アンテプレイ記④ 4周目とその他

③はこちら

今回もプレイ中に手元に書いてたメモのまとめです。今年3月ごろに書いて投稿してなかった。

ネタバレあります。

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今回は「4周目(N→P→G→P)をサクッとやった時の記録」と、「一通り終わらせてみた上での雑記」回です。最終回。


<Pルート2回目>

・G後にPをやるとエンディングが変わるという情報を得て、やってみる。まあ、あんま良いようにはならんだろうね……

・2周目にPをやったけど、1周目のNが不殺だったから途中分岐から始めてしまい、3周目はGだった。なので同じゲーム4周もやってはいるが、「最初から平和にやる」のは2回目だ。色々ネタを知った状態で前半シーンを読むのは楽しみ

・とはいえ、Steam版を買ってからはまだG1周したのみで、Nを一度もやってないので直接Pは行けない。不殺Nをやって直前ロードからPをやることになる。


P2 いせき・ホーム

・「ヒヤリハットっていうんダ……」の原文は"i call it dapper blook"らしい。ハットをかぶって伊達男、な駄洒落。これは翻訳ムズすぎるわ〜

・非公式日本語化の時は「おしゃれblook、って芸なんです」。駄洒落は放棄してるけど、絵柄に合った直訳。どっちにしろむずい。

・ホームとニューホームを比べる。ホームの黄色い花(と思われるもの)はほぼ枯れていて、トリエルの部屋にだけひと鉢残ってる。

【きんいろの はな が出てくる場面】
1. 最初に落ちてきた花 = アズリエルがお世話をしている
2. フラウィ = トリエルの去った城の中庭に一輪だけ咲いた花 = アルフィーがタマシイの移植実験に使ったうつわ
3. ホーム内のトリエルの部屋にだけ残ってる鉢 
4. ニューホームの中のあちこちにある鉢
5. 城の中庭一面でアズゴアがお世話をしている

【バリア以外の地上脱出口】
・イビト山の穴は、ニンゲンが単身降ってこれるんだからバリアが無いのだろう、その穴特定して飛んで脱出できないのかな。

・ジェットパックの技術はあるし。はなのクッションでニンゲンが死なない程度……せいぜい深くて30〜50mとかの穴じゃないか(窪塚洋介飛び降り生還事件を思い出しながら)。なんとかなるのでは

・ゴミ捨て場に繋がる水流をたどるとかも、閉じ込められてから数千年あったならやってて良さそうなもんだ

(後から追記)これ違うかもな。バリアは「封印の中に入ることは容易い。しかし 外へ出ることができるのは〜」だから、イビト山の穴もゴミ水流も、どこかでバリアの結界によって区切られてる可能性はある。

・うーん、ここは考えがまとまらないな。ニューホーム周辺がどうくつの最も浅い位置なのは間違いないだろうし……それ以外の"出入り口"の管理をモンスターたちが考えていないのはやっぱ不自然だ



P2 スノーフル

・パピルスは友達作りたがってるが、あんないいヤツならなんもしなくても友達いっぱいだと思っちゃう。スノーフルに来て日が浅いのか、あの上っ面のエラソーさでヒかれちゃってんのか。

・グライドに殺られた 不死攻略したかった

【モンスター世界の規模感:人口と学校】
・モンスターの食べ物の話は、「回復アイテム食ったら速攻回復する」ゲームあるあるに整合性付ける話か。食う側の問題じゃなくて食う物の問題なのね。「自宅や飯屋にトイレがない」への言い訳ともとれる。

・人間社会的な街のシステムが成立するには敷地も生き物も少なすぎる。郵便や建設、製造業、コアを作るための部品、インターネットの存在……魔法があるとか、主人公が歩いていけない範囲にもっと街の広がりや人口があるとか、諸々想像しても規模が足りてないと思う。さすがにゲーム的デフォルメを感じる。実はもっと世界が広がってるにしろその奥行の描写は省略されているよな

・いや……学校にアズゴアが来るみたいな話あるんだから、学校組織が成立するくらいには子供の人数もいるのか。寺子屋ぐらいの規模感だったとしても。

・メタトンがマジでちゃんと人気者っぽいのに視聴者数10人とかなのも謎(視聴率は最低3001という謎の数字にしてるのに)。電化製品使ってる人口がそのくらいってだけなのか、この辺の世界の規模感がいまいちつかめないんだよなあ

