのです。

今の価値観だと、木の枝が隣家にはみ出せばトラブルになり(どっちの責任かという法律まである)、落ち葉が近所に散らばればクレームが入り、草が伸びれば「うちにタネが飛ぶ!」「虫が来る!」と怒られるというのが現実。

でもここはひとつ「猛暑を和らげる」という緑による恩恵を得るために、多少、隣近所の木の枝が伸びていても、落ち葉が舞い散っていても、しょうがないか〜、と思えるような文化になってほしい。

とは言え、土地を管理する方からするとこれらが結構厄介な問題なのは実体験としてわかるんですけどね…AIで動く自動草刈機とか植木剪定ドローンの登場が待たれます。絶対需要ありますよこれ。

まぁ、日本において緑の管理が厄介なのは、日本が高温湿潤で植物の成長が早いからで、その分緑の恵みを受けやすいということでもありますから、本当に表裏一体。上手く活用する方に向かってほしいです。

ということで、連日猛暑日を記録する中、エアコンをガンガンかけながら考えたことをつらつらと書いてみました。皆さんはどう思いますか?ここまでお読みくださり、ありがとうございました!

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