💾クリスマスツリーとサンタさんの話・おすすめ書籍の紹介・趣味人への道とベイルファイア（ハーミットイン近況2022年12月）

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評議会メンバーのみんな、元気にしてるかい？今月読み始めてくれた君の為に説明すると、この記事は毎月１回、ハーミットインが創業した4月19日にちなんで、毎月中旬に書いている近況報告記事だ。

ここでは、その時々にハーミットインで起こっていること、俺が最近考えたり、やっている事の話だったり、評議会メンバーには伝えたい深い話題とかを書いている。今までの近況は #ハーミットイン近況 のnoteハッシュタグ検索で全部見られるよ。

今月もこうしてハッピーに過ごし、スタッフに報酬を渡し、食い物や家賃の心配なく過ごし、将来の展開をポジティブに考えられているのは、カウンシルを定期購読し、商店で継続的に買い物をしてくれる君のおかげだ。どうもありがとう。

それじゃあ、今月の近況といこう！

クリスマスツリーはサンタさんを呼ぶ

もうすぐクリスマスだ。君の家にツリーはあるか？　クリスマスツリーをいつ出すか……それは、古代ギリシアの哲学者たちや平安時代の貴族たちも頭を悩ませた難題である。正月周りは何かと時節とからむが、商業上のクリスマスは20世紀中頃にはキャピタリズムによって変質しているため、アバウトで結構コケコッコーなものだ。

かつては10月にクリスマスツリーを出すあわてんぼうの店や家庭もあったが、最近はハロウィーンの後というのが一つの分水嶺となっている。ツリーを出すのは早くても11月、大方は12月初旬、出さないところは全然やらないというのが実情のようだ。

ツリーの存在は、サンタさんの来訪があるかどうかに密接な関わりを持つ。負け犬どもは「サンタさんなんていないんだよ。服が赤いのはヌカ＝コーラ社とのコラボで…」などと抜かすが、賢明なる読者諸兄におかれては、サンタクロースの実在に議論の余地がないことは周知の事実であろう。

実際去年も俺の枕元にはプレゼントが置いてあったし、中身は俺のすごい欲しかったものだった。俺がサンタさんに書いたエアメールは、コロナの流行や郵便会社のストライキにもめげずに、ちゃんと届いたということだ。サンタさんはいる。愛や友情と同じように、確かに存在するのである。

実際のところ、クリスマスツリーというのは特別にして格別なものであり、早く出せば出すほど、クリスマス・パワーのフル充電が早まり、結果、サンタクロースを出迎える上でのボルテージが高まる。

すてきなツリー

では俺の場合はどうか？　11月に入ったら早々にツリーを飾る。そんなわけで、すでに１ヶ月以上ツリーの明かりが灯っているのだ。

そういうわけで、もし君がまだツリーを出していないなら、早々に出しておいた方がよい。サンタさんへ手紙を出す時間もまだある。諦めるな兄弟。何？　なんだと？ツリーを持ってない？　すぐに買うといい。むしろ買え。買えないなら、ツリーの絵を描いて壁に貼るんだ。いいか。絵でもいいんだ。ツリーがあれば…サンタさんは来る！

実を言うと、俺はイギリスでの社会人一年目、金欠すぎてツリーが買えず、代わりに画用紙にツリーを描いて部屋に貼った。すると、サンタさんが来て、夜中、俺の枕元にプレゼントを置いて行ったのだ。中身は俺の大好きなビスケットと、ミニチュアであった。部屋を出るサンタの後姿は、当時ハウスシェアしていた同僚の英国貴族チャールズ・キャノンそのものであったが、それは俺が寝ぼけていたせいに違いない。ツリーを出せ。今すぐにだ。

我が旧友チャールズ・キャノン。彼は現在自分の会社を複数経営しているが、彼は毎年この時期になるとサンタクロースの一人となり、恵まれない子供たちにプレゼントを配る。モノホンの英国貴族はやることが違う。チャールズとの話も、いつかエッセイにしたいものだ。

