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「なぜ買った人ではなく買わなかった人のデータを集計するですか?」

「なぜ買った人ではなく買わなかった人のデータを集計するのですか?」

ランディングページ改善の依頼を受け、まずは計測のためにとGoogleアナリティクスやヒートマップを導入してるとき、にお客様からされた質問です。めっちゃいい質問だと思います。ほかのクライアントさんにも役に立ちそうなので、noteで解説させてください。

買った人から得られる情報も当然重要

最初にお伝えしたいのは、買った人から得られるデータも重要な情報だということ。ただ買った人のデータは直接聞きやすいため、データとして分析するだけでなく、実際に対話で聞いたり、レビューをもらったり、取得の仕方はいろいろあります。

インタビューする機会があれば、購入する前はどのように課題を解決していたのか、自分で解決していたのか、それとも別の商品を使っていたのか、などが聞けるとは非常に価値がある情報が得られます。これによって、見込み客が現在どのような段階にいるのかを把握できるのです。

たとえば僕はLPを改善するサービスを提供しているわけですが、僕に依頼する前のお客様は、「なんとなく売れていたから放置していた」「他の業者に頼んでみたけれど効果がよくわからなかった」などのパターンをたどって僕に辿り着いているわけです。

それらを知っていれば、僕が自分のサービスのLPを作る際には「広告費がだんだん高騰して焦っていませんか?」などドンピシャで悩みを言い当てることもできます。

このように、購入してくれたお客様の情報も当然重要です。これを踏まえた上で、買わなかったお客様のデータをどのように活かすかを見ていきましょう。

理由は聞けないが行動は数字で見える

買わなかったお客様に、買わない理由を直接聞くことはできません。しかし、数字を通してお客様の行動を捉え、そこからパターンを導き出すことはできます。特にオンラインの施策では計測がしやすいので、それを活かさない手はありません。わかりやすくするために、2つのパターンを考えてみましょう。

1つ目のパターンは、商品の紹介ページにお客様が訪れたとき、1秒〜10秒以下で離脱してしまったケース。もう1つのパターンは、1分、2分と商品ページをじっくり見ていたにもかかわらず、購入しなかったケース。この2つのパターンでは、同じ「購入しなかった」という結果でも、それぞれ得られる情報が異なります。

最初の1秒から数秒程度で離脱してしまったパターンのお客様は、商品ページを見て「思っていたのと違う」といった印象をページから受けた可能性があります。広告で受け取ったメッセージと商品ページの第一印象が違っていて、クリックした瞬間「なんか違う」と感じてしまった可能性が考えられます。

クリエイティブをいくつか試している場合で、特定のクリエイティブでこうした即バックが目立つのなら、クリック単価が安いように見えてもその後につながっていない可能性があるのです。このように、なぜ離脱したのかという情報は1つの指針になります。

また、じっくり見ていた人の場合、購入方法がよくわからなかった可能性もありますし、購入後に商品をどのように使うのかがわからなかったかもしれません。さらには、希望している決済方法が使えるかどうかがわからず、探しているうちに面倒に感じて離脱してしまった可能性もあります。

こうした離脱なら、単に現在の商品ページに情報が不足しているだけで、必要な情報さえ入れれば購入件数が増える可能性もあります。なにがいいたいかというと、離脱したお客様の行動はたはり改善策を考えることが役立つのです。

数値の分析とヒートマップを両方使う

買わなかったお客様の行動パターンを探る方法はいくつかあります。なかでも最も手軽に導入でき、なおかつ計測がしやすいのは、Googleアナリティクスを中心とした数値での分析と、ヒートマップを使った視覚化された分析の2つでしょう。

数値での分析

まず、Googleアナリティクスなどを使った数値での分析では、以下のようなデータを確認できます。

  • 何人がサイトに訪れたのか

  • どれくらいの時間滞在したのか

  • モバイルからのアクセスが多いのか、パソコンからの表示が多いのか

これにより、基本的な訪問者の傾向を数値で把握することができます。ただし、Googleアナリティクスだけでは、例えば「2分間の滞在中にお客様がどのような行動をしていたのか」といった詳細な情報は分かりません。

ヒートマップによる視覚化

そこで活用するのがヒートマップです。ヒートマップツールにはいくつかの種類がありますが、基本的にはページのどの部分がお客様に見られているのか、どこがクリックされているのかなどが分かります。

例えば、決済方法の情報がある部分にリンクがないにもかかわらず、訪問者がその部分を頻繁にクリックしている場合、お客様が決済方法や分割払いの可否を探している可能性があります。この情報をもとに、決済方法についての情報をもっと充実させるといった改善策を考えることができます。

両方の分析を活用

このように、ヒートマップから得られる視覚的なデータと、Googleアナリティクスなどの数値的なデータの両方を活用することで、より具体的な改善策を導き出すことができます。両方のツールを併用することで、買わなかったお客様の行動パターンを詳細に把握し、効果的な施策を講じることが可能になるのです。

情報を得たら仮説を立てて検証する

ランディングページを改善する際、数字とヒートマップで情報を取得することは重要ですが、情報をただ眺めるだけでは意味がありません。基本的には、1つ仮説を立ててそれを数字をもとに検証し、改善していくという地道な作業の繰り返しになります。

初めてデータを眺めていると、データが多くなればなにか改善策がわかる気がしてしまいますが、実際はそうでもありません。データは仮説を立てる時の参考と、検証時に照らし合わせるためのものと考えるべきです。

先ほどの決済情報周辺をクリックしていた例をそのまま使うと、決済情報がある方が良いという仮説を立て、情報をページに追加。その後、クレジットカード以外の決済方法(Amazon Payなど)がよく見られているのであれば、これらの連携決済システムを導入する、といった具合です。少しずつ仮説をもとに改善し、その効果を検証していくことが重要です。

なぜ買わなかった人のデータを集めるのか

買った人のデータも重要ですが、買わなかった人のデータを集めることには特別な意義があります。買わなかった人のデータこそ宝物です。しっかり取得して分析することで、以下のような効果が期待できます。

  • 改善点の発見: 買わなかった理由を特定し、ページや商品の改善点を見つける。

  • 仮説の検証: 買わなかった人の行動パターンをもとに仮説を立て、その仮説を検証して改善策を講じる。

  • コンバージョン率の向上: これまで買わなかった人を、より多く買う人に変えることができる。

買わなかった人のデータをしっかり取得して分析し、仮説を立て、これまで買わなかった人をより多く買う人に変えていきましょう。

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