未製作でも宝物
ミニチュアペイントは楽しいものだし、俺は大好きだ。完成した作品を眺めるのは感無量だし、完成品を飾るキャビネットは最高だし、ゲームに使う楽しみもある。それに、ペイントは手を動かすほどに上達するものだ。だけど、ミニチュアはコレクション自体もホビーだから、欲しいものをどんどん購入しているうちに、未製作のミニチュアも出てくる。しかも、その数は半端じゃない。
目録による記録と整理整頓をしているとはいえ、所有者である俺自身、見るたびに「まあよく集めたもんだ」と我ながらカンシンする。そしてこれらの未製作コレクションは、完成品と同じく、俺にとって誇りだ。だから埃など被らせない。棚もタンスも定期的に掃除をするし、定期的に「コレクションを愛でる」時間を作る。しまいっぱなしにはしない。愛しているからだ。
俺の持っているミニチュアはすでに数万体を超えている。存命中に全てを製作することはもはやできない。だが、なんの心配もない。そもそも全部製作するつもりがないからだ。オークションなどで売り払う事も考えていない。古いミニチュアの中には、世界的にすごい高値で取引されているものも多いけど、俺は投機のためにミニチュアを集めてなどいない。
作るのは大好きだ。でも、未製作のミニチュアも、俺には等しく価値がある。なぜか? 俺が持っているものは、俺が欲しくて買ったものであり、持っているだけで、俺には支払った対価以上の価値があるからだ。
俺たちはもっと「所有する」喜びに素直になっていいんじゃないかな。
ここから先は
寄せられたサポートは、ブルボンのお菓子やFUJIYAケーキ、あるいはコーヒー豆の購入に使用され、記事の品質向上に劇的な効果をもたらしています。また、大きな金額のサポートは、ハーミットイン全体の事業運営や新企画への投資に活かされています。