💾 ラルパーサ・ヨーロッパに話を聞いてみた

評議会メンバーのみんな、元気にしてるかい？　今日カウンシル読者諸兄に用意したのは、以前話していたメーカーの詳細な話とインタビュー第一弾。一番早くレスポンスをくれたのはラルパーサ・ヨーロッパのオーナー、ポール・レイドだ。昔ながらのファンは「ラルパーサ」って名前を聞いたことがあるかもしれない。80年代末から90年代の始めごろ、ホビージャパンが日本総輸入元で展開して、全国で買えたからね。あとは、当時D&DとAD&Dを展開していた新和が、同じくラルパーサのAD&Dミニチュアシリーズを輸入していた。

今年、俺たちがラルパーサ・ヨーロッパと全面提携し、日本総輸入元になれたのは、ハーミットインとしてはもちろんだけど、俺個人としても大きな収穫だったよ。ラルパーサは、シタデル同様、俺を熱くたぎらせてくれたメーカーだからさ。

ラルパーサは元々、「ラルパーサ・エンタープライズ」と言う名のアメリカ企業だ。80年代初期、ラルパーサとシタデルは大の仲良し。お互いのミニチュアを共有して、アメリカとイギリスで販売していた頃もあるくらいだ。80年代も後半になると、ラルパーサとシタデルの間柄もフンジャカして、冷め切っちゃうんだけどね。

そうそう、ハーミットインで購入できるラルパーサ ミニチュアの一つ、ゾンビドラゴンがこの「ラルパーサ＆シタデル ミニチュア」の好例だ。当時アメリカではラルパーサの「アンデッド・ドラゴン」として、イギリスではシタデルミニチュアの「ゾンビ・ドラゴン」として販売されていたんだよ。この素晴らしいミニチュアのデザイナーはトム・メイヤー。ラルパーサ創立メンバーの一人で、今はダークソード・ミニチュアを中心に、フリーランスでたまに作っている重鎮の一人だ。

せっかくだから、ゾンビ・ドラゴンを見せよう。その方が話が早いもんね。

左がシタデル版パッケージ。右がラルパーサ版パッケージ。中身は同じ。ラルパーサ版のパッケージ写真はScorpion King氏にご提供いただいた。

ハーミットインで購入できるゾンビ・ドラゴン。

ラルパーサ・ヨーロッパの製品はどれもそうだけど、たとえ発売が古いものでも、マスターモールド（原型を直に埋めて作られる「プロトタイプのゴム型））を元に、型が疲れてくるたびにプロダクションモールド（生産用のゴム型）を新造して生産してる。原型の超クリスプなディティールを新規ゴム型で蘇らせ、（ちょっと変な表現だけど）新鮮なメタルで抜き直しているのだ。つまり、ミニチュア自体は歴史のあるものでも、型の過剰損耗や素材の経年劣化を起こしていない、現役バリバリってわけ。当時の写真と比べてくれたらわかるけど、背中のトゲとかウロコの抜きは、当時以上の精度とクオリティだ。

おっと、今日はメーカーの話だね。ラルパーサはその後も頑張るんだけど、ウォーハンマーとウォーハンマー40,000をおしたて、世界展開での一強体制を作り上げたゲームズワークショップの前では市場でのプレゼンスを発揮できなくなり……90年代の終わり頃、ラルパーサも色々あって、FASAというゲームメーカーの傘下に入る。けど、2000年にはFASAがWizkidsに買収され、ラルパーサは事実上、消滅してしまったんだ。

20XX年、ラルパーサ・エンタープライズはその歴史をついに閉じた。海は枯れ、地は焼け、あらゆるラルパーサが絶滅したかに見えた。だが………ラルパーサ・スタッフは死滅していなかった！