くしゃっとなる。
https://www.youtube.com/watch?v=SxNM61S1Fso
道端に溜まった花びら。
見上げると、桜の木。
ほぼほぼ散って、葉が出ている。
端の方に咲き残る幾つかの桜。
溜まった花びらを足で踏んでみる。
「結局、誰かが掃除しないといけないんだよね。」
桜は咲いて散るまで、みんな、それを愛で、酔いしれ、昔の人は俳句を詠み、現代のにわか詩人が、拙い詩を紡ぎ出す。
でも結局、それを掃除する人がいて、誰もその人のことを考えようとはしない。
地面に落ちた桜の花びらは、地面に積もり
川を流れる桜の花びらは、他のゴミと一緒に堆積する。
溜まった花びらを踏む僕の頭の中で、見上げた桜の木がくしゃっとなる。
そこにあるのは、鮮やかな緑の葉。
僕はしゃがんで、汚れていない花びらを左手で掴みあげる。
そして水戸泉の塩まき*の如く、頭の上に巻き上げる。
少しぬれた花びらが固まったままくしゃっとなって、頭の上に落ちてきた。
*水戸泉は、1990年代に活躍した力士。大量の塩をまくことで有名。
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