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FOREVER

前作『2020』を発表した時はコロナ感染症の世界大流行の真っ只中でした。

あれから4年…。

ジョン・ボン・ジョヴィさんは…、

“新型コロナを生き抜いた集合体としての“僕ら”は、みんなその霧の中から抜け出して、再び交流するようになった。
人生に対する新しい感謝があった。
そして僕は自分の体に新たな感謝の念を抱いていた。
それがこれらの曲すべてに繋がった。”

…と言っていてとても印象的でした。

本日の こずや のBGMは、ボン・ジョヴィの『フォーエバー』です。

バンドメンバーは、オリジナルメンバーのデヴィッド・ブライアンさんがキーボード、ティコ・トーレスさんがドラム、そして、ヒュー・マクドナルドさんがベース、フィル・Xさんがギター、エヴェレット・ブラッドリーさんがパーカッション、ジョン・シャンクスさんがリズム・ギター(プロデューサー兼作曲もしている)です。

現在は7人編成で、アレック・ジョン・サッチさんは亡くなり、リッチー・サンボラさんももう居ません。

私は最近まで、1994年のベストアルバムの『クロスロード』までがボン・ジョヴィのオリジナル作品群で、1995年の『ジーズ・デイズ』があまりに充実し過ぎている未発表音源集みたいな捉え方をしていました。

なので、2000年以降のボン・ジョヴィは詳しくありません。

とは言っても、2000年の「イッツ・マイ・ライフ」は好きですし、2002年のアルバム『バウンス』も凄い作品だと思っています。

2003年と2006年の札幌ドームのLIVEも生体感しました。

2003年1月8日の札幌ドーム公演はワールドツアー初日ということもあり、準備不足でその日の本番自体がリハーサルみたいな酷い内容で心からガッカリしたのを憶えています。

その日のセットリストは…、

01.Bounce
02.You Give Love A Bad Name 
03.Captain Crash & Beauty Queen From Mars
04.Born To Be My Baby
05.Just Older
06.Everyday
07.The Distance
08.Misunderstood
09.Livin' On A Prayer
10.I'll Be There For You
11.Hook Me Up
12.Raise Your Hands
13.Keep The Faith
14.Dancing in The Streets
15.I'll Sleep When I'm Dead
16.Bad Medicine~Shout
17.I Got The Girls
18.It’s My Life
19.Wanted Dead Or Alive
20.Twist n’Shout

逆に2006年4月18日の札幌ドーム公演は『ハヴ・ア・ナイス・デイ』に伴うツアーの中で日本公演の最終日ということもあり、完全に全力出してるなと感じる物凄いLIVEで感動したのを憶えています。

その日のセットリストは…、

01.LAST MAN STANDING
02.YOU GIVE LOVE A BAD NAME 
03.CAPTAIN CRASH & THE BEAUTY QUEEN FROM MARS
04.I’D DIE FOR YOU
05.THE RADIO SAVED MY LIFE TONIGHT
06.NOVOCAINE
07.EVERYDAY
08.BORN TO BE MY BABY
09.STORY OF MY LIFE
10.MISUNDERSTOOD
11.IN THESE ARMS
12.HAVE A NICE DAY
13.WHO SAY’S YOU CAN’T GO HOME
14.IT'S MY LIFE
15.I'LL BE THERE FOR YOU
16.DIAMOND RING
17.I WANT TO BE LOVED
18.BAD MEDICINE
19.RAISE YOUR HANDS
20.LIVIN' ON A PRAYER

encore

21.BELLS OF FEEDOM
22.LAST CIGARETTE
23.I'LL SLEEP WHEN I'M DEAD
24.WANTED DEAD OR ALIVE
25.THESE DAYS

あまりにこの日のLIVEが良かったので気合い入れて大文字でセットリストを載せてしまいました。

私は2003年の札幌ドーム公演の途中で完全にファンを辞めたつもりでしたが、アルバム『ハヴ・ア・ナイス・デイ』の完成度とこの日のLIVEの素晴らしさで、やっぱり格好良いなぁと思ったところで、ボン・ジョヴィからは離れてしまいました。

それから18年…ガッツリ新作『フォーエバー』にハマっています。

僅か7週間で完成した作品ですが、各曲の質がかなり充実していて、アルバム通しても最高傑作級の完成度です。

1曲目の“私の為に立ち上がってくれる友達がたくさんいる。”と歌われる希望に満ちた高揚感溢れる「レジェンダリー」なんてボン・ジョヴィらしさ全開で、アルバム全体への期待が膨らみますし、それ以降の全ての曲が素晴らしいです。

作曲はジョンさんとジョン・シャンクスさんの他に、ワンパブリックのライアン・テダーさん、今や大スターのエド・シーランさん、そして、グランジ上がりのサザン・ロック・バンドのドライヴ・バイ・トラッカーズのギタリストとして知られ、アメリカの伝統音楽に精通しているジェイソン・イズベルさんも参加しています。

