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花の香りと焚き火の煙

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ようこそ。『ハーミットインの書斎から』は、ホビーシーンを見つめ続ける中で得た気づきや洞察、あるいは俺個人の意見や考えを、評議会メンバーのみんなとシェアする記事シリーズだ。



イントロダクション

毎年春に開催されるペイントまつり。毎年秋から冬にかけて開催されるベイルファイアは、どちらもハーミットインが主催するミニチュアペイントのイベントだ。いわば両極端とも言える二つのペイントコンテストが、どのような考えで企画され、どんなビジョンで運営されているのか。シーンの未来について、俺はどんな夢を描いているのか。

今日はその辺りを、あらためて語ろうと思う。


ペイントまつりとベイルファイア

2020年の春に初回が開催され、例年イベントとなっている『ハーミットイン 春のペイントまつり』。ファンタジーミニチュアならば、サイズもメーカーもブランドも関係なく、イベント用タグをつけることで、誰でも参加できるカジュアルなツイッター上でのイベントだ。審査があり、賞品も存在するが、それよりも「ミニチュアペイントを楽しんでいることをポジティブに発信する」ことに重きを置いている。だからこそ、参加するだけで「一等賞」が贈られるのだ。


ハーミットイン主催のイベントにはもう一つある。『ベイルファイア』は、参加者たちが塗り込みに塗り込んだ本気のオールドスクールファンタジーミニチュアがnoteに集う作品展だ。ハーミットインが創業した2017年以来毎年開催され、当然今年も開催が予定されている。

参加資格はメンバーシップ参加者、あるいはハーミット・カウンシル定期購読者であることだ。優勝であるところの「トーチベアラー」、入賞であるところの「トーチガード」および「トーチビルダー」は、毎年それぞれ一人が授与される称号で、記念の名前入りマグカップが贈られる。


ミニチュアホビーは山だ

ミニチュアホビーは山に似ている、と俺は思っている。“ハマる”ということで、ホビーを沼に例える人は多いが、俺はこのホビーが暗い澱みの中にあるものだと全く思えない。爽やかな風が吹く中、見上げるとどこまでも広がる高い空。そして、地平線の彼方まで連なる、雄大にして遥かなる山並み……そう、「山」こそ、俺が愛するこのホビーの形容にふさわしい。

このホビーには、趣味人の数だけそびえる山があり、またその山をいかにして楽しむかも、一人一人の趣味人に委ねられているからだ。同じ沼に入り込んでいるわけじゃない。同じ山でシノギを削って競争するわけでもない。自由なんだ。

そしてこの自由さを未来のシーンにつなげていくことが、俺はすごく大事だと思っている。


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