見出し画像

東洋医学の深淵〜奇恒の腑〜

セール中

〜10月21日 12:00

1. 奇恒の腑:西洋医学にはない、もう一つの視点

東洋医学では、生命エネルギーである「気・血・水」が体内を循環することで生命活動が維持されると考えます。この流れを調整し、生命活動の維持、成長、生殖を司るのが「臓腑」です。臓腑は「五臓六腑」と「奇恒の腑」に大別されます。

五臓六腑は、西洋医学の臓器と共通点が多く見られますが、「奇恒の腑」は西洋医学の概念に直接対応するものがなく、東洋医学独自の視点から生まれた人体観と言えます。西洋医学が臓器の形態や機能に着目するのに対し、奇恒の腑は「気・血・水」の流れを生み出し、貯蔵し、全身に巡らせる機能に焦点を当てています。

2. 奇恒の腑:6つの個性と役割

奇恒の腑は、「脳」「髄」「骨」「脈」「胆」「女子胞」の6つから成り立ち、それぞれが独自の役割を担い、相互に影響し合いながら生命活動を維持しています。以下、各器官の詳細を解説します。

2.1 【 脳 】:精気を司る、生命活動の司令塔

(1) 東洋医学的視点

東洋医学における「脳」は、単なる思考や記憶の中枢ではなく、生命エネルギーである「精」を生成、貯蔵する最重要器官と考えられています。五感からの情報や思考、感情なども「脳」に集まり、全身の機能を統括しています。

例えば: 巨大な図書館の司書。
膨大な量の情報を整理し、必要な時に瞬時に引き出す
そんなイメージです。

  • 関連する経絡: 督脈、任脈、膀胱経

  • 気血水の働き: 精を生成し、髄海に貯蔵する。清陽を頭部に上昇させ、精神活動を維持する。

(2) 西洋医学的視点

西洋医学における脳は、中枢神経系の中枢であり、運動、感覚、思考、記憶、感情など、あらゆる生命活動を制御しています。

2.2 【 髄 】:脳を支え、生命活動を支えるパートナー

(1) 東洋医学的視点

「髄」は、脳と脊髄、骨髄などを含み、「脳」と密接に連携し、生命活動を支えています。「髄」は「精」を貯蔵する場所の一つであり、「髄海」と呼ばれます。「髄」が充実していると、骨や歯が丈夫になり、思考力や記憶力も高まるとされています。

  • 関連する経絡: 督脈、任脈、膀胱経、腎経

  • 気血水の働き: 精を貯蔵し、骨や髪、歯を養う。脊髄を介して全身に栄養を運ぶ。

例え話:図書館の本棚。
膨大な情報を適切な場所に保管し
必要な時にスムーズに取り出せるよう整理整頓しています。

(2) 西洋医学的視点

西洋医学において、脊髄は中枢神経系の一部であり、脳からの指令を末梢神経に伝え、逆に末梢からの感覚情報を脳に伝達する役割を担います。骨髄は血液細胞を生成する造血器官です。

2.3 【 骨 】:身体を支え、精を蓄える

(1) 東洋医学的視点

ここから先は

1,793字

セール中
¥300
¥ 240

9月21日 12:00 〜 10月21日 12:00

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?