ジョン・ボン・ジョヴィさんは62歳です。

いつまでも若いわけではありません。

10代後半で親戚がやっていたスタジオのパワー・ステーションで雑用の仕事をしていた頃に、故デヴィッド・ボウイさんと故フレディ・マーキュリーさんが「アンダー・プレッシャー」を歌う姿を見たり、ミック・ジャガーさんに挨拶したりして抱いた“ロックスターになりたい”という40年前のジョンさんの夢を信じて付き合ってくれたバンドメンバー達を称えつつ、このアルバムのタイトルは、“これらの楽曲は、私たちが死んだ後もずっと長生きし続ける。”と悟ったことから“永遠”を意味する『FOREVER』と名付けたそうです。

2022年に喉の手術(萎縮した声帯を再建するという、もしかしたらヴォーカリストとしては致命傷になるかもしれない難しい手術)をしてから順調に回復に向かっているようですが、これまでのような大規模なワールドツアーなどに戻れるかはわからない状況のようです。

今年、ボン・ジョヴィにとってはデビューアルバム『夜明けのランナウェイ』から40年という記念すべき1年となっています。

私は1994年にロックを聴き始めました。

それまで、ジャズやクラシックばかりを聴いて育ったのですが、中学校の英語の授業でビートルズやローリング・ストーンズについて学んだことを機に、ロックを聴き始めました。

最初に親に買ってもらったロックの作品はローリング・ストーンズの70年代以降のヒット曲を集めたベストアルバム『ジャンプ・バック』でしたが、その良さに気付くにはその年の夏に『ヴードゥー・ラウンジ』が発表されるまで、まだ時間がかかりました。

ロックは好きになれないかも…と挫折しそうになりましたが、友人の家に行った時にボン・ジョヴィの『7800℃ファーレンハイト』に出会い、やっぱり、音楽は良くわかりませんでしたが、バンド名が変だな…という理由で、ボン・ジョヴィのことが気になり始めたのがロックの入り口でした。

その後、親に『キープ・ザ・フェイス』と『夜明けのランナウェイ』を買ってもらってガツンとやられて、ロックに夢中になりました。

それから高校1年生までの私の人生の中心にはボン・ジョヴィの音楽があり、ティコ・トーレスさんに憧れてドラムを始めました。

ティコ・トーレスさんは、かなり独特なタイム感を持っていると思います。

独特の間合いが私の心臓の鼓動に丁度良いと言いましょうか…。

ただの8ビートですが、物凄い迫力の包み込むようなグルーヴは他の人には再現不可能で、シンプルなビートにこそ、ドラム職人の“腕”が光るものだと実感させられます。

ドラムは小手先のテクニックではないということです。

とにかく、ティコさんの1発の音の深みと重みが凄いです。

ティコさんは1953年生まれの71歳です。

あまり派手なプレイはしないで、バンドの屋台骨を支えるようなドッシリとしたプレイをするドラマーで、どちらかといえば地味…まさに縁の下の力持ちのような存在です。

トミー・リーさんやコージー・パウエルさんのような派手に上手い誰もが憧れるようなプレイヤーではないでしょうが、職人のようなジックリ研究したくなるドラマーです。

ティコさんの凄さを知るには『キープ・ザ・フェイス』発表当時のアンプラグドのLive映像を観るのが手っ取り早いです。

オープニングのビートルズの「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」のジョー・コッカーさんのバージョンでのカバーから「ラヴ・フォー・セール」、「レイ・ユア・ハンズ・オン・ミー」の演奏は本当にヤバいです。

ボン・ジョヴィは個人のプレイよりも楽曲そのものを聴かせるバンドなので、ティコさんが適任だったということでしょう。

テクニシャンや派手なプレイヤーにばっかり注目が集まりがちな世界で、ティコさんのような職人タイプのドラマーが第一線で活躍し続けているのが何とも素晴らしいです。

…といろいろ書いてきましたが、ジョン・コルトレーンさんのグループでの活動で有名なエルヴィン・ジョーンズさんにドラムを教わった経歴のあるティコさんは実はとんでもないテクニシャンです。

ただ、ボン・ジョヴィの音楽ではそんなに必要とされる機会がなかったから、ひけらかさなかっただけです。

「ブラッド・オン・ブラッド」や「ホームバウンド・トレイン」、上記のビートルズのカバー「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」では ティコさんのテクニシャンとしての魅力が存分に発揮されています。

ドラムは不思議な楽器で、音だけで誰なのかわかるということは少ないのに、叩く人が代わると別のバンドかと思うほど印象が変わります。

ボン・ジョヴィの音楽はティコさんの独特な間合いと迫力がないと成り立ちません。

どんなに上手いドラマーがプレイしても別のバンドに聴こえてしまいます。

そんなドラムの奥深さを感じさせてくれるティコ・トーレスさんは、やはり凄いです。

そして、ジョン・ボン・ジョヴィさんの後ろにはティコさんがシックリきます。

祝ボン・ジョヴィのデビュー40周年…あぁ~ステキ♪

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