・アンテ公式サイト掲載のめざまし時計用台詞に「ホットランドだいがく」への言及があった。大学とかあるレベルの人口なのは確かになった。

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【パピルスを見下さない】
・パピルスのデートで最後フラれるのはジョーク展開ではあるんだけど、あそこで「ハア?一人で盛り上がっといてなにフッとんじゃい!」と思う一方で、あの時点ならこっちからもデートに乗り気な選択肢を選んでるはずなんだよね。告ってすらいるかも。

・なのに上から目線で「つき合ってあげてた」気持ちになっちゃった時の自分の心の汚さにハッとしたな。こっちから半分もてあそんでおいて、もてあそばれたら怒るのは一貫していない。なにしろパピルスはイイ奴なのだから。

・とは言え、極端な2択しか取りえない時に、どちらかを選んだら自分の責任!ってのもちょっと苦しい

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【魔法はモンスターの専売特許ではない】
・「ニンゲンは魔法で気持ちを表現することを知らない」という話で、「魔法はモンスターの専売特許」っぽい印象を抱くが、ニンゲンがモンスターを封じ込めたバリアは魔法なんだよな。少なくとも戦争時点でニンゲン(の一部?)は魔法を使えた。

・「ニンゲンは魔法を平和的目的で使わない」って話かもしれないし、「かつては使えたけどここ数百年とかのニンゲンは使えない」って話かもね。後者の場合情報ソースは流れ着くゴミだけだろう。

・そう思うと、ゴミの分析研究ってかなり得るものが多い、ばかにできない。大学にそういう専門があってもいいくらいだよな。地上の近代科学情報はかなり大事。ある程度の基礎研究は魔法でスキップできそうだし。アルフィーがずっといるのも結果的に正しそう。

・流れ着くゴミを全管理する専門施設建てていいレベルだよな。ギャルにスカベンジャーさせてる場合じゃないぜ。


P2 ウォーターフェル

・グリルビーってちゃんと脚あるんだね

・「サンズはアルフィーと共に研究をしている」考察があるけど、グリルビーズ連行イベントでは「ことばをはなす はな」がエコーフラワーでない可能性に言及しない。フラウィとなった「うつわの実験」についてサンズは知らないのか?

・それとも、フラウィの存在などを知っていてあの場面ではあえてミスリードする可能性はあるのだろうか? フリスクがまだどんな人物か測りかねていて、フラウィとともに悪巧みをしている可能性を警戒するとか?

・「ニンゲンとモンスターの戦争史」は漢字がふんだんにつかわれている。こんな使われている箇所他にあったっけ? 漢字=「こだいのもじ」? 英語ではどうなってんだろ

・としょんかの人が「数独」を漢字で言ってきたときも画数多くてちょっと驚いた。博識なのかな。

・アンダインの槍が地面から飛び出すチェイスの後、アンダインと対面するのに床を切られて落下するわけだけど、アンダインはなぜここで直接仕留めようとしなかったのだろう? 

・「ニンゲンを仕留めるつもりだったが、興奮して手元が狂った」「落下ダメ入れてから捕えるつもり(が見失った)」「殺害にはまだ若干抵抗があって直接手を下したくなかった」どれもしっくりこないな。

【地下の食糧事情〜モンスターの食材】
・食事事情はもうちょっと考えたいな。「モンスターの食べ物とニンゲンの食べ物は違う」が、材料は共有しうる(メタトンケーキの材料、あとバタースコッチ・シナモンもそうか? ゆうめいなメーカーのチョコは"ニンゲンの食べ物"だろう)。であれば、他の材料や調理工程に差がある。

・もちろん消化器の構造もモンスターとニンゲンで違うだろうが、ニンゲンもモンスターの食べ物を摂って瞬間的にエネルギーにすることができるので、食べ物自体に大きな違いがあるのはまちがいない。

・ところで、虐殺がナシの世界観で屠殺はありなのかな。カタツムリ牧場に行くと意思疎通ができるカタツムリもいるが、トリエル達にとっては食用だ。おれらだって豚や牛と会話できたら食えなくない?