ちなみに、サンタさんは世界中の子供たちに一晩でプレゼントを配るため、俺たち大人の分まで手が回らないことが少なくない。「備えあればうれしいな」…戦国大名タケダの言葉を思い出せ。大人になると、サンタさんの代わりにプレゼントを自分で手配するのは、礼節にかなう仕草である。

参考までに、とても良い店があるのでリンクを貼っておく。サンタさんにお願いするプレゼントはここで選ぼう。当然ながらこれは宣伝だ。

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おすすめ書籍：愛蔵版 英雄コナン全集

読書の時間をしっかり取ることは大切だ。それは娯楽となり、教養となり、インスピレーションともなる。今日は俺が最近読んでぜひ君にもオススメしたい（つまり、現在も書店で購入できる）本を２タイトル紹介しよう。

ハードカバーの重みさえ愛しい。まさに愛蔵版よ。

『愛蔵版 英雄コナン全集』は、現在第二巻まで出ていて、俺はもう10回以上読み返している。『ヒロイック・ファンタシー』の帯が懐かしい響き。第二巻の帯には『血湧き肉躍る』…俺が大好きでよく使うフレーズだが、思わずニッコリした。ハワードのコナンを読み、同じように感じる人がいるということは、嬉しい気持ちになるね。オールドスクールファンタジーは今なお現在進行形だ。

カウンシル記事『21世紀のオールドスクールファンタジー』でも書いたが、ハワードの著したコナン・シリーズは、今まで複数の出版社から何度か出版され、絶版を繰り返してきた作品である。絶版になるとがぜんオススメしづらくなるわけだけど、こうして改めて刊行されているのが嬉しい。

『英雄コナン全集』は全四巻の予定で、現在第一巻『風雲編』第二巻『征服編』が刊行されている。コナンは元々ウィアード・テイルズで発表された作品群が、その人気は後世のものとは比べられないくらいに奥ゆかしいものに止まった。ハワードの死後…1960年代にようやく評価され、70年代にはDCのコミックとなって人気を博し、80年代にはアーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画で文字通りのファンタジー金字塔となった。

生前のハワードは不遇の人であった。若くして自死している。だが、彼の死後、創造した世界がこうして注目され、後世の作家たちがハワードの模作や翻案を創り続けてきて、コナンはイモータルとなったのである。

そして今また、素晴らしい日本語訳でハワード執筆のコナンを読めるようになった。俺は本当に嬉しい。翻訳も素晴らしく、俺は文章を読むほどに目頭が熱くなる。カバーアートや挿絵、ハードカバー装丁もすごくいい。小説の他に資料編も充実していて、まさに愛蔵版の名にふさわしい。最高だ。

今、「おすすめのファンタジー小説はありますか」と聞かれたら、俺は『英雄コナン全集』と即答する。指輪物語やゲド戦記など、他にもいい作品がたくさんあるが、俺にとってコナンは別格だ。そして『英雄コナン全集』も、またいつ絶版になってしまうかもわからない。本もまた、一期一会なのである。

近所に書店で、なければ注文して取り寄せるか、通販で購入するとよい。たくさん売れれば、増刷されるかもしれない。

愛蔵版 英雄コナン全集（全四巻、現在第一巻と第二巻が発売中）
著：ロバート・E・ハワード
訳：宇野利泰　中村融
装画と挿絵：寺田克也
出版社：新紀元社
第一巻ISBN：978-4-7753-1884-3
第二巻ISBN：978-4-7753-1885-0

注）ISBNとは「国際標準図書番号」のこと。取り寄せの時にあると便利な時があるよ。

おすすめ書籍：自分だけのボードゲームを作ろう

『自分だけのボードゲームを作ろう』これは今日手に取ったばかりの新刊で、すでに一気読みした（本を買うと俺はいつもそうだ）。理工学関係の出版社がいきなり出したこの本は、お世辞抜きでとても良かった。

