TAKE A TRAINというゲーム
(追記9/14)雑に転がっていたWindows機によって、先日試用版をプレイできた!のでスクショを追加しました。
TAKE A TRAINというゲームが、Windows 3.1時代にあった。32bit版もあり、小さいころに親のWindows 95で大層気に入って遊んでいた記憶がある。
まだダウンロードできる。やりたい。しかし家にWindowsがない。Windowsユーザーのみなさんはぜひ遊んでみてほしい。いや、現行機で遊べる状態なのかもよくわかってない。シェアウェアだが、試用でどこまで遊べるのかな。
もしかしたら正常起動できても、お金を払ってアンロックする必要があるかも。送金代行のNIFTY-Serveは2001年に無くなったし、直接振込先である第一勧業銀行も2002年にみずほ銀行になった。ヘルプには作者の実名と住所が載っていて、橋本さんがまだそこに元気に暮らしてらっしゃったら手紙でワンチャンあるかも。でも迷惑かも。NIFTY-Serveが無いのでメール先も無い。
(追記: 試用版だと、1戦ごとにゲームが閉じてしまう制限だった。裏返せば1戦なら普通に遊べる!)
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記憶の中で、ゲームとしてとにかく面白かったことを覚えている。なんなら、自由帳を切ってカードを自作して現実で遊べるようにしていた覚えまである。
だがルールの詳細を覚えてない。Windowsがないから起動できず、ネットにも情報がぜんぜんなく、スクショの1枚も見当たらない。(Twitterでつぶやいている人をひとりだけ見つけた)
で、HLPファイルを無理やりShift JISで開き、ルールを読んでいる。やっぱおもしれえなあ…… スマホ移植とかしてくんねえかなあ…… いや、誰も知らないならおれがやるしかないのか……?
これが埋もれてしまうのがさみしいので、ルールを記録していきます。
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概要
TAKE A TRAINは1対1対戦のカードゲームだ。「花札みたいに遊ぶ、すごろく」というイメージが近いだろうか。(アプリケーションとしては、CPU戦専用ゲームだった。)
プレイヤーはそれぞれが新幹線の運転手であり、「駅数カード」を出していって、先に28駅進んだほうの勝ち。
ただ数字の大きい「駅数カード」をいっぱい引けばいいというわけではなく、「進めカード」で青信号にする必要があったり、「大雪カード」で相手を足止めしたり、「除雪車カード」で相手からの大雪を無効化したり……などなどの駆け引きが発生する。
場
ターン進行
山札は108枚で共有。お互いに7枚を手札にしてゲームスタートする。
・(2ターン目以降は) 1枚引く。
・1枚場に出す。出せるカードが無ければ代わりに、捨て札の山に1枚出す。
・ターンエンド。
これをお互いに繰り替えすのみ。
駅の進み方
[駅数カード]
1駅: 10枚
2駅: 10枚
3駅: 10枚
4駅: 12枚
8駅: 4枚
これを黄色の置き場に出していくことが基本になる。28駅先についたほうが勝ちなので、大きい駅数カードをどんどん出せば勝利が近づく。
(置き場は5つしか無いけど、これは5枚しか出せないわけではなく、枚数制限はない。見やすく整理して置くための場所ってだけ。)
注意点は3つ。
まず、28駅ピッタリじゃないとゴールできない。
25駅まで来たときに、2駅カードを出してしまって、後から3駅カードを引いちゃったら無駄になってしまう。
次に、8駅カードは1プレイヤー2枚までしか使えない。
8駅は結構レアカードだけど、1ゲーム中に運良く3枚引いても、3枚目は無駄になる。
そして、青の自分の「戦い」場に青信号「進め」が出ているときしか、駅数カードは出せない。
信号と障害、対策
青の「戦い」の場には、自分の新幹線のコンディションが示される。
進め (青信号): 14枚
止まれ (赤信号): 4枚
自分の戦いの場に「進め」を出していないと、駅数カードを出せない。つまり最重要カード。
基本的に、自分の戦いの場の一番上が「進め」じゃない状況では進めないということ。
「止まれ」は妨害カードで、相手の戦いの場の「進め」の上に置くことができる。「止まれ」を出されてしまったら、また「進め」を引いてきて信号を変えないといけないわけ。
[障害カード]
ポイント故障: 2枚
大雪: 2枚
台風: 2枚
これらは「止まれ」よりもさらに強い妨害のカード (その分レア)。3種類に効果の違いはない。
相手の「進め」に重ねると、相手は駅数カードを出せなくなる。そして、この障害カードの上にそのまま「進め」を出すことはできない。じゃあどうする?