・モンスターとニンゲン、その外側に"動物"もいる?(ポケモンの世界にインドぞうがいるみたいな話) カタツムリやネズミはモンスターではないのかも。

・考えてみれば、モンスターと対になっているのはドウブツで、ニンゲンはその中の1タイプに過ぎないと考えるべきだな。地上世界にはニンゲン∈哺乳類∈脊椎動物 みたいな広がりが普通にあるんだろうから。そして地下にドウブツが一切いないとも言い切れない。

・クモはどうだろう? 喋れないが、マフェットに花を持ってくるくらいの知能はある。喋れないだけならシャイレーンとかも割とそうか。

・ん〜……「意思疎通ができるかどうか、そういった知性があるかどうか」を判断基準にしていいのかも微妙だな。現実でも「赤ん坊は対話ができないから人間未満」ってことはないし、成人でも精神疾患によって人権が奪われることもないわけだ。現実では「人間か否か」で単純判定できるけど、この世界では「モンスターとはなんなのか」を考える必要がある。

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・モンスターを地下に閉じ込めた魔術師が7人だから、バリア突破のためのニンゲンのタマシイは7つ必要なのか〜


P2 ホットランド・コア

・メタトンクイズの「ハエある ゆうしょうは〜」の後にハエ数えクイズ来るの翻訳うまいな……元はどうなってるのか調べてみたらかなりクールな言い回しだった。

・日英翻訳において、ダジャレによって精神年齢下がって見える現象あるよな、日本語って「大人っぽいジョーク」の余地が少ないというかハードルが高いというか。

・他にもひらがなをあえて使うことの意図とか、文字選びも文体選びも選択の幅が広くて、広いぶん精神年齢のレンジも広い。英語にも「幼いっぽい書き方」や「老人の言葉遣い」はもちろんあるけど、日本語に比べればそこまで強く広く規定されない印象がある。

・メタトンお料理教室で、ジェットパックの燃料量がちょうどいいのは、ギャグムードにおけるご都合主義だと思ってたけど、ヤラセを前提に見ると見方が変わる。うまいなあー

【第四の壁:メッセージウィンドウ】
・かりに「この世界内で起きる現象・表象はすべて世界観内の設定として消化できる」と仮定した場合(例:食品ですぐHP回復するのは"モンスターの食べ物"だから。SAVEができるのはニンゲンの持つケツイの力。……みたいな、メタもジョークもメタとせず消化することの話)、メタトンニュースにおける「言葉の爆弾」はどう解釈するといいのかな。

・メタトン自身やスタジオセットはじっさい空中にあってカメラに映っていると解釈できるけど、メッセージウィンドウ関係が物理的に干渉してくるシーンってここだけ? それがなかったら、ウィンドウは全てプレイヤーと操作キャラの内心的なイメージにすぎないでしょ、で片付けられたんだけど。

・いや、序盤にフロギーが文字色やスキップに触れていたか。

・フロギーは「ケロケロ」としか言ってなくて、でもプレイヤーは意味を察することができる。でもバトル中は「ことばのいみをりかいしていない」と出る。

・つまりフロギーがメッセージウィンドウに触れている時、アンテの世界の登場人物すべてには「ケロケロ」という音でしか無く、ゲーム外のプレイヤーであるわたしだけが勝手に情報を読み取っている、と捉えられる……のか?

・カタツムリ牧場の「デンデン ムシムシ」も同様。

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・ナゾのカギってどこに使うんだろう?と一瞬迷うけど、路地裏の店はおそらくゴミ捨て場から拾ってきた → カギはゴミ捨て場の近くで使える? → ナプスタブルーク家の隣 ってヒントの流れがあるな

・トリエルはコンロを使わずに料理をしているけど、アンダインが家を燃やすコンロは科学なのかな? トリエルの攻撃は火の玉っぽいし、モンスターによって使える魔法のタイプがやっぱあるのかな。アンダインは光の槍だから、料理にはコンロが必要?

・ドリーマーの3人は似たような炎技最初に使うよね


P2 ニューホーム

・ニューホームで語り部のセリフ読んでる間に初めて低速移動の存在を知った……

・サンズの部屋の鍵入手。パピルスは兄と話す時の一人称「ボク」なんだね。

・アズゴアの「国民」も漢字だなあ。もっと序盤から漢字チェックしとけばよかった。

【バリア直近のおしろ】
・王城をバリアのすぐそばに置くの、戦争上の戦略としてどうなんだろう。王が1番キケンなところに住むことにならない?

