まちへ

2018年5月

今年から日記をつけてみることにしました。 ぼちぼちと。書かない日もあると思うけど

25日

26才の一人息子の子育てで失敗と感じて後悔していること三つ。
そのことを書いておくことにした。

まず一つ目は、
息子がまだ3~4才とき、一度だけ、ほほをぺチン!と叩いたこと。

いうことをきかない頑迷な態度に腹が立ってしまって、思わず手が出た。
息子は泣くでも謝るでもなく、くやしそうな顔で黙っていた。
私には嫌な後味がやわらかいほほの感触とともに残った。

半年たって忘れたころにぽつりと息子に言われた言葉が衝撃だった。

「あのときのおかあさんはサボテンだった」

半年たって言うのにも驚いたけれど、
「サボテン」という見事な表現に舌を巻いた。
あの時の私の姿はサボテンそのものだったに違いない。
そのときから、どんなに腹が立つことがあっても
絶対に手をあげないと決めた。
第一、手をあげられて言うことを聞く子じゃないとわかったから。

二つ目、
「不器用だからね」と言ったこと。

息子は1歳5か月でやっと歩き始めた。一般には話すのは歩き始めてからというけれど、まだハイハイしているときにすでにしゃべり始めていた。
手足を使うことがもどかしいのか、
服のボタンの留め外し、靴はき……身のまわりの動作が
保育園の他の子に比べて遅かった。
それを慰めようとして軽く言ったつもりの
「不器用だからね」
それが息子にとって尾を引くものとなった。
自分は不器用だと思い込み、
もどかしくてもやってみて体験を積んで自信をつける。
そのことを避けるようになってしまった。

保育園の園長先生は息子が描いた絵を園長室に飾っていた。
もどかしさのなかに思いがあふれていて大好きな絵と言ってくださった。
私も息子の描く絵は好きだった。

それなのに、
息子は全く自分の手足ですることに自信を持つことはなかった。

三つ目の失敗、それは授業参観後の私の感想。それも言葉だ。

小学校に入学して最初の授業参観の日、
息子のクラスに向かう廊下でまず驚いたのが
他のクラスはいかにも一年生らしく、
子どもらしいざわめきが廊下まで聞こえたのに
息子のクラスだけシーンとしていた。
教室に入ってみると
(これが一年生になったばかりの子どもたちか?)と
驚くような授業風景だった。

全員、手を膝に置いて話を聞き、先生が質問すると
黙って手を挙げ、指名されたら「はい」といい
立って答える。その答えへの反応は口々には言わない。
反応の仕方も決められた通り。
授業が終わっても、ざわめきもなく、席も立たない。
短期間に授業の受け方を仕込むとは……。

けれども、少し気になることがあった。
先生は誰かをほめるとき、ものすごくオーバーにほめる。
「○○さん、そういうの、先生、だーいすき‼」
逆に、注意するときは
生徒保護者全員の前で大きな声で
「△△くん、指しゃぶりをやめなさい‼」
まだ幼児性の抜けきらない一年生。
中には指しゃぶりのくせがでてしまうこともあるだろう。
大声でみなの前で恥をかかせる必要はあるのか?

そんなアメとムチで仕込んだのだ。

授業参観のあとの懇談で自己紹介を兼ねて
保護者が一人一人授業の感想などを話した。

私は授業の感想を
「まるで小動物の調教のようでした」と言った。
率直な感想でもあったし、あの授業を見ていた親たちならわかる。
もしかしたら、皆さんくすくすっと笑ってくれるかもしれない。
多少ウケ狙いもあって発した言葉のあとは
シ―ーーーーーーーン
という静寂のみ。先生からも保護者からも何の反応もなし。
一年の初めが肝心だからと、授業の方針について
先生からの説明があったなら私の発言も生かされたと思うけど……
とにかく、捨ておかれた。
そのあとに自己紹介の若いママに対しては
「○○さんみたいな人、私だーい好き‼」と……

やっちまった。けれどしょうがない。素直な感想言っただけ。
そう思っていたら、とんでもなく、その影響は我が子に来た。

プールの授業で、顔を水につけるのが怖い息子の
頭を押さえて無理やり水に潜らせる。
保育園の時はプール大好きだった息子がプールのある日は
学校に行きたがらなくなった。

硬筆の作品、教室の壁に全員のを貼りだし、全員に金賞の
リボンがついていたのに、息子のだけ、そのリボンがついていなかった。
それを知ったのは、通信高校卒業式に親にくばられた作文でだった。
その時に知っていれば、その理由を先生に質問できたのに。

不登校だった、義務教育期間の小中合わせて2年半の間、息子は
鉛筆を持って文字を書くことも絵を描くこともまったくしなかった。

心を傷つけられ、まったく自信を失っていたのだ。

それを招いたかもしれない、私のちょっとした一言。

けれど、それだけではないだろう。いろんな複合的な要因はある。

先生にもいろんな人がいて、対応が違う。
親も学ぶ。

そしてなによりも自分で勝ち取った自信が前に進ませる。

今は大学も卒業して資格試験の勉強中だけど、
もうひとつ超えたあたりで、
あの、失敗の一言を謝ってみよう。
覚えているかな?

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