かすかべ思春期食堂~おむすびの隠し味~【Page21】
前ページへ 目次へ
四、ありさの決断 ②
ハルの話をありさは何かを思い出すように、空間に目をやり、しかしそこには視点があっていないという感じで聞いていました。そして、はたと思いついたように
「あたし、さっき川で、自分が転んで座り込んでた場所を見てきたんです。草が折れてつぶれてそこだけへこんでました。あのときはわからなかったんです。そこがどこなのか。ただ怖くて不安で……周りが何も見えない中で自分の気持ちだけがブワーって大きくなってた。自分のことばっかりで、周り