・ニンゲンがあえて向こうからくる可能性は低いと見積もってたとしても、こっちからバリア突破できた時にバリア近辺が戦場になる可能性あるしなあ。

・戦争とバリア成立は数千年前みたいだし(だからドリーマー夫妻は数千歳なわけよね。ボスモンスターじゃないくせにガーソンは同じくらい生きていそうですごい)ニンゲン側はもはやモンスターの警戒してないんだろうけど。Pクリア時に地上で気ままに暮らせてるし。

・そういえばキャラが落ちてきてアズリエルがフラウィになってトリエルがいせきに籠もったのは何年前なんだろ。フラウィがあらゆるパターンの会話を試したりしてるからだいぶ前かな。いやフラウィはセーブをいじれるから実時間はさして必要ないか。

・何にせよ、地上の事情がわからん、今もモンスターが即殺されるかもわからん状態で、地上との出入り口直近をアジトにするのはキケンなのにかわりないだろう。

・バリアの研究とか実験とかする上で近いほうがラクなのはわかるけどねー

(追記:いや待てよおれ、城っておしゃれな住まいではなくてそもそも戦闘拠点だろうが。皇居や官邸や議事堂を戦線に置くのとは話がちがうぜ。いいんだよこれで)


P2 ラボ

・ニンゲンのタマシイが死後も消えないのは、どのニンゲンにも言えること。キャラやフリスク特有の特徴ではなく、地上に生きるニンゲンや、先に落ちてきた6人にも言えるだろう(だから6色のタマシイが保管されている)。それを地下世界では仮にケツイと呼称することにした。

・で、セーブ・ロードを繰り返せることはケツイと関わりがあるように記される。じゃあ先の6人もロードを繰り返せたのだろうか?

・きっとそうではない。リトライしまくれるならアズゴアにタマシイを取られていないだろう。ニンゲンにはケツイがあり、フリスクやフラウィのロードはケツイがあるからこそできてはいるが、それは必要条件であり、十分条件ではなく、ケツイはあるがセーブ・ロードは出来ないニンゲンのほうが一般的なのだろう。

・あまねくニンゲンにロードができるなら、それこそモンスターとの戦争なんて戦争にならないというか、それ以前にニンゲン内で内紛起きて滅んでそう。


<他人の配信を見てて>

【いやあ思ったより殺す人多いっすねえ!】
・②の記事で「これ殺しに走るモチベーション無くない?」って結構考察したけど…… 倫理観の話っていうよりは惰性と「結局非現実でしょ」の観念の話っぽい。

・なんにせよ、プレイ自体を非難する気はない。めっそうもない。

・プレイ自体というかそっから派生する思想的な部分……つまり、思い込みや弾みや惰性で暴力をふるい、それが当たり前になるときに、自己正当化が育つ過程をUNDERTALEがあぶり出しているなと思う。恐ろしいゲーム。


【ゆがんだ自己正当化と分断】
・プレイスタイルが人それぞれなのはよい(誰しもがゲームの中の命を尊重しなくてもよい、ってか赤の他人が介入する余地はない)んだけど、そこで破綻した自己正当化が生まれるならば、これはゲームの外まで波及しうる。

・「"ころすか ころされるかだ"をゲームは明確に否定しているか?」「"ころさず ころされずだ"こそが正しいってのがゲームのテーゼか?」というとそうではない。

・殺しをしてるN後半は、ゲームがちょっと責めすぎるんだよなー。消化不良な気持ちにさせることで周回プレイを促す意図だとは思うけどさ。

・責められて「しまった、やっちまったー」と思うだけならいいけど、責められすぎると自己防衛心が芽生えて、「私ばかりが悪くないでしょ」を成立させるための理論武装が生まれやすい。そこにどれだけ正常な論理があるか。

・対話できる知性を前に「モンスター=殴る対象」と機械的に分類するのはまさしく差別的だし、「憎しみの連鎖の中にいるのだから"こういうもの"だ」は自分の判断の責任とは関係ない。「向こうから攻撃してきたから正当防衛」も、殺し以外で相手の攻撃を止める手段が用意されているときの選択を正当化するものではない。

・倫理観上の是非ではなくて論理の破綻チェックの話ね。

・でもそういうのって感想会でもひらいて議論しないと省みにくい。が、ネタバレ厳禁ゆえ大っぴらに語れないムードがミスマッチになっている、そういう毒を持つゲームだ。

・いちど脳内で成立した自己正当化が「証明済みの定理」として、ゲームと全然関係ない現実の場面で用いられてしまえば、分断として表出しかねない。おれはそれが怖い。


【悪としてふるまい、押せ】
・そういえばカイジの鉄骨渡りを連想したな。押したくないなら押すな。時に仕方ない事情などがあるにせよ、結局行動するならば自分の主体性に対する責任からは逃げられない。