ハウツーものは当たり外れがあるが、こいつは大当たりだ。満塁ホームランである。

俺がこの書物を手にした理由は二つある。俺自身がこうしたハウツーをミニチュアホビーの世界で手がけているため、ぜひ参考にしたいと思ったこと。そして、俺自身が、ボードゲームのメカニズムや自作法をもっと知りたいと思ったからである。

この本はすごく良かった。ボードゲームというものに必要な要素をしっかり紹介し、様々なメカニクスをどう組み合わせ、創作し、操作し、ボードゲームとして成立させるかを、年少の読者（とはいえ中学生以上が対象に思える）にもわかるよう、非常によくまとめられている。

全編カラーで、レイアウトも読みやすく、かわいらしい挿絵がたくさんあって絵本を読んでいるように楽しい。とはいえ内容は幼稚でもなんでもなく、実に本格的で勉強になるものだ。甘く優しいスキンをかぶせた本気の指南書である。

この本を読んで、俺はボードゲームを形作るものに対しての解像度が上がった気分になったし、実際色々と創ってみたくなっている。

いずれにせよ、俺が創りたくなったということは、この本は、ハウツーとしてめちゃくちゃ良い本だということだ。ただ読者の知識欲を満たすのではなく、読者を創作に向かわせる点が実に優れている。ここもすごい勉強になった。おおいに参考にしたい。

著者のジェシ・T・ダニエルズはゲーム作家であり、訳を手がけた金井哲夫氏という人物も、ボードゲームに深い造詣のある人物のようだ。文章は読みやすく平易で明確そのもの。その上、飽きのこない素晴らしいテンポになっている。簡単なことをさも難しく伝えるのはアホでもできるが、難しいことを簡単に伝えるのは、深い理解をしていないとできないわざだ。

この本が英語だけでなく、こうして素晴らしい翻訳がなされ、国内で出版されたことは素晴らしいことだ。この本をきっかけに、ボードゲームクリエイターを志す人、あるいはさらに腕を磨くボードゲームクリエイターが現れるに違いない。

無論、それが若人である必要はない。年齢は関係ない。俺の尊敬する人物の一人、水木しげる先生が突然人気作家になったのは、40を過ぎた後のことだ。人生に遅すぎるということはないのである。老いとは、体の状態ではなく心境からくるものだ。もしかすると10年後、押しも押されぬボードゲームクリエイターになっているのは君かもしれないぜ。

自分だけのボードゲームを作ろう
著：Jesse Terrance Danels
訳：金井哲夫
装画と挿絵：E.M.Engel Illustration 他
出版社：オライリー・ジャパン（発売はオーム社）　
ISBN:978-4-8144-0016-4

注）ISBNとは「国際標準図書番号」のこと。取り寄せの時にあると便利な時があるよ。

趣味人への道がリニューアル

先日の8310ラジオでも、シーンを育て広げてゆく上で、新たに参画してくれる初心の友がいかに大切かを言及した。オールドスクールファンタジーミニチュアシーンも同じだ。今後俺たちは色々な形でビギナー向けのサポート強化を考えているが、最初の一歩として、入門記事である『趣味人への道』を全面的に更改した。

次の課題は、この記事を一人でも多くの人に読んでもらい、興味を持ってもらうことである。なので、ツイッターで言及したり、俺や商店のツイートをリツイートするなどして、ぜひとも友達やフォロワーに教えてあげてくれ。

『趣味人への道』はもとより、既存のコンテンツについても、折をみては改善を続けていくし、新規のビギナー向けエントリーも多数企画中だ。意見・感想・フィードバックがあればぜひ評議会メンバー専用ホットラインまで送ってくれ。参考にさせてもらうよ！

ベイルファイア締切近し

第6回ベイルファイアのエントリー締切は今月末の大晦日だ。すでに今年分のエントリーを済ませた人もいれば、作品の追い込みをしている人もいるし、今まさにようやく始める人もいることだろう。

今からでも十分間に合う。それぞれが本気を傾けた作品を持ち寄り、一緒に焚き火を囲もう！

さて、今月の近況はこんなところだ。今年ももうすぐ終わりだね。悔いのない年末にしよう。みんなも、良いクリスマスを！