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仕事始めとなった1月6日の東京駅は、思いのほか混雑はしていなかった。
座れない心配があり、スタバのコーヒーは我慢し、急いで売店のボトルコーヒーを購入してホームまで駆け上がったが、杞憂で終わった。
すでに世間は日常の生活を取り戻していた。

東京駅から熱海まで47分。
到着する時間帯の熱海駅も、すでに人はまばらだろう。昼間のごった返しの余韻はない。

今日の東京での仕事は、CM撮影のロケハンの立会いだった。クライアントにとっては初めての撮影になるので、ロケハン時の対応の仕方を教えるために、今回は私も立ち会うことにした。
有り難いことに、店や空間さえあれば、使いたい人達はたくさんいる。
テレビ番組や映画、CMの撮影、イベント、会議など、使用用途は様々だ。
撮影内容によっては、店名のキャッシュを入れていただき、宣伝にもなる。
ただ、基本は空いている空間、時間をお金に替えることが目的だ。
場所のシェアがお金を生む。

この「シェア」をビジネスにする動きは数年前から盛んになっている。書籍も有名だ。
カーシェア、シェアスペース、シェアハウスなどは一般的で、こんなものまでシェアするの?!っていうものまでシェアされている。
例えば、家具やブランド品といった“モノ”から、人の能力や技術までがシェアの対象として売り買いされている。
シェアリングエコノミーという言葉が誕生したのもここ最近だ。
シェアスペースのプラットホームである「スペースマーケット」は先月マザーズに上場した。
スキルを売り買いできる「ココナラ」のサービスは、私もたまに利用する。
副業解禁もまさに個人の能力や時間のシェアだ。

シェアが進むと、モノが売れなくなって困るという意見もある。車が売れなくなる、服が売れなくなるなど。シェアリングエコノミーの弊害だと。
確かに影響はあるかもしれないが、そこにビジネスモデルの変革や新たな発想によるビジネスが生まれたりする。
お金を生み出す新たなアイデアや手法を考えるチャンスだ。

今後、地方においては都心で働く人たちの力が更に必要になってくる。
都心で働く人たちのアイデアやスキル、マンパワーが地方にビジネスを生み出す。
移住ではなく、週末だけ地方という働き方だってありだ。すでにそういう人たちはたくさんいる。

こんな記事を書いているうちにもうすぐ熱海だ。この熱海にもシェアによって新たなビジネスが生まれている。
柔軟性ある変革が、熱海の復興を支え始めている。

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