「そんなにすまないって思うなら落とすなよ……! やることやるけどごめんなさいって……なんか…… …なんか……二重にあくどいっていうか……調子よすぎる……!」(賭博黙示録カイジ 第65話)

・Gルートという「ゲームの面白いところを見たい」という我欲のためにevilに振る舞うんだ、と自覚すること。「ゲームのフラグ管理上仕方ない」のではなくて、ゲームをしないところまでが選択の責任なので、「私はゲーム中で自ら殺しを選んでいるのだ。」と、自信を持って振る舞うのだ。

・まあただ……ゲーム内の行動すべてが自分の選択かというとそうではない、Gは特に、操作してないけど勝手に動くこと(パピルスのパズルを無視しようと進んだり、黄色の子に攻撃したり)が多い。そのへんの責任は半減しているとも言えるし、諸悪の根源は自分と考えることもできる。


【不存在をグーパンしても拳は痛まない】
・「殺しはありえないよなー!フツー不殺当たり前っしょ!」って触れ回りながら一方でPUBGやってるやついたらウケるよな。

・その場合、アンテはダメでPUBGなら良い、その違いを明確に意識すべきだ(例:敵と対話ができないから / 相手の見た目が好きでないから / 敵に人格を認めておらずただの的だと解釈してるから / なんとなく / 等。べつに些細なことでもいい)。

・GTAなんかでテキトーなNPCを殴ったりできる時に、当然のように殴る人と当然のように殴らない人って結構二極化すると思ってる(そもそもGTAを遊ぶかって差もあるけど)

・アレを殴ることでゲーム的にも不利益はほぼ無いし現実世界への波及も無いし、かといって別に劇的にスカッとするわけでもない。実行のハードルは超低いしリターンも微小な時って、意志の違いではなくてもう習慣とか無意識の「そういうもんだ」の刷り込みで二分されると思う。

・「自分の部屋にゴミが落ちてたらその場で拾う」かどうかって、拾うほうが社会的にはイイっぽいかも知れないが、実際自分の責任の圏内でゴミがあろうが致命的ではないわけ。賞味期限をどんだけ過ぎたもの食っても、自分への体のダメージがなければ期限を守る必要はないし、ダメージがあったとしても自己責任でいい。脱いだ靴を毎回揃えたところで100万円得することもない。NPCを殴ってもモンスターを殺しても、それで何が変わるっていうわけ?

・現実にそのへん歩いてる人を殴ったら当然犯罪で大問題だけど、フィクションなら何も変わらない。そこをあげつらってモラルとか教育に悪いとか言い出す"PTA的連中"を鼻で笑う気持ちはわかる。


【フィクションの私は私じゃないの】
・つまり、フィクションと現実をほんとに区別できるか?が心配されると考えられないか。児童教育によくない……10代前半とかだとフィクションと現実の距離を測れなそう、って指摘は説得力ある。実年齢が成人でも精神的な成熟度は別問題だ。

・また、何も変わらないように見えても、些細なことの積み重ねが何かを変える可能性を考える。無意識に1個ゴミを見逃す人が、気づけば100個ゴミを見逃している可能性とか。靴を揃えて手を洗って服を畳んで、所作の品性の積み重ねで醸成される精神への影響とか。

・品がある=エライ、ってことは特に無いけど(非攻撃的なのはエライかも。人はポリス的共同体なので)、有意差が生まれるなら能動的選択の価値が出てくる。

・ゲーム内で無意識に手を出す人が現実で暴力沙汰を起こす可能性との直接相関示唆は、まじ言い過ぎと思いつつも、他人を雑にイジるとか、コンビニ店員に無言でサービスをやらせるとかぐらいまで程度を下げるとどうなんだろね。これは「些細なら問題ない」で済ませて良いだろうか?

・少し逸れるけど、「TVは時代のせいでコンプラに厳しくなってつまらなくなった(過激さが生きているYouTubeに人が集まった)」論ってあるじゃん。あれの根っこは「少数を虐げないと得られないオモロの慣習的肯定」気味だよな。時代のせいではなく「現在の俺が現在の責任において当時のノリを肯定するのだ」と断言するならOK。おれは乗れないが……

・「画面の向こうの人」って半ナマというか、その存在自体はノンフィクションなのに、エンタメの中の登場人物感があって、それでリアリティショーのタレントを自殺に追い込む例が世界中にあるわけじゃん。YouTuberやSNSユーザはいっそうナマ寄りだよね。

・これ何の話かというと、「フィクションなら何やってもいい」とする時に、どれだけ、確信の伴う線引きができるだろうか? おまえは、おれは、どうか?

