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🇺🇸「自分の世界観を精一杯表現して、人に喜んでもらうこと。それが私が望む生き方なのかもしれません」

ターボックス・そのえさん

アメリカのテキサス州オースティン在住、フォトグラファー。
自作のコスチュームを使ったベビーアートから活動を始め、現在はスクールフォトの会社も経営。
アメリカ人の夫、子ども1人の3人家族。

取材日:2023年7月10日

Q、どんな子ども時代だった?
A、1人で頑張れることをとことんやり抜くタイプでしたね。小学生で始めた水泳は、週5〜6回通う強化選手に。高校生では東京都大会10位になりました!エレクトーンも小学生から習って、地区優勝まで行きまして(笑)。今でも、何かを始めたら一直線になるタイプですね。

Q、どんなとき、ビジネスのアイディアを思いついた?
A、人生の流れで、思いもよらない展開になっている感じです…(笑)。そもそも大学卒業後はソフトエンジニアとして働いていたのですが、30代のとき「海外で働くのもいいな」と思い立ち、オーストラリアで基礎からITを勉強しました。

そんな中、アメリカ人の夫と結婚することに決めてオースティンに住み始めたんですが…、彼が言うんですよ。「ピッタリ着れる服がない」って。

身長195cmで細身なので、袖丈が短かったり、身幅が大き過ぎたり…。アメリカでもちょうどいいサイズが見つからなかったんですね。当時の私は会社も辞めて時間はたっぷりあったので、彼の服を手作りし始めました。

そうしたら、今度は服作りにハマっちゃったんですよー!子どもが生まれてからはコスチュームを手掛け始めて、地元のコスチュームコンテストで優勝。さらに、全米でも有名なコスチュームコンテスト「テキサスルネッサンス」でも、なんとファイナリストや3位に選ばれたりして…!それで、ますます没頭するようになったんです。

「こんなかわいいコスチュームなのに、自分の子どもだけに着せて終わりじゃもったいない!」と思って始めたのが、ベビーアートでした。友人宅やイベントスペースで撮影会を始めたのが、自分のビジネスのスタート。

コスチュームだけでなく、背景や小物も作りしました。振り返っても、本当に計画性ゼロ(笑)!ただただ目の前のことに夢中だったな、と思います。

さらに、ちょうどコロナの時期、転機が訪れました。アメリカで着付けの先生をしていた女性が「着物のレンタルサービスを始めたい」というので、帰国できない日本人家族のために一緒に七五三撮影を始めてみようという話になったんです。

そうなるとイメージがどんどん膨らんで、じっとしていられないのが私の性格(笑)。それまで全くカメラの知識はなかったのに、思い切って一眼レフを購入!自分でカメラや写真のことを夢中で勉強して、フォトグラファーデビューしたのがこの時期でした。

口コミでお客様がどんどん増えたので、ひな祭りや鯉のぼりなど季節ものの撮影セットも手作り。アメリカで日本っぽいセットはなかなかないので、とても喜ばれています!

今までやってきたことが全部繋がっていくのは、とても嬉しく充実感がありますね。

人生の限られた時間の中で、自分の世界観を精一杯表現して、人に喜んでもらうこと。それが私が望む生き方なのかもしれません。

Q、最大の試練は?そこで気づいたことは?
A、2022年秋からは、スクールフォトグラファーの会社も夫婦で始めました。スクールフォトというのは、アメリカの文化なんですが、学校や保育園と契約して、子どもや生徒たち一人ひとりの記念写真を撮る仕事です。

私、1人で黙々と作業するのはめちゃくちゃ得意なんですけど、人生初の試練だったのは「営業活動」でした!飛び込みで学校に行って、英語でアピールしてお客さまになっていただく。最初は精神的にしんどかったですね…。

ただ、テキサス州だったからなんとかなったかもしれません。「サザンホスピタリティ」と呼ばれるんですけど、人が温かくて優しくて…。

最初は「突っぱねられるかも」と緊張していた私ですが、ちゃんと話を聞いてくれて「頑張ってね」って声までかけてもらえたおかげで、自信も出てきました。今ではアシスタントを雇うくらい、仕事をいただけるようになりました。

やってみて気づけたんですけど、会社経営ってなんでもしなくちゃいけません。

「学校や家族に喜ばれるサービスって?」「印象に残る営業の方法は?」など常にオーナーとしてやるべきことを考えています。

例えば東京に帰省した時にも、「おもてなしのサービスがすごすぎる!ぜひ取り入れたい!」と学ぶべきポイントをめちゃくちゃ拾えました!

自分の故郷なのに、今までとは全く違う目線の自分がいて、面白いなと思います。

Q、自分はできると思えたのはいつ?
A、正直、異文化のアメリカに行って、自分が何者になれるかなんて最初は全く分かりませんでした。

でも、趣味のコスチューム作りで初めて優勝できた時、「私の感性で“面白い”と感じたものが、アメリカでも通用するんだ!やっていってもいいんだ!」という手応えを感じたんです。すごく自信になりました。

Q、あなたにとって「稼ぐ」とはどういうこと?
A、「自分のクリエイティビティを生計につなげる形」です。単に収入が欲しいだけなら会社に入ればいい。でも、私は自分の感性を活かして、ほかの人に価値を提供できることに喜びを感じます。

そうやって生きている時、自分自身もすごく成長するのを感じます。その感覚、その在り方が大好き。その一連のプロセスがすごく楽しいんです。

Q、自分の性格で1番好きなところは?
A、「やってみようかな」と思ったら、すぐにやるところ。

Q、休みの日にしたいことは?
A、実は…年々休みがなくなっていて(汗)。繁忙期には、娘と過ごす時間をなかなか持てず、6歳の誕生日の朝、まだ娘が寝ている時間にバルーン飾ってプレゼントをベッドに置いて、出かけないと行けないこともありました。

いろんな育て方が会っていい、いろんな人生の選択があっていいと思っているから、罪悪感とは違うんです。

ただ、そうは言っても、休みが取れた時は家族の時間を持ちたいですね。どこかに行くとかじゃなくていい。家でポップコーン食べながら映画を観る「ムービーナイト」とか、みんなでゆっくりしたいなって思ってます。

Q、「自分に自信がない」という人に伝えたいことは?
A、私も自信満々になったことはないですよ(笑)。ただ、自信がないなと感じた時は、「まだまだ自分や未熟で、これからも伸び代があるんだ」「いつでもスタート地点!」「1年目にしてはうまくやってるじゃん♪」って考えると、気持ちが前向きになるかもしれませんね。

そもそも「自分はどうなりたいか」というゴールを自分であらためて見つめ直すことも大事ですね。時間がかかってもいい。本当に向かいたいゴールが見えてきたら、思い切って行動してみる。そんなプロセスで自分の人生は作っていけると思っています。

Q、これからの夢は?
A、今は、子どもや家族向けフォトサービス「Nappy Time Portraits」とスクールフォトのビジネスをしっかりやっていきたい。

ただ、この先のことは分かりません(笑)。私のクリエイティビティを通して、誰かが喜んでくれる、価値を提供できることがあれば、また流れに任せて、きっと新しいチャレンジをしていくことでしょう!

常に「今」やりたいことに向かって、夢中で生きていきたいです!

そのえさんのリンク:
(Instagram)Nappy Time Portraits
(HP)Nappy Time Portraits
(ポートフォリオ)Nappy Time Portraits
(スクールフォトHP)Lil' Angels Photography

取材日:2023年7月10日

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