書き残し

明日から、俗にいう”社会人”になる。
3月31日の深夜、社会人デビュー前日にこの文章を書いている。(こんなものを書いている場合じゃない、寝ないといけない。)
というのも、ずっと卒業した実感がなかったのが、明日の入社式の準備を進めるにつれ、卒業の実感とともに寂しさに襲われたからである。

休学を含め、5年間大学生をしていた。浪人も経験しているから、高校卒業から6年超えて久々の”卒業”。でも、なんだか、ここまで寂しくて名残惜しいのは初めてかもしれない。

いろんなことがあった。しんどいことがたくさん、というより、長い時間続いた5年間だった。けれど、やっぱり楽しいことの方が多かったように思う。記憶を手繰り寄せるのは得意じゃないけど、いろんな人がくれたメッセージを手がかりに、いろんな楽しいことがあったことを思い出せた。居場所だと思えるところがちゃんとあった、気がする。
それが明日からは、ない。なくなるわけじゃなくても、当たり前のように居座れた場所は、僕にとって過去の思い出になって、僕は過去そこにいた人になったのだ。学校に行くことはできるけれど、授業を受けて、部活に行ってみたり、時たま帰り道に友人と話をする、なんてことはもう日常じゃない。
それがものすごく寂しくなった。

大学生活を通して、僕はなにを得たんだろう。入学前と比べて自分が変わった、というのは胸を張って言えるんだけど、じゃあ何が変わったのかよくわからない。
強いて言うなら「自分」の輪郭がはっきりしたなと思う。思ったより僕は自分の感情に鈍感だったし、思ったより頑固で諦めが悪かった。好きなこと、ものも思ってたよりいっぱいあった。それでもまだまだ分からないことは多いけれど。まあでも、ずっと僕は僕だ。

なにかしら残したくてこれを書いているが、特段なにもなかったな。
日付が変わり、今日から。新しい日常が始まる。
心配性な僕にしては珍しく、結構楽しみだったりする。

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