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新製品情報:森の暗がりに徘徊せる怪異

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やあ! 評議会メンバーのみんな、元気にしているかい? 今日俺が君に紹介するのは、壁や柵の向こう側…荒れ果てた曠野や深い森の内奥に住まうモンスターや敵対的な連中だ。こうしたモンスターたちが言い伝えや民話の中ではなく実在するというのは、現実世界とファンタジー世界の大きな相違点の一つと言えるだろう(いや、電気とネットにまみれた俺たちの目が曇っているだけで、もしかしたら彼らは今でも暗がりの奥にいるのかもしれない)。

今回紹介するのは、ポール・マラー、サンドラ・ギャリティ、マシュー・ビクリーらの手がけたミニチュアたち。メーカーはアザーワールドとリーパーだ。

今回は珍しいモンスターも多いので、ミニチュアのレビューに加え、ハルクウーべンにおける彼らの背景も例として紹介するよ。繰り返すが、ここで俺が紹介する物語はあくまでも例だ。君がこれらのミニチュアを製作する時は、君が好きなように背景を考えていいし、名前を変えたっていいんだぜ。君のミニチュア、君のホビー、君のファンタジー世界だ!

それじゃあ早速レビュー行ってみよう!



ほうきを持つ魔女

デザイナー:ポール・マラー
メーカー:アザーワールド・ミニチュア
25mm丸ベースx1付

魔女は人里からあまり離れていない場所で暮らし、用事があるときにだけ、近くの町や村へ出掛けてゆく。彼女らの全てが悪人でこそないが、体制や現代宗教と距離を置いているゆえ、多くの人々からは胡散臭い連中と思われている存在だ。魔女は古い知識に通じており、薬草の調合や生活医術に詳しく、薬効のある食べ物を作ることもできる。ドルイドとの共通点も多いが、魔女の多くは定住しており、ドルイドのような放浪はほとんどしない。

実際、若い男女をかどわかしたり、夫や妻に不貞を勧めたり、乙女を堕落させたり、子供をさらったりした事例が報告されているが、それと同じくらい、病人を癒したり、若人の相談に乗ったり、占いをしたり、まじないをかけて幸運をもたらした逸話もあるのが魔女たちだ。昔ながらの医術や老婆の智慧にすがりたい者は後をたたず、町外れに暮らす魔女の家を尋ねる者さえいる。

君の冒険者の端くれならば、魔女の助けを得たことがあるだろう。土地の事情に通じる魔女のおかげで命拾いした冒険者はごまんといる。そして同時に、恐るべき敵として魔女と相対したこともあろう。禁忌の儀式に手を染め、人々に危害をなそうとする魔女も確かに存在するのだ。

魔女は必ずしも親切な隠居婆ではなく、おしなべて邪教の徒であるとも限らない。魔女は、文明人が賢ぶってやる単純な敵味方の区別を、自身の存在そのものからして頑なに否定するのである。

ポール・マラーが、最大公約数的イメージにドンピシャの魔女を造形。大きなつば付きの三角帽、腰は曲がり、鷲鼻としゃくれた下顎、垂れた乳房にボロボロのローブとマント。腰縄には小さな薬瓶に薬草の束を挟んでおり、これでもかというぐらいアイコニックなデザインだ。毎日鏡と話をするかなりヤバいメンタルの女王が、7人のドワーフと暮らす姫を毒リンゴで殺したい時などには、ぜひ選びたいコーディネートだね。

左手には手鎌を持っており、同じく儀式に手鎌を用いるドルイドとの共通点を仄めかす心憎さも最高。薬草を刈り取るために使う鎌だろうけど、彼女のほうき共々、何か秘密の力が宿っているに違いない! 

本体とほうきを持つ右手からなる2分割メタルミニチュア。ベース上面にいるカエルは別売(「森のどうぶつセット」に付属)なので注意してくれ。商店で別売されている「深淵の使い魔セット」や「お守り動物セット」から、手頃な使い魔を選んでやってもいいね。どんな姿の使い魔を連れているかで、その魔女の性格や気質が推察できるとも言える。

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