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2020年 冬至を迎えて ー 来年の「光」を思いつつ冬の夜を過ごす

12月21日、今年も冬至の日がやってきました。

おそらく誰もがこれまで体験したことのないような大きな激動に見舞われた2020年、みなさまはどのように過ごされ、乗り切って来られたでしょうか。

未知のウィルスの世界的流行という予期できない変化によって、生活のパターンが大きく変わった方もいらっしゃると思います。共通して言えることは、間もなく迎える新しい年が、平和と喜びに満ちたものとなるようにという、祈りにも似た願いなのではないかと思います。

冬至のキーワードとして知られる「一陽来福」。これからは一日一日、少しずつ日が長くなり、それとともに苦しみや悲しみも癒え、楽しいこと、幸せなことが一歩一歩とやってくる、という、まさに今年の私たちにはとりわけ心に響く言葉です。

ところで、冬至を一年の暦の大きな境としてみる見方は、もちろん、日本独自のものではありません。その考え方は、冬の寒さがとりわけ厳しいヨーロッパにも共通してみられます。

特に、冬至が過ぎ、さらにイエス・キリストが生まれたクリスマス・イヴが過ぎると、ヨーロッパ各地では、冬の寒さ、暗さとともに過去一年の古い世界観やネガティヴな体験を一掃し、日々長く強くなる太陽の光とともに新しい年の希望や幸福を迎え入れるためのさまざまな風習や祭事が盛んにいとなまれています。

冬至、あるいはクリスマス・イヴから1月6日までの期間は、古くから「十二夜」と呼ばれ、古きものを廃し、新しい希望を光とともに受け入れる時間としてとらえられてきました。この2週間ほどの間に、人びとは、水盤に張った氷や深夜の鏡の中に未来を予兆するようなヴィジョンを見ようとし、また、寒い森から切り出した若枝の伸び方から、家族の吉兆を占ったりもしました。都市化が進み、多くの民間習俗が忘れ去られようとしている現代でもなお、この時期に書店などでオラクルカードやタロットカードを求める人が絶えないのは、面白い現象だと思います。

日本ではまだそれほど知られてはいませんが、1月6日とは、キリスト教の暦では「公現節(エピファニー)」と呼ばれます。12月24日の深夜、飼い葉桶の中に密かに生を受けたキリストの生誕を星の動きから察知した東方の三博士は、この新たな救世主に捧げる贈り物を手に、はるばる徒歩でベツレヘムを目指したと言われます。そしてようやく現地にたどり着き、幼子イエスと対面したのが「公現節」の1月6日だったのです。つまり、12月24日に人知れず生まれた新しい世界が、およそ2週間を経て公に人びとの知るところとなる、という過程です。これは、「古い時間と体験を整理し、新しい一年を受け入れるための心の準備をする」という、キリスト教以前に始まった「十二夜」の風習と重なり合うのです。(ちなみに、欧米、とりわけカトリック圏で、ツリーやリースを含めたクリスマスのデコレーションを年明け1週間は飾り続け、またシュトレンなどの日持ちのするクリスマス菓子を1月6日まで楽しむのは、まさしくイヴから公現節までをクリスマス期間とみるためです。)

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何より辛いことや我慢しなければならないことが多かった2020年。明日、12月22日には、200年に一度と言われるグレート・ミューテーションも控えていて、これを機に世の中が劇的に変わっていくとも言われています。まさに過去の時間を「リセット」するようなすっきりした気分で新しい年を迎えたい。そんな「心のリニューアル」を少しでもお手伝いできればと、心の薬店では、ヨーロッパの「十二夜」の風習にフォーカスしたメニューをご用意しています。

この冬は、珍しく日本でも冬至の時期に厳しい寒さが訪れています。寒い冬のさなか、まもなく訪れるはずの優しく暖かい光をイメージし、みなさんのそれぞれが叶えたい夢や希望を明確にヴィジョン化するきっかけになればと思っています。

詳しくは以下をご覧ください。








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