Abletonにて: オーディオの補間

 Abletonの細かい話は以下にまとめてます。

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 基礎編のメモです。

問題:
 ある音ネタをブラウザでプレビューした時に比べて、Simpler に読み込んで鳴らした時、背景ノイズがうるさくなるものがあった。

原因:
 サンプルのレートと出力デバイスのレートが違う時、補間の設定が音に大きく関わってくるため。

解決:
 Simpler を Sampler に替えて、Interpol を Best にしたら、プレビューと同じ鳴りになった。


 今まであんまり気にしたことなかったんだけど、たまたま気になるサンプルを見つけたので (そういう"問題が出やすい・わかりやすい"データをキラーソースと呼ぶ) 状況をしらべた。

 今回、「レコーディングしたての、サーッという背景ノイズの大きめな、96000 Hz の WAV サンプル」を、48000 Hz のサンプルレートにしている出力デバイスで鳴らそうとしたところ、サーッという音がデカく、更にはリーッという音にもなってしまった。

 ここで解決策①。「出力デバイスのレートを 96000 にしてしまえ」。これでリーッはなくなった。めでたし。
 ……とはいえ、CPUパワー不足などの関係で 48000 を選んでたのだ。48000 のままうまいこと鳴らしてくれませんかね。

 ここで活躍するのが補間 (Interpolation) だ。


補間を使おう

 というか、最初から自動的に補間はかかっている。ただ設定として、「ふつう」「イイけど重い」という選択肢がある。

 今回はたまたま、「"ふつう"ではリーッと音が鳴ってしまう」というキラーソースだった。
(「レートがズレてたらなんでも絶対ヒド〜くなる!」わけでは多分ないので、アレ?と思ったら耳で聴き比べて、うまく塩梅を確かめてほしい。)

 ではどこで「ふつう」と「イイけど重い」を切り替えるのか?


オーディオトラック / プレビュー

画像1
↑オーディオクリップ画面の左下にある、黄色いボタン

 クリップビュー内の [HiQ] ボタンを点けると、補間の品質がアップする。
 いちいち手動でこれを点ける必要はない。環境設定 > Audio > サンプルレート にある [デフォルトSR & ピッチ変換] を [標準] から [高品質] にしておけば毎回 [HiQ] で読み込める。

画像2

 画面左のブラウザでサンプルをプレビューする時も、この補間が反映されている。


Simpler

 Simpler では、上で言う [HiQ]オフ と同じ標準補間でしか鳴らない。
環境設定のデフォルト〜の設定も関係ない

 つまり、デフォルト〜を高品質にしていたら「ブラウザプレビューは高品質だけど Simpler は標準」となるので、音が違うファイルがある!と気づいたわけだ。
 Simpler をどう設定しようと―― Classic モードだろうが 1-Shot モードだろうが、Filter や LFO や EG をつけようが、Warp しようがしまいが――この違いを埋めることはできない。

画像3
Simplerのてきとうなところで右クリックすると……

 ではどうするか。右クリックから [Simpler -> Sampler] を押そう。


Sampler

 Simpler は文字通り、Sampler のたくさんの設定をシンプルに絞って使いやすくしたヤツだった。だから、Sampler に変更しただけでは音は同じ(はず)。

画像4
Samplerの右下にあるちっちゃいプルダウンメニュー

 右下の方に [Interpol] という設定があり、4段階に設定できる。

  • No: 補間なし

  • Normal: Simpler、オーディオの HiQオフ、環境設定の[標準]と同等

  • Good: ↑と↓の中間

  • Best: オーディオの HiQオン、環境設定の[高品質]と同等

よって、ここを Best にすればオッケー。

(ちょっと未確定なのは、今回おれが試したサンプルだと Normal と Good の差がわからなかったから、Normal じゃなくて Good が「Simpler、オーディオの HiQオフ、環境設定の[標準]と同等」かも)


ということで、

 「なんか嫌な高いノイズがする!」と思ったら、まずサンプルファイル側のサンプルレートと再生機器のサンプルレートをチェック。レートが違ったら、上記の方法で高品質補間を試してみよう。

 補間は結局 CPU パワーを使っちゃうので、あんまり手間だったら最初に言った「解決策①。出力デバイスのレートを 96000 にしてしまえ。」でシンプルに解決するのもよい。

 ここまで、48000 vs 96000 の話をしてきたけど、レートが違うことでこの問題が起きるなら、44100 vs 48000 でも起きうるってことだよね。今まで、44100の出力設定で48kサンプル使ったりしても気にならなかったんだよな〜、もっと気にしてたら色々汚れがあったのかな〜
 まーその当時に耳で納得できてたらそれでいいんだけどね。


以上基礎編でした

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