見出し画像

Room-1022

イベントのお知らせです。


夢が一つ叶いました。

電子楽器に絵を描くことです。
今のような絵を描く前から電子楽器を触るのが好きで、いつかは関わりたいぞとずっと思い続けておりましたので、感慨ひとしおです。

少し前のことですが、アメリカのガレージブランド「NUNOMO」のシンセサイザー "QUN MK2"のカスタムパネルデザインです。
ガレージブランドとは、小規模にこだわりの強い製品を開発しているところです。大手では作らないようなニッチなものばかりです。

NUNOMO QUN MK2

写真が上手すぎる。
小さい筐体に機能ぎっしりの様子から、小さな種から色んな植物が芽吹くイメージで絵を描きました。

夢が叶って浮かれていたので、取り止めのない話なんかもして、NUNOMOさんが渡米以前住んでいた場所と、僕が以前住んでいた場所が近かったこともあって、共通の話題で盛り上がったりもしました。
NUNOMOさんは日本語がお上手で、恐らく日本出身の方だと思うんですが、詳細は聞いておりません。パーソナルに立ち入りすぎないのがネットマナーだと思いますので。

※本名職業住所などほとんど知らない、偽名(ハンドルネーム?)で呼び合う友人ばかりで、家族には「少しは聞くのが礼儀」と注意され、なんとか自然に、失礼にならない範囲で聞いてみる工夫をしています。


それにしても写真が上手い。

ガレージブランドはニッチな、尖りすぎたこだわりに魅力がありますが、その分伝わりづらい部分もあるかもしれません。
そんな中、これだけ写真が魅力的だと商品も目を引いて良いですね。
聞いてみると「昔カメラにハマっていた時期があり、変わったところではスキャナをカメラに改造したりもしていた。」とのこと。
ニッチ。

スキャナカメラはスキャナをデジカメとして使えるように改造したもので、超高画素で撮れるかわりに、扱いが難しくて重いやつです。

このあたりで少し気になることが出てきたので、聞いてみるかどうか少し悩んだんですが、僕はNUNOMOさんがプログラマーであるという推測を立てていたので、思い切ってきてみることにしたのです。


変わった人皆プログラマー説

僕は人生の節目節目でプログラマーにお世話になってきまして、多くのプログラマーは突拍子もないことを急に言っても、割りと素直に受け止めて聞いてくれることを知っていました。
偏見も多分に含みますが、プログラマーは変わり者が多くて急に変わったこと言うこともありますが慣れたら面白いし、妙なことしてる人が多くて楽しいです。
そして聞いては無いですがおそらくNUNOMOさんもプログラマー職経験者であろうと、僕の勘が告げていました。


「Room-1022の常連でしたか?」

とメッセージを送りました。
NUNOMOさんは「声が出るほど驚いた」と言っていた割りに、律儀に前後の話題にも普通に答えていて面白かったです。

Room-1022とは東京・吉祥寺にあった小さなカフェです。
どこか浮世離れしていて不思議な雰囲気ながら落ち着くところでした。
10年ほど前に閉店してしまい、それ以来ずっと懐かしく思い出し心の中で大きな部分を占めていました。

通いはじめた当時は大学を出て不安もたくさん、仕事でも思うほど上手くふるまえず、学生時代にはあった根拠のない自身が日々削られていく日々でした。
この特別なカフェで過ごす時間が、自尊心を保つのに大分助けてくれていたように思います。

若者の益体もない話を面白がって聞いてくれたオーナーは、忙しくて絵を描かなくなっていたその頃の僕を励ましてくれました。
本当に色々な話をした中で「スキャナでカメラを作っている面白い若者がいる。あなたと話が合うかもね。」と、いつもの調子で教えてくれたのが妙に印象に残っていて、いつか僕も人に話せるほどの個性を得たいと目標にしたものです。


叶わぬ夢

ではありますが、いつかRoom-1022に戻りたいと思いながら歳をとってきました。
現在そのカフェのオーナーは山口県で別のギャラリー兼カフェの運営をされていますし、NUNOMOさんはカリフォルニア(恐らく)、僕は都内ですが、また近々引越しの予定があります。
当時はドット絵も描いていない頃で、お互い状況がかなり変わり、それぞれ遠くまできたものだなとめまいがするようです。

しかし、思わぬ形でRoom-1022に帰ることができたような懐かしさを感じた出来事でした。久しぶりに若い頃のような浮かれた気分でいます。


浮かれたまま作ったTシャツ

が、今度のイベントで販売するやつです。
かろうじて日付は入っていますが、イベントタイトルもその他関係しそうな事柄も入っていません。

Tシャツ(濃紺ver.)
バラバラな色味が浮かれ具合を表している

絵の、上の部分がQUN MK2で描いたもの、下の部分がRoom-1022の外観です。

QUN MK2 + Room-1022

この歳で初めて懐かしさや郷愁という感情に触れた気がします。
※僕のような東京郊外のニュータウン出身者はみな、それらを感じることができずに育っています。

すでに失われてしまった場所ですが、あれは確かに僕らの青春時代であったなと今後も思い出すことになるでしょう。


イベントのお知らせです。

日時:2023年6月24日(土)16:00~20:00
場所:笹塚パイントロジー
  〒151-0073 東京都渋谷区笹塚1丁目33−10 香樹ハイツ 101
入場無料・飲食各自お店でお支払い

NUNOMOさんが「日本に来たら実際に見てみたい人」をお呼びして、音楽を聴いたり電子楽器を触ったりする会です。
Room-1022のオーナーさんも来てくれるそうで、勝手にソワソワしています。

僕は過去作のカセットテープと、新たに作ったテープループを持っていきます。あとTシャツも。
カセットテープを分解してループ状にして、同じ音が永遠に再生されるようにしたものなんですが、多くの人が「テープループ」と言います。「ループテープ」じゃないんでしょうか。不思議。
テープループをその場で録音して持って帰れるサービスやったら楽しいですか?楽しそうでしたらやれるように用意します。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?