見出し画像

TOKYO LAUGH STORY『彼は私』、を観てきたよって話

10/30、東京・阿佐ヶ谷。阿佐ヶ谷アートスペースプロットで行われた"TOKYO LAUGH STORY『彼は私』"という公演を観てきた話をします。今日もBGM選んでおいたから、聴きながら読んでみなされ↓

何故コレを選んだかは後々に説明します。

出演者は二人。女優、グラビアアイドル、怪談朗読師、お笑い芸人、夢幻マテリアルというバンドではボーカルを務める春野恵さん。そしてお笑い芸人のたなしゅうさん。簡単に説明すると春野恵さんは推しで、たなしゅうさんは春野さんをきっかけに知った芸人さんです。

↓一応この公演に向けてのお二人のnoteも貼っておきます。これでいつも長くなる説明パートは終わりという事にしよう。

↓というわけで、会場の阿佐ヶ谷アートスペースプロット。JRの阿佐ヶ谷駅からは少し離れていたけど、見るからにとってもプロットだったんで分かりやすかったです。

画像1


さて、それでは本編いきますよ。これはお笑い芸人さんのイベントです。お笑い芸人さんのイベントなはずです。本来ならお笑いライブって書いてもいいんでしょう。でもフライヤーにはお笑いライブって表記ではなくて公演という表記です。この辺の表記の仕方がポイントになってたんだなぁという感じでした。↑に春野さんの肩書をザーッと書きましたけどそれが全部あって全部繋がってるんだなぁという感じでした。人によっては、随分いろんな事やってる人なんだねって思うかも知れない。でも、人より肩書きが先に来るのは辞書の中だけ。やはり先に人が居て、そこから何かが生まれてくるんだから舞台の上にはその人の全部があったんですよ。アーカイブ配信とかもあるから、これから観る人の為にも具体的な内容は書かないでおきますけど。この公演に関して春野さんは自分の殻をぶっ壊すという言い方をしてました。多分、ぶっ壊したかったのは観てる側の勝手なイメージなのかな、と思ったりして。芝居のようでもありコントのようでもあり自伝のようでもあって、舞台の上で伸び伸びと、歌ってるようにも踊ってるようにも見えた春野さんの姿は、とても何かを壊してるようには見えませんでした。ただ素の春野恵がそこにいるという、それだけなんだけどそれがいいっていう感じがしたんですよね。直接的な意味ではないけど、イギー・ポップとかシド・バレットとかカート・コバーンとか思い浮かんだんですよね。なんて音楽好きっぽい例え。まぁ実際には台本があってそれに沿って演じたりとかしてるんだけど、それによって何のフィルターも通してない春野恵という人を感じたみたいな。春野さんが出た舞台を観た事もあるし、女神インラーンとして出たお笑いライブも観た事もある。イベント等で直接お話させてもらった事もある。それでも今日観た舞台の上での春野さんの言葉は今までで一番力強く熱を帯びてたように思ったんですよね。コントか芝居か、どちらかとも言い切れないお笑いライブのようなお芝居の公演のような何か。私はドキュメンタリーみたいだなって思いました。事実もネタも、いろんなものが折り重なって、それが春野恵という人の核にある魅力にダイレクトに触れるような…、勝手な錯覚かも知れないけどね、そんな感覚を覚えました。ホント、いい公演でしたよ。

…って締めちゃいけない。あと、たなしゅうさん。この方にも触れとかないと。芝居のようなコントのようなテイストってこの人だから成立したんだろうなと思いました。この公演に関して、恐らくかなり苦労もされたんでしょう。ホントにお疲れ様でした。この方、関西の人なんだけどステレオタイプな関西の感じがあまりないのがいいですよね。東京の人間からしたら、コテコテの関西の漫才とかって味付けが濃すぎるって思いがちなので、そういう意味でもいい組み合わせだと思いました。今後がどうなるかは分からないけど、「彼は私」年一の単独的立ち位置のライブとしてやって欲しいなーなんて、勝手ではあるけど思いました。たなしゅうさんにしたら「マジかよ」って思うかも知れないですけど。言葉の端々からホントに大変だったんだろうなっていうのは伝わってきたんでね。


で、なぜ本日のBGMに電気グルーヴの弾けないギターを弾くんだぜを選んだのかって話です。春野さんと同じ静岡出身だからじゃないですよ。弾けないギターを弾くんだぜってつまりは出来なくても仮初めでも、とにかくやるしかねぇっていう事でしょ。そういう初期衝動的な熱っ気が、今日の春野さんにはあったなぁと思って。言い方が合ってるかは分からないけど、新しい…というか本当の自分へ成ろうとする足掻きっていうか。その姿にちょっと涙出そうになったしな、お笑いライブのはずなのに。そろそろBGMが終わっちゃったかな?次の曲いきましょう↓

ギターウルフのワイルドゼロです。これも同じ延長線上にあると思ってて、何にも無くてもただのゼロじゃなくてワイルドなゼロになれって曲です。かつて忌野清志郎がギターウルフに「行け!ギターウルフ!」って言葉を残したらしいんですけど、今の気持ちとしては正にそんな感じ。多分、今まで色々と苦しんできた部分ってあると思うんです、芸能人としてね。ああしなきゃこうしなきゃ、こうしないといけないこういう事はしちゃいけない…そういうものと実際の自分の気持ちとのギャップみたいなものの間で苦しみながら活動をされてきた部分ってあると思うんです。芸能人特有って訳でもなく、誰しもに起き得る問題だとは思いますけどって、まぁ想像なんだけど。とは言えこの公演ってそのギャップを切り捨てて、それでも自分の言葉で声を上げて進んでいくっていう狼煙みたいなもんじゃないかなって思ったんで、そうした以上は「行け!」ですよ。例えそれが茨の道でも修羅の道でも、晴れやかに駆け抜けて欲しいですよ。今日、舞台の上で観た春野さんは今までで一番、本当の意味で美しかったように思います。

10/30。去年も一昨年にもあったし、来年にも再来年にもあるでしょう。100年前にもあったし、100年後にもあるんでしょう。それでも2022年の10/30はとてもいい日であったように思います。よくある10/30を特別なものに思わせてくれた春野恵さん、たなしゅうさん、スタッフの皆さんに感謝を送ります。

それではまた!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?