2023/09講話
どこまで遠くに行ったつもりでも、どこにも辿り着いていない、ということがあります。
どこにも行っていない、進んでいない、辿り着いていないと思っていても、いつしか、知らず知らずのうちに別な景色を見ていることもあるのです。
傷ついたつもりだったのに、何一つ、傷ついていないということも。
嬉しくて、喜んでいたつもりだったのに、何一つ、喜びがなかったということも。
広大な海の、ほんのわずかな表面で波が立ち、それがいくら荒れて大変なように思えても、海は海のまま。
深海は静寂の境地にゆったりと安らいでいます。
海は海のまま。
海には、どのような影響もないのです。
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