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許しと約束と味噌汁の話


ご飯を食べないと胸が落ちる。
ご飯を食べないと気が立つ。
ご飯を食べないと気も落ちる。

肌寒い時期に染みるもの、味噌汁。
あさりがふたつ、しじみがふたつ、わかめが二十個ちかく近く入っている、小分けにされた味噌!
一度買った時はあさりとしじみが宝物に見えた。二度目に買った今はわかめのありがたみがわかる。職場や深夜のコンロ台で啜る味噌汁には、わかめがいい。
最近覚えたこと。
寒い時、悲しい時、寂しい時は味噌汁を飲むといい。

本を読んで、ずっと愛憎を込めて握りしめていた小石がマシュマロになる経験をした、やっとした、25歳にもなって、ぬいぐるみが大好き。

一年かけて読んでいる本はもう本じゃなくなって、ミルフィーユになった。どこにどんな味があるかわかっているけど、それでも一枚一枚美味しくめくって味わって、染み渡る遠い時代を生きた声。霜焼けばかりで赤く腫れた身体を、彼女の熱が癒してくれる。

許しと約束だけが、人の不確かさを包み込む綿になる。
あの時のこと、忘れてしまえることが人が持つ最大の美しさだと知った!今が秋でよかった。

私は李徴にはなりたくない。
虎の牙、Rを出して、
虎の爪にも、Rを出して、
世界を信頼するだけでやさしく強くなれる。

染み込む温かさを知った!
今日はちょっとうれしい。

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