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新製品情報&アイテムレビュー(新たなる冒険者たち)

やあ! 評議会メンバーのみんな元気にしてる? 今日俺が君に紹介するのは、リーパー・ミニチュア(米)からやってきた新たな冒険者たちだ。

ハーミットイン商店の『冒険者』レンジには、世界各地のメーカーから提供される珠玉のミニチュアたちが揃っているけど、この膨大なレンジの“穴”をさらに埋めたいと思い、俺は今回のリリースを用意した。

すでに無数の冒険者が商店にいるけれど、選択肢が増えることはいいことだと俺は思っている。装備や種族はもちろんだけど、佇まいって大切だよね。君の分身となってあまたの困難に立ち向かい、命運を共にする冒険者たちとなればなおさらだ!

今回紹介するミニチュアたちで新たな冒険者パーティーを組むもよし、あるいは既存のパーティーに新顔として迎えてもよし。コレクションやペイントはもちろん、デスグロのゲームでも、彼らを活躍させてやれるはずだ。

リリースは明日の夜9時。いまだ国際物流は混乱を極めており、売り切れた場合、再入荷の時期は全くわからん。ミニチュア一期一会さ。

ボビー・ジャクソンとワーナー・クロック

リーパー・ミニチュアで今やエースとなったデザイナー、ボビー・ジャクソン。今日紹介する冒険者のほとんどは、彼の手によるものだ。ボビーはもともとグリーンスタッフでの造形で腕をあげたけれど、デジタル・スカラプティングに転向。乗り換え直後の造形には後退感が否めなかったけど、ここ数年は、パテ造形のノウハウを活かした“ファンタジーミニチュア”の文脈を、デジタル・スカラプティングでも余すところなく見せてくれている。

ボビー・ジャクソンのデジタル造形が持つ特徴の一つに、独特の肉感的な造形ラインがある。“肉感的”とは、単純に丸いとかなめらかと言うことではない。そこには温度があり、層があり、重さがあり、密度がある。それは、上っ面のデータ処理ではなく、骨格の部分から練りに練り上げた造形解釈の蓄積がもたらした説得力に他ならない。つまり、彼が長年パテ造形で得た知見を、文字通りそのままデジタルの世界で活かし切れていると言うことだ。

パテからデジタルに移行したデザイナーはかなりいるけど、結果として腕を落とした連中は少なくない。その中でもボビーは、デジタル造形に転向してからも腕をあげ続けている、数少ないデザイナーの一人だ。

一方のワーナー・クロックは、80年代後期から90年代初頭まで、西独ホビープロダクツで名をあげたレジェンド・デザイナーの一人。リーパー・ミニチュアが設立まもない92年からリーパーにミニチュア原型を提供し始めた。彼のライフワークとなったフリーブーターズ・ミニチュア(独)の設立後、ワーナーはあまりリーパーに原型を提供することはなくなったけど、彼の手がけたミニチュアは今でも沢山レンジに残っている(その中でも選りすぐりのミニチュアが商店に揃っている)。今回紹介する女吟遊詩人もその一つさ。

それじゃあ、一つ一つのアイテムを詳しくレビューしていこう!

メイスと盾と持つ女聖職者

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「メイスと盾を持つ女聖職者」は、ボビー・ジャクソン節が炸裂する傑作ミニチュア。取り回しの良さそうなメイスに大きな丸盾、着込んだローブの上にはプレートメイル。ずんぐりしたシルエットだけど、その顔や腕はほっそりとしており、布の膨らみ方や体各部の造形を見れば、彼女が大きな体をしているのではなく、かなりの重装備をしているからだとわかる。フードとローブの下には、おそらくチェインメイルをしっかり着込んでいることだろう。

すっきりした目鼻立ち、腰のベルトや革カバンの作り込み、エッジの立った鎧、細かな飾りがシャープに決まった盾、柔らかさの演出が効いた布ドレープなど、スキのない造形がこれでもかと詰まっている。物静かな中に揺るがぬ決意を感じさせるポージングも素晴らしい。これは、リーパーが現在力を入れている“オールドスクールファンタジーミニチュアを今の技術で”を標榜する「Dungeon Dwellers」のレンジから。同社のDark Heaven LegendsやWarlordと同じく、固有のゲームをサポートするレンジではない(Warlordは昔ゲームだったけどね!)。他レンジとの違いは、全体的に少し大柄なこと、レンジ内のアイテムがいずれもベースに差し込むタイプになっていることだ。

ハーミットイン商店では、25mm丸ベースを1つつけるよ。作例のカマボコ型のは別売。

とんがり帽子の魔術師

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背中から風を受けているのか、あるいは振り上げた杖から迸る魔力がそうさせているのか。「とんがり帽子の魔術師」は、大胆にして繊細な布の動きが特徴的なミニチュアだ。とんがり帽子に長い白髭、長いローブは、まさに魔法使いの代名詞。『指輪物語』および『ホビットの冒険』に登場し、ファンタジー作品における魔法使い像を決定付けたガンダルフを想起させる。

こちらもスキがない造形で、重箱の隅をつつきようがない!特に俺が好きなのはミニチュアの表情。ただ叫んでいるのではなく、いかにも魔力を解放させた瞬間とわかる緊迫感がいい。髭がふわりと捲れ上がっているさまは圧巻だ。また、長身で知られたガンダルフをイメージソースとしているためか、かなりの背が高いミニチュアだ(とんがり帽子がなくてもね)。強い魔力によって、本来よりも大きく見えていると言う演出かもしれない(多分違う)。

一体型メタルベースの一発抜きミニチュアだ。作例のようにベースに載せるなら、ベースを切り飛ばす必要があるね。なお、四角ベースの別売はしていないので、今回紹介するエルフの野伏やドワーフの聖騎士などについてくる四角ベースを流用するといい。

ハーフオークの女魔術師

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ハーフオーク。不幸な生い立ちを持ち、人間社会のつまはじきにされる彼らの全てが、野盗やごろつき、あるいは口にするのも憚られる稼業に手を染めるとは限らない。中には、人間の貴族でさえ学べぬような知識に触れ、類まれなる魔術の才を花開かせる者もいるのだ。今回紹介するハーフオークの女魔術師もその一人。オークは確かに優れた戦士であり、膂力に優れてはいるが、それは彼らが愚かであることを意味しない。部族の呪術師が、エルフですら原理を解せぬ魔法を使うことを、君も聞いたことがあるだろう。

魔法を操る素養をどちらの親から受け継いだかはわからぬし、そもそも先天的な素養であるかもわからない。だが、ハーフオークの中にも、強大な魔術師は存在するし、その中には、果てしない探究の旅に出る者もいるのだ。

この女魔術師は、下顎から伸びる二本の牙と張り出た眉骨にオークの血が見えるが、その体つきは、人間に限りなく近いようだ。手にした壺には、いかなる秘薬が収められているのだろう? ドレスめいたローブを着込み、各部には高級そうな装身具。薄手の上品なマントをはためかせているが、腰にはカバンと短剣が。腕には籠手も巻いていて、まさに旅姿の裕福な魔術師といった風情だね。こちらもベース一体型の一発抜き。

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