・低程度で些細な攻撃性が積もり重なっただけだとしても、まぎれもなく「おまえが、おれが、部分的にやったこと」だよね。自分の無思慮な攻撃的振る舞いを見つめ直してみませんか? っていうのはこのゲームの根幹のひとつに感じたな。

・Undertale自体が、「無思慮な攻撃性を容認しないと刺激的なエンタメは作れない」に対する反例だとも感じるし。

・一方で、この面白さがあれば暴力の楽しさを求める人を全員満足させられるとも思わない。幼児を惨殺しないと性欲を満たせない人にまっとうなAV渡しても代替にならないのと同じ。「嗜好は教育で矯正しろ」とも言えないしさ。

・でも当然それは実行してはいけないし、空想上であれ世の中に承認されるのは諦めないといけない。だから開き直って「昔のTVは過激で良かったのに」とか言ってもダメなの。

・あと、それを際立たせるために、登場人物のほとんどが"イイヤツ"であるとも感じた。我欲のためにひとを蔑んだり憎んだり傷つけるヤツってほぼいなかったじゃん(例外:ニンゲン差別、フラウィ)。それが地下のアタリマエであり、来訪者のニンゲンであるプレイヤーはアタリマエを共有しない価値観でモンスターにはたらきかける選択肢を持つ。

・イイヤツばかりという設定が対比するのはニンゲン……というよりは、地上である……というのが……おそらく次回作の……



Ba Dum Tssとツクテーン

・サンズのジョークがキマったときに鳴るドラム音は、英語圏ではBa Dum Tssという「定番のオチ効果音」だ(日本で言うチャンチャン)。

・「Hi Tom→Lo Tom→Cymbal」で演奏される。TomじゃなくてSnareのことも多い。楽譜的には、2打目は1打目の倍の音価になるので、"Ba Dum Tss"って表記は音色としてもリズムとしてもけっこう正確に書き表されている。

・で、日本の動画を見てるとこれを「ツクテーン」と書くのがお決まりになっているらしい。これはリズム面も音色面も(アンテ内ではSnareじゃなくTomなので)文字表現としてかなり筋が悪い。

・ツクテーン って表記自体はネット文化に昔からあって(例えば東映版スパイダーマンへのコメントでツクテーンが使われていた。これは音にちゃんとフィットしてた)流用されただけだと思うんだけど、こんなにハマってなくても定着しちゃうんだな〜っていう

・こんなしょうもないことを気にしているのは、Ba Dum Tssを起点に日本人の表ノリ文化を考察するblogを以前読んだから。「日本語の発音規則に弱起がないことと、裏ノリの解釈の難しさに連関があるのでは」って考察で、今回おれがへこんだのは「リズムを聴く・感じる」習慣自体が弱いんじゃねって感じたから。


その他

・特定のキャラを柴田理恵とか坂上忍とか言ってキャッキャする精神年齢やばくない? ぱっと出てくすっと笑うぐらいならもちろん理解できるけどそっからずっと擦ってるのどうだろ。おれが中学生だったら擦っていただろうか……


こういうブログ書くこと

 おれいままで生きてて、そんなに考察厨ムーブしたことなかったんだよなあー。考察を揶揄する笑いって結構あるよね。他メディア他作品だと「作者はそんなとこまで考えてないよw」みたいな嘲笑は多いし、その心理を想像はできるけどまあ普通に軽蔑している。Undertaleは「Tobyはそんなとこまで考えてる」と言い返しやすいのがまだいいね。

 ホントは、考えを書くだけじゃ半人前で、他人と会話してこそ実がついていく、と思いつつ。でもおれは、書き下ろさないと考えが1本の幹にならないんだよなー。多元的接続をしてるモジュールを1本の筋に絞る整理をしないと発話できないから。あと手を動かして浮かぶ考えも多いし。


つうわけでアンテプレイ記は終了。

DELTARUNE 1章もプレイしたんだけど、「プレイ中に、ボイスメモをずっと録っておいて、考えたことその場その場でボソボソつぶやく」スタイルでやったところ、文字起こしするのが面倒になったのでプレイ記はやめる。

かなり辛辣で、こんなことするんだ……地上って……としみじみとしたことだけ書き残しておく。

投げ銭いただけたら、執筆頻度が上がるかもしれません