[対策カード]
ポイント修理: 6枚
大雪解除: 6枚
台風解除: 6枚
障害カードを出されてしまったら、それに対応した対策カードを重ねる必要がある。対策後にようやく「進め」を出せるようになる。
自分が「大雪」を使って1ターン消費したら、相手は2ターン使って「大雪解除」「進め」を出さないと元に直せない。つまり、障害カードは少なくとも1ターン得できる。
マッチした対策カードや「進め」を引けなかったらもっと時間稼ぎができる。その間に進んでみたり、やっと進行可能になった相手にまたもや障害を押し付けてみたり……強い。
障害の重ねがけはできない。戦いの場に重ねた一番上のカードのみが有効。
ソフトな障害: 地震
地震: 4枚
地震解除: 12枚 (たぶん)
地震はソフトな障害カードだ。これは相手の戦いの場に出すのではなく、その隣の紫色の場に置く。
これが置かれている間、信号の状態にはとくに影響がないが、出せる駅数カードが1, 2だけになってしまう。
他の障害カードは相手を完全に停止させられる上に、「進め」の出し直しまで要求させるので強いのだが、こいつは妨害力が低い。
その代わり、出す場所が戦いの場じゃないので、たとえば相手が台風に苦しんでいるときにも追加で出せる。障害の重ねがけができるのだ。
ポケモンなら、ねむりとまひは重ねられないけど、こんらんは重ねられるみたいなもんだ。
特殊車両の保証カード
さて、障害カードは強すぎるわけだが、そこに鮮やかにカウンターを決められるレアカードもある。
[保証カード]
保線作業連結: 1枚
除雪車: 1枚
暴風壁: 1枚
リニア: 1枚
それぞれが障害カードと対応していて、緑色の場に出す。
保線作業連結なら、これが出ている間「ポイント故障」は効かない。途中で失効したり捨てられたり奪われもしない永続効果なので、出せたら確定で有利になる。
しかも!これらのカードを出したらもう1ターン続けられる。
ポイント故障→ポイント修理 / 保線作業連結
大雪→大雪解除 / 除雪車
台風→台風解除 / 暴風壁
……の対応関係はいいとして、リニアは?
「止まれ」「地震」の両方に効く。つまり「進め」「地震解除」の2役を兼ねる。
このヤバさがおわかりになるだろうか。最重要カードの「進め」が永続適用だ!
「進め」は「止まれ」対策だけではなく、他のどの障害カードを対策した後にも1枚必要だった。それが全部タダ。リニアがあれば相手の障害カードの「1ターン得」を永続的に拒否できる。
花札で言えば"菊に盃"くらい強い。もっとかも。
おまけの拡張カード
以上が基本ルール。
あとこの基本山札に加えて、リニアよりもさらに低確率で出現するレア拡張カードがある。
マイナス4カード (確率約1/150)、マイナス8カード (1/300)
相手がその駅数以上進んでいたら使える。相手の駅数置き場に出してマイナスする。
交換カード (1/300)
これ自体は捨て札山に出す。お互いの手札6枚を総交換する。
3回休みカード (1/300)
これ自体は捨て札山に出す。相手が3回休みになる。ボルバルもびっくり。
このカードの使用に1ターン使うので、2ターン得する。
忘れたカード (1/150)
使いも捨ても出来ず、手札の枠がひとつ埋まってしまう邪魔カード。
延長戦
さて、28駅のゴールに到着すると、ゴールした人には延長戦を行うか決められる権利が与えられる。場のカードも手札も全部引き継ぎで、もう12駅……40駅目をゴールにできる。
花札の「こいこい」みたいなものだ。こいこいみたいに相手の得点が倍になるリスクはないけど。
花札で勝ち確を捨ててでもこいこいをするのは、リスク以上に得点を伸ばし、12回戦の合計点で勝つためだ。
ということでTAKE A TRAINも、1回あたりの勝ち負けだけではない、スコア勝負の要素がある。
得点計算
TAKE A TRAINは、この勝負を何度も繰り返して、先に10000点取ったほうが勝ちとなる。
得点は、1駅あたり25点。
28駅でゴールすれば700点だし、40駅なら1000点。
負けた方も、進んだ分の得点はもらえる。
そして、勝ったほうはゴールボーナスを400点もらえる。
延長をすると200点もらえる。
他にもボーナス要素がある。
・保証カードを出した: 100点 x 枚数
・保証カードを4種類揃えた: 300点
・安全走行 (8駅カードを使わず、40駅到達): 300点
・シャットアウト (相手が1駅も進むことなく、自分は40駅到達): 500点
・ディレー (山札が無くなってからゴール): 300点
シャットアウトで完封するとそれだけで2100点差つくわけだ。
保証カード4枚揃えると、そもそもゲーム的にめっちゃ有利な上に700点ボーナスが入るのも凄い。
「反撃」ボーナス
そして、プレイングに影響する要素に「反撃」がある。
これは、相手が障害カードを使ってきた次のターンに、保証カードで即座にカウンターを食らわせれば、300点もらえるボーナスだ。
保証カードなんて出し得なので (ターン消費もないし)、引いたらすぐに使いたくなってしまうが、300点のために握っておく戦術がとれる。
とはいえ、暴風壁を握っていても、2枚しかない台風を相手が打ってくるか? その前にゲームセットされちゃったらもったいないし、握ってる間に手札交換で奪われる可能性すらある。
あと、先に暴風壁を出しておけば、相手の台風は手札で腐るだけになるが、台風出されてから反撃で暴風壁を出すと、こちらで「進め」は出し直さなければいけない。このへんがプレイングになる。
反撃4回決めてボーナスも総取りしたときの理論値は1試合4600点。でも、普通の圧勝で2500点前後、ふつうで2000〜点、辛勝で1500〜点程度なので、だいたい5, 6勝先取な感じで戦うことになる。
以上。やりて〜 誰かやりません? 手作りしますよカードは。自由帳でね。
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