小説 第一回AI Selection (39) エリー・マルキマ・パジャーブ・シン
名古屋に向かう自動車の中
「ここはどのあたり?』と運転をするスズキに聞いた。
「ここは、まだ京都を過ぎたあたり、もう少し行ったら琵琶湖。」とスズキは、前をにながら言った。
「まだ出てそんな経ってないし、インターネットで調べた通行可能な道を辿っていくのって、遠回りになるから、あまり進まないね。」とエリー言った。
「まだ車が借りられて二日目だし、神戸を出てからちょっとしか経ってないしね。3日くらいで出るつもりだったんだけど、その調子だと2週間くらいかかるかも。」とスズキは言った。
「またあそこで渋滞してる」とエリーが前方を指して言った。
「本当だね。なんかおりている人もいるから、事故があったのかも。近くに行って止める。」そう言うと、スズキは、ゆっくりと最後尾の車の後ろに行って、エンジンを切った。
窓を開けて、エリーが、外で立ち話をしている黄色いシャツと白いポロシャツをきた中年の二人の男性に声をかけた。
「何かあったんですか?」
「ここから200メートルくらい先のところで、崖が崩れているところがあって、ぎり軽自動車1台が通れるか通れないかの道幅しかないらしいよ。」と白いポロシャツの男性が言った。
「みなさん、こうしてずっと待っているんですか?」エリーが聞いた。エリーやスズキの車の後ろにも、車が連なり始めていた。
「崖崩れの先頭で、高級セダンに乗った人が、早く石をどけろと騒いでいるらしいよ。」と白いポロシャツの男性が言った。
「それで石を退けたり、どこかに連絡したりしているんですか?」石を退けるとかはしてないんじゃない?みんな危ないから手を出さないんじゃないかと思うよ。どこかに連絡はしているみたいだけど。引き返して別の道を探すかって、今話していたところ。」と、黄色いシャツを着た男性が答えた。
「エリー、私たちも別のルートにしない?」とスズキはエリーに聞いた。
「まだまだ名古屋までは遠いんだよね。歩くとかは無理なんでしょ?」とエリーが聞いた。
「無理むり、歩くと、何日もかかるし、そんなに歩けない。」とスズキは言った。
「ちょっと先頭まで行ってみてくる」とエリーは答えて車